夜の雨に濡れたファミリーの過去

モンテリから届いた一通の招待状が、あなたを埋もれたファミリーの過去へと誘った。平衡と変化、そして新しい時代と古い記憶……その招待状を送り出した人物は、今、ラグーナで最も自由な地にて、あなたの到来を待っている。

深夜(22:00-02:00)にリベルタ広場に向かう

漂泊者: 「零時を過ぎて静寂が深まる中、眠れぬ夜を過ごされることもあるでしょう。ですが、どうかご安心ください。閉ざされた心の扉は、ここで互いに開かれると信じております」

漂泊者: 「ラグーナの最も自由な地で、あなたをお待ちしております」……コッポラの招待状に書かれていた場所はここのはずだけど……

招待状: 「この度、あなた様をご招待したくご案内申し上げます。まずは、モンテリへの多大なるご貢献に心からの感謝を。そして、お迎えの際の“些細な過ち”を埋め合わせ、あなた様とモンテリの間に、より強固な信頼関係を築きたいと願っております……」

招待状: 「……モンテリの名にかけて、我が盟友であるあなた様を、兄弟、家族としてお迎えすることを約束いたしましょう」

招待状: 「ラグーナの最も自由な地で、あなたをお待ちしております――コッポラ・モンテリ」

アブ: また招待状か……このお馴染みのやり方、やっぱりモンテリだな。でも、送り主はカルロッタじゃなくて……コッポラ

漂泊者:

アブ: そう言えば……確か金庫の管理をしてるって言ってたな。まあ、モンテリファミリーの一員なら会いに行っても大丈夫だろ。なんたって、モンテリには貸しがあるからな!

アブ: ああ、思い出した。教団に捕まってた奴か。

アブ: なら、お前に感謝するのは当然だな。あくどい司祭がそいつを人質にして脅してきて……お前とカルロッタがひと芝居打たなかったら、大変なことになってたもんな。

アブ: お礼に何かくれるかもしれないぞ!山盛りのお金とか、山盛りのご馳走とか!

アブ: うっ……ヒック、最近調子が悪くて、すぐクラクラしてくる……これじゃあ、約束の場所で何か起きてもそばにいられないかも……

漂泊者:

アブ: まあ、お前の実力なら問題ないか……みんなぶっ飛ばせばいいだけだしな!

アブ: なんだよ!わざわざ口に出すことないだろ!

アブ: じゃあ、今回はお前に任せるからな?でも、何かあったら、その……無理はするなよ!すぐに我を呼び出すんだぞ!

漂泊者: それにしても、正確に俺の場所を把握して招待状を届けた「コッポラ・モンテリ」という人物……只者じゃない。

???: ――挨拶が遅れ申し訳ない。

???: ブラックショアからの客人、カルネヴァーレの「戴冠たいかんせし者」、モンテリの無実を証明してくれた友……漂泊者。こうして顔を合わせることができ、実に光栄だよ。

コッポラ: まずは自己紹介をさせてくれ。私はコッポラ・モンテリ――カルロッタの叔父であり、「パドリーノ」の実子。そして次期当主候補だ。

漂泊者: (コッポラはモンテリでも上の立場にある……ただお礼のために呼び出されたとは思えない……)

漂泊者:

コッポラ: 君の助けがなければ、ファミリーの裏切り者を捕らえることはできなかった。私が無事に解放されることもなかっただろう。

コッポラ: カルロッタから礼を言われているだろうが、私からも直接感謝を伝えさせてくれ。

コッポラ: しかし、捕えた裏切り者があまり情報を握っていなかったのが残念だ。裏に潜んでいる「大物」はまだ尻尾を見せていない。これは少し気がかりだ。

漂泊者:

コッポラ: ならば、あの子の調査を待つとするか。

コッポラ: ああ……おかげで少しは範囲を絞ることができた。

コッポラ: 漂泊者、君がいくら警戒しようと、距離を置こうと、君に対する私の態度が変わることはない。

コッポラ: ラグーナでの我々モンテリの立場は、表から見えるほど華々しいものではない。教団にフィサリア、そして新参者の残星組織フラクトシデス……誰かが動きを見せた時、真っ先に排除されるのは私たちかもしれないのだ。

コッポラ: つまり、捕えた裏切り者は警告であると同時に、ヒントにもなり得る……加えて、この先の脅威に立ち向かうためにも、ファミリーの外に協力者を作ることは欠かせない。

コッポラ: カルロッタが君と親密な関係を築いたのもそのためだ。

漂泊者:

コッポラ: そうかそうか……では、私も単刀直入に言わせてもらおう。

コッポラ: カルロッタはファミリーの中でも大切な存在だ。もちろん、私もそのように考えている。

コッポラ: だが、カルロッタは父親「パドリーノ」が引き取って育てている分家の者。本来、ファミリーを代表してブラックショアと交渉する役目を担うべきなのは、正統な後継者である私なのだ。

コッポラ: 私の敷いたレールはファミリーに利益をもたらす……私はすべてをあるべき場所に戻したいのだよ。君という「些細な過ち」を含めてね。

コッポラ: ブラックショアの指導者が君をリナシータに向かわせたのには、何かしらの理由があるのだろう?私に打ち明けてくれれば、カルロッタよりも強大な助力を約束しよう。

漂泊者:

コッポラ: もちろん、すべては君次第だ……だが、次期当主である私にも、譲れない誇りがある。

コッポラ: こちらにつく気がないのなら、今後はモンテリファミリーの一切に関わらないでもらおう。

コッポラ: さもなくば……後悔することになる。どれほど実力があろうと、モンテリを敵に回すべきではない。

コッポラ: ゲームに参加する気がないのなら、物言わぬ傍観者でいてくれればいい。だが、参加するのならルールは守ってもらおう……私の定めたルールをな。

???: 一理あるとは思いますが、ルールとは時に……もう少し柔軟であるべきでは?

カルロッタ: こんな時間に、漂泊者さんと二人でおしゃべりだなんて……まさか、楽しいゲームでも始まるのですか、コッポラおじ様?

コッポラ: タイミングが悪かったようだな、カルロッタ。今話が終わったところだ。

カルロッタ: あら、そうですか。実は、漂泊者さんとは先ほどまで一緒にいたのですが……少し目を離した隙におじ様に呼び出されてしまいまして。

カルロッタ: 話が終わったのなら、わたくしが漂泊者さんをお連れしても構いませんわね?

コッポラ: お前は残りなさい、カルロッタ。まだ話がある。

カルロッタ: 「約束の場所」で会いましょう。「目」には気を付けて。

コッポラ: 「銃」は確かに役に立つ。だが、「銃」を握る資格は誰もが持つわけではない。

カルロッタ: 分かっていますわ、おじ様。身の程はわきまえています。それに、手にすべきでない物を望んだことはありません。

カルロッタ: それがブラックショアであれ、カルネヴァーレであれ……わたくしの基準はただ一つ。「モンテリ」にとって有益か否かです。

カルロッタ: 利益となることや、当主の申し付けであれば、全力で遂行します。そして、ファミリーの利益や栄誉を損なうことであれば、全力で阻止します。

コッポラ: ……それでいい。己の言葉を忘れるなよ。

カルロッタ: そう言えば、おじ様……ベネットのことはご存じですか?

コッポラ: ファミリーに背き、横領の罪を犯した金庫の管理員だろう?奴がどうした。私の管理の責を問うつもりか?

カルロッタ: いいえ、たまたま下の者から話を聞きまして……

約束の場所に向かう

漂泊者: (どうやら、知らぬ間にモンテリファミリーの「ゲーム」に足を踏み入れてしまったようだ。誓い破りし者を捕まえた瞬間……いや、カルネヴァーレの開催に協力すると決めた時から、ゲームは始まっていたのかもしれない。)

漂泊者: (「目」には気をつけろ……たぶん、目立つことはするなという意味だろう。)

漂泊者: (どうしてそんなことを言ったかのは分からない。でも、慎重に行動しよう。)

漂泊者: (カルロッタはいないみたいだな。少し待とう。)

漂泊者:

漂泊者:

老紳士: 若者よ、火を貸してはもらえんか?

漂泊者:

老紳士: そうか、せっかく葉巻があっても火をつけられんとは……孫娘が言うには、ラグーナの雨は不運の前触れらしい。本当にそうなのかもしれんな。

漂泊者:

漂泊者: ずっとこの絵を見てるみたいだけど、何か特別な絵なのか?

老紳士: おや、君もこの絵に興味があるのかね?それとも……雨がやむまでの暇つぶしかな?

漂泊者:

老紳士: はははっ、投資家の本能かも知れんな。特別な価値を持つものにはつい目が行ってしまうのだ。

漂泊者:

老紳士: ふむ、この様子ではしばらく雨はやまんだろうな。

漂泊者:

老紳士: モンテリファミリーは芸術において、流派や形式にこだわらん開放的な気風で有名だ。この地区では、様々なスタイルの作品を目にすることができる。条件も縛りもなく、ただ美を追求しているのだ。

老紳士: 芸術に造詣があろうとなかろうと、人は立ち止まり、作品を鑑賞する。雨に足止めをされ、同じ絵を見つめている今の私たちのように。

老紳士: 人は作品の中に、己の一部を見出す。

老紳士: 同じように足止めされている者同士、この絵に対する君の感想を聞かせてもらえるかね?

コラージュ技法を使って描かれた絵を間近で見た。

不規則で幾何学的な図形が大きな円の中に描かれ、互いに重なり合って全体を形作り、絶妙なバランスで美しい均衡を保っている。

だが、この均衡はとても脆い。二つの形が力強く引き合い、今にも衝突と崩壊が起きるのではないかと思わせる。

漂泊者:

老紳士: 君のものを見る目と表現は……想像以上に鋭いな。ふむ、物事の本質を見抜いているようだ。

老紳士: はははっ、これは典型的な象徴主義の絵だからな。口に出せない理念を、色彩と形で表現しようとしているが……やはり直接口に出した方が分かりやすい。

老紳士: ほう、一理ある。作者が表現しようとしているのは、この絵に描かれている以上のものかもしれんな。

老紳士: 私も君とほぼ同じ感想だ。ただ一つだけ……バランスをとるために抑圧された小さな欠片が、少々惜しく見える。

老紳士: 一風変わった形だからこそ、当時の作者は惹かれ、描き表したのかもしれんな。

老紳士: コレに今必要なのは、目の前の均衡を維持することではなく、未知がもたらす不確実性を受け入れ、自ら変化をもたらし、己の道を見つけることなのだ……かつての彼女のようにな。

漂泊者:

雨がやむと、絵を鑑賞していた老人は静かに去っていった。あなたは一人で絵に込められた真意を考え続けている。

カルロッタ: 『朽ちた栄光』――印象派の画家、パサリーの新作ですね……興味があるのですか?

漂泊者:

漂泊者:

カルロッタ: そうですか。実はここに来るまで「目」の相手をしていまして。お待たせしてしまいましたが、退屈は免れたようで安心しました。

カルロッタ: 雨宿りでしょうか……画廊やアートセンターに近いモンテリ地区には、投資家や鑑定士が訪れます。業界の様子を見に来たり、情報交換をしたりなんかしているそうですね。でも、あなたが「目」に追われたりしていなくてよかったです。

カルロッタ: ラグーナの雨は、いつも予期せぬものを運んできます……時間を少し無駄にしただけなら、運が良かったと言えるでしょう。

カルロッタ: 理由も言わずにここまで呼び出されて、きっと困惑していますよね。気をつけろ、とまで言われて……

漂泊者:

カルロッタ: 影に隠れていた「大物」が、ついに動き出したようです。

カルロッタ: このところ、ファミリーとの取り引きを終了するという連絡が立て続けに来ています。ほとんどが、より適した売り手を見つけたという理由です。

カルロッタ: そして……ちょうどそのタイミングでベネットという金庫の管理員による物資の横領が発覚しました。彼は金庫に保管されていた物を盗んで逃走し、残像ざんぞうに襲われて街の外で亡くなったそうですが……

漂泊者:

カルロッタ: ……ベネットは、わたくしをサポートしてくれたことがあります。気配りができて信念のある人でした。こんなことをするなんて思えません。それに……

カルロッタ: 彼が亡くなった夜、わたくしのデバイスに彼から一枚の写真が送られてきたんです。写真の中の血に汚れた詩集には、線が引かれ強調された三つの言葉がありました。「嵐の中、君の双眸そうぼうが航路を照らす」「四十の冬が美しい君を囲むとき――」「行星が右に二周半回るとき――」

漂泊者:

カルロッタ: わたくしも、これが何を指しているのか見当もつきません。ですが、意味は必ずあるはずです。

カルロッタ: すべての手がかりが、ベネットこそ影に隠れた「大物」を引きずり出すカギであると示しています。そして今回、裏切り者は以前よりもさらに深い場所にいる……

カルロッタ: モンテリはラグーナを解放に導く旗印であり、市民の自由と平等を守る盾。モンテリの基盤である金庫が「腐敗」すれば、ラグーナの均衡まで揺らいでしまいます。打ち破ったはずの独占と閉鎖が再び訪れる可能性すらも……

カルロッタ: ファミリーの兄弟たちを疑いたくはありません……けれど、疑惑を完璧に晴らすことも、今は……

カルロッタ: ……ですが、あなたは違います。完全なる第三者であり、わたくしとともに最初の裏切り者を捕えたあなたを……わたくしは心から信頼しています。

漂泊者:

カルロッタ: おじ様の言葉で気付いたのです……ゲームに干渉できるのは参加者のみであると。立場と理由があってこそ、ファミリーの内情に堂々と干渉できる。

カルロッタ: というわけで、さらなる調査のため、あなたに新たな肩書きをご用意しました。キャッツアイ――わたくしが推薦している考査中の新メンバーという立場ですわ。

漂泊者:

カルロッタ: あなたがその気になればいつでも最終考査を行い、正式にモンテリファミリーの一員として迎え入れて差し上げましょう。

カルロッタ: 構いません。このことで何かを企んだり、他のファミリーの不利益になるようなことはしませんから。ほんの少し、ルールを利用するだけです。

漂泊者:

カルロッタ: ファミリーのメンバーは「特殊任務」遂行中はコードネームで呼び合うんです。そして、そのコードネームにちなんだ証を身につけます――わたくしの場合は「オパール」ですね。

カルロッタ: オパールがキャッツアイを推薦するのは、ぴったりだと思いませんか?

カルロッタ: それに、あなたのその瞳……希少なキャッツアイにそっくりです。

カルロッタ: ですから、キャッツアイ……わたくしとともに、ファミリーに潜む誓いを破った者を捕え、迫りくる危機を阻止していただけませんか?

漂泊者:

漂泊者: モンテリにはモンテリのやり方があるだろうし、品位や風格を重んじてるのも分かる……でも、仲間と一緒にいる時は、完璧じゃなくてもいいんじゃないか?

カルロッタ: どうしたのですか?急にそんなことを言い出すなんて。

漂泊者:

カルロッタ: つまり、ありのままのわたくしを見たいということですか?

カルロッタ: 分かりました、考えておきます。

カルロッタ: ベネットの住居を部下に調べさせました。彼の遺体は見つかっていますが、デバイスと盗まれたものの行方はまだ分かっていません。

漂泊者:

城内にあるベネットの住所に向かう

カルロッタ: 一歩遅かったようですね。あの二人は、おじ様の下で働いているセージとエイコーンです。

漂泊者:

カルロッタ: はい、メンバー同士で使用するコードネームです。これは、仲間を判別する暗号にもなるのですよ。

カルロッタ: これからメンバーと出会った際にはその者のコードネームをお教えします。もちろん、他に必要な情報があればそちらも。

カルロッタ: どうやら、彼らも何か探しているみたいですね。

カルロッタ: コッポラおじ様は金庫の責任者ですので、部下に盗まれたものを探させるのは筋が通りますが……わたくしがここで直接出ていくのは少し目立ちますね。

漂泊者:

カルロッタ: 情報を引き出すのですね?あの二人はコッポラおじ様の下で長く働いているファミリーの古株。マルゲリータのレストランにもよく行っているみたいです。

カルロッタ: 富を愛する者とは商売の話を、酒を愛する者とは美酒の話をする……相手の好きなモノから会話を広げ、その後は……

漂泊者:

エイコーンとセージと会話する

漂泊者:

エイコーン: おい、呼ばれてるぞ。

セージ: なんだよ、それはお前もだろ。でも……見ない顔だな。

エイコーン: だよな、どうする?

漂泊者:

セージ: 分かった分かった。コードネームを言えるってことは、ファミリーの一員で間違いないな。お前は誰だ?

漂泊者:

セージ: キャッツアイ?コードネームも初めて聞くな……まあいい、カルネヴァーレの後に入った新人ってことだろう。

セージ: いや……お前な、モンテリの一員なのは知ってるっての。ファミリーの奴に「誰だ」って聞かれたら、コードネームを答えるんだよ、分かったか?

漂泊者:

エイコーン: お前、新人だな?まだ受け答えも連絡方法も知らないだろ。どうりで見ない顔なわけだぜ。

エイコーン: で、何か用か?俺らは忙しいんだ。マルゲリータのところで適当に食ったら、次の仕事に向かわなきゃいけねぇ。

漂泊者:

漂泊者: 二人は経験豊富なベテランだと聞いている。今も何かすごい任務の最中なのか?

漂泊者: 俺はまだ大きな仕事を任されたことがない。だから、勉強のためにも手伝わせてほしい。

セージ: やる気があるのはいいことだ。でも、ついさっき調査が終わったとこでな。ここに仕事はないぜ。

セージ: だが、お前もファミリーの一員だ。少しだけ事情を教えてやろう。少し前に身の程もわきまえずに、金庫のブツを盗んだ奴がいるんだ。

漂泊者: マルゲリータの店のピザは美味しいし、雰囲気もいいから、よく他の兄弟たちと行く。

エイコーン: そうそう、みんな任務中にあそこでちょっと贅沢な食事をするのが好きなんだ。人が多いと話もしやすいしな。

漂泊者: この前マルゲリータのところで、見張り番なのに金庫のものを盗んだ奴がいると聞いた。本当なのか?

エイコーン: そのことか……まあ、みんな裏で噂してるし、秘密って程でもない、か。実はここが、その犯人の住んでた家。それで俺たちは上からの命令でここを調べてたってわけだ。

漂泊者:

セージ: いや……部屋中探したが、何も見つけられなかった。

エイコーン: 犯人だってアホじゃない。きっと、もうすべて売りさばかれているんだろう。それに、上もあまりこの件に対して人手を割いていない。一つ一つ探し出すというのは無理がある。

漂泊者:

エイコーン: どうだろうな。俺たちの上は「パドリーノ」の実の息子だし、あの方は自分の信念に則って事を進める。俺らに考えを伝えるつもりはないのだろうよ。

エイコーン: だから俺たちがすべきは、無駄な疑問を抱かず、ただ言われた通りに仕事を全うすること。

セージ: そうそう。けど、妙だと思ったことには気を配っておけよ。それがチャンスになるかもしれないからな。新人ってのは働いてなんぼだ。

漂泊者:

調査を終えたカルロッタと合流し、先ほど聞き込みをした結果を伝えた。

カルロッタ: 何も見つからなかったのに、おじ様は気にしていないということですか?

カルロッタ: おかしいですね……ここ最近の事件は多かれ少なかれ、すべて金庫と関りのあるものです。次期当主の地位を守りたいのなら、一刻も早く盗まれた物資を取り返し、事件を解決したいはず……

漂泊者:

カルロッタ: そう言えば、あなたがおじ様と会っていたリベルタ広場ですが、ベネットが最後に姿を見せた場所の近くなんです。

カルロッタ: 昨晩、わたくしがあの場に居合わせることができたのも、この件を調査していたからでして……

漂泊者:

カルロッタ: ええ。ですが、おじ様にベネットのことを話してみても、特に変わった様子はなく……二人を結び付けるものはありませんでした。

カルロッタ: ベネットの家を調査した結果も、おじ様の手の者が言っていた通りです。

カルロッタ: 怪しい物が隠されていることもなく、大きな荷物が置かれたような痕跡や、運ばれた跡もない……まさに金庫で働く普通の青年が暮らす普通の部屋といった感じで、気になるものは何も見つかりませんでした。

カルロッタ: ベネットの人柄についても調べてみたのですが……野心家ではあれど、やはり私利私欲で動くような人ではありません。

カルロッタ: モンテリは富とチャンスを皆に分け与えています。ラグーナのために働き、栄光を手にしたいという若者は例外なく受け入れて来ました。利益の為にファミリーを裏切るとは、考えにくいのです。

漂泊者:

カルロッタ: さらなる情報が必要ですね。違う角度からもう一度、事件の全容を見てみる必要がありそうです……

カルロッタ: 静かに、動かないでください……あそこに、シラバトのような姿をした男がいるのが見えますか?

カルロッタが示した方向に視線を向けると、そう遠くない場所に身を隠している男の姿が見えた。どうやら、こちらの動きを気にしているようだ。

しかし、視線に気が付いた男は逃げるようにその場を離れていった。

カルロッタ: 追いましょう。

突然現れた老人を追う

カルロッタ: もう逃げられませんよ。さあ、じっくりお話ししましょうか。

???: ふぅ……やはり、若者には敵わんな。

???: 私は何もしていない。たまたま通りかかっただけでここまで追われるとは……モンテリもずいぶんと過激になったものだ。

漂泊者:

カルロッタ: 逃げるお気持ちはわかりますよ。己の「過去」と向き合うのも、モンテリと関わるのもお嫌でしょうから。

カルロッタ: モンテリをよく知るのはモンテリの者だけ……今はもうファミリーの一員ではなくとも、それは変わりません。

カルロッタ: そうですよね、ダンカン。

ダンカン: はは、はははっ……まったく、記憶力が良すぎるのも困ったものだな。

ダンカン: 私のような肩書きのない小物の名前まで覚えていてくれるとは……

カルロッタ: わたくしは決してあの雨の夜を忘れません。豪雨に打たれたひとりひとりの顔も。

ダンカン: 残念だが、私は思い出せんよ。私はとうにその名を捨てたのだ。もはやモンテリの一員でもない。

ダンカン: ファミリーと共に歩んだ過去には、確かに喜びもあった。だが、失ったものの大きさに比べれば微々たるもの……私はもう、疲れ果ててしまったんだよ。

漂泊者:

漂泊者: 無関係だと言うなら、なぜここに?何か、無視できないことでもあったのか?

カルロッタ: あなたは先ほどベネットの家の前にいました。それに、服が濡れていますね?つまり、偶然通りかかったわけでなく、長らくそこにいたということ。何を待っていたのですか?それとも、何かを探していたのですか?

ダンカン: ……分からない。

ダンカン: ファミリーに残った数少ない友人に祈りを捧げたいのか、奴に愚痴を言ってやりたいのか、金に目を眩ませ誓いを破ったことを責めたいのか……

ダンカン: それとも、ファミリーから許しを得られるようあの愚か者が盗み出したものを探し出し、最後の尊厳を守ってやりたいのか……

ダンカン: 前からあいつに言っていたんだ。ファミリーを抜けよう、と……ラグーナで繰り広げられるゲームにおいて、モンテリを待ち受ける道は二つしかない。

ダンカン: ゲームに勝ち続けるか……すべてを失い、追放されるかだ。

ダンカン: モンテリの者には、すべてを手に入れるチャンスが与えられる。だがその代償として……すべてを失うこともある。愛、信念、人間性……時には命さえ。

ダンカン: あいつは野心と利益のために、すべてを失った……そういうことだ。

漂泊者:

カルロッタ: 多くの人は、現状がどれほどひどくとも受け入れてしまいます。変化を望むよりずっと簡単ですから。変化には新たな挑戦が必要となる――ですが、リスクのない挑戦など存在しません。

カルロッタ: 行き詰った現状を打開し、変革を求めると決断した瞬間、長く険しい道に足を踏み入れることになるのです。

カルロッタ: ファミリーの繋がりは、一人では抗えない雨風に立ち向かうためのもの。一人では成しえないことを成すための力です。

カルロッタ: けれど、モンテリでは選択する自由も各々に与えられます。ファミリーが個人を縛り付けることはない……あなたの離脱こそが、その証ではありませんか?

カルロッタ: ベネットにしてあげられることは、まだまだありますよ。彼が使っていたデバイスも、盗まれたものも……彼の遺体以外、何一つ見つかっていないのですから。

カルロッタ: 彼を良く知るあなたなら、色々と見つけられるかもしれません。もしかしたら……

漂泊者:

ダンカン: ……そういうことなら、レッドベルベットに話を聞いてみるといい。

漂泊者:

ダンカン: カタギが作った自由組織のリーダーだ。ラグーナ城を拠点にしているよ。ベネットともよくやり取りしていたから、あいつが横領してたんなら、奴らがその物資に手を付けている可能性は高い。

ダンカン: だが、あの組織とファミリーは仲が悪い。レッドベルベットに会えるかどうかは分からないし、会えたとしても話してくれる保証はないだろう。

カルロッタ: 問題ありません。あなたがそう言うのなら、試してみる価値はあるでしょう。

カルロッタ: どう探すかですが……漂泊者さん、ラグーナで情報が一番集まる場所へ行ってみましょう。

「一番情報が集まる場所」に向かう

カルロッタ: さあ、着きましたよ。

漂泊者:

カルロッタ: ラグーナでは、「酒を好まぬ者に幸運は訪れない」と言われています。

カルロッタ: お酒の組み合わせを取引相手との「暗号」代わりに使うこともあるのですよ。

カルロッタ: 例えば、アプリコットとミントの組み合わせは死や危険を表します。もちろん、特定の取り引きにおいて使われる、機密性の高い暗号もあります。

漂泊者:

カルロッタ: ええ、この辺りは誰でも利用できる情報交換の場ですから。

カルロッタ: ファミリーとレッドベルベットの関係性から見れば、居場所を特定するのは難しいかもしれません。ですが、レッドベルベットの連絡人はいるはずです。

カルロッタ: その方に繋がるお酒を注文して、注意深くここにいる人たちを観察しましょう。彼らの会話を通してレッドベルベットの連絡人を探し出せば、会える可能性が出てきます。

バーテンダー: いらっしゃいませ、ご注文は?

カルロッタ: レッドベルベットリボンをお願いします。

バーテンダー: レッドベルベット……特別なお酒ですが、もしかしたらお客様の探し人も、あなた方をお待ちかもしれません。お二人の望みが叶うことを願っております。

楽し気な男: 原始の衝動は荒波の如く渦巻いている。ああ……君の慈愛はなんと魅惑的なんだ。すべてを捨て去ってでも、君の腕に抱かれたまま永遠に眠り続けたい……

漂泊者:

楽し気な男: この琥珀色の蜜は毒なのだろうか、それとも安らぎをもたらす良薬か……?

漂泊者:

楽し気な男: 話しかけるな!こっちに来るな!

楽し気な男: 虚しい……この心は虚無に包まれている。俺は何もするつもりはない……お前は誰だ?俺は何者だ?

楽し気な男: モンテリ、フィサリア、教団、民間人……肩書きさえ捨て去れば、私たちに違いはない。しかし無情な現実は、逃げることさえ許さない!

漂泊者:

その時、お酒を受け取った方向から何者かの視線を感じた。しかし、振り向いたときにはすでに、その視線は消えていた。

カルロッタ: 行きましょう。この方はわたくしたちが探している相手ではありません。

おしゃべりな女: あは、やっと来た!お店に入ってきた時から、あなたたちのことが気になってたのよね。

漂泊者:

おしゃべりな女: 誤解しないで、あたしはよくここに来てるから、そのお酒が何を意味するのかは知ってるわ。でも、あたしじゃ答えてあげられない。

おしゃべりな女: あなたたち、身なりも雰囲気も一味違うし……モンテリファミリーの人でしょ?

おしゃべりな女: 情報がほしいのなら、あまりケチケチしない方がいいわよ。この先あたしから有益な情報を得られる時がくるかもしれないしね?

おしゃべりな女: そうだ、あたしをモンテリファミリーのお抱えにしてよ。いい情報をあげるからさ!実力も見せたいし、何でも聞いて!

漂泊者:

おしゃべりな女: モンテリのベネットのこと?最近起きた事件の渦中の人よね。ファミリーの誓いに背いたって聞いてるわ。

おしゃべりな女: でも、モンテリのお嬢様と一緒に回収不可能と思われた物資を取り戻したことがあるみたい。そうなると、なんだか行動が矛盾してるわよね。

おしゃべりな女: モンテリではないけど、同じくらい開拓精神にあふれた人よ。彼女は共鳴者を集めた自由組織を作ってるの。郊外で残像ざんぞうを狩ることもあるみたい。

おしゃべりな女: でも、一方的にファミリーとの取り引き終了を宣言したらしいのよね。レッドベルベットとモンテリは同じ志を持っていると思ってたんだけど……ほんと残念。

おしゃべりな女: うーん……カルロッタは、モンテリファミリーの二番目の娘だけど、オパールってコードネームで呼ばれることの方が多いわね。

おしゃべりな女: まあ、詳しいことは隣にいるお嬢さんから聞いた方がいいんじゃない?私も本人を目の前にしてとやかく言いたくはないわ。

おしゃべりな女: そうねぇ……風の噂って程度の話だけど、モンテリファミリーと教団って、見た目ほど犬猿の仲じゃないみたいよ……どこまで本当かわからないけど。

おしゃべりな女: まあ、何か大きな変化が起きるときは、ちょっと毛色の違う噂が流れるものなのよ。最初は意味が分からなくても、気付いたときにはもう……って感じでね。

その時、お酒を受け取った方向から何者かの視線を感じた。しかし、振り向いたときにはすでに、その視線は消えていた。

カルロッタ: わたくしが握っている情報とほぼ同じ……なかなかの情報収集能力ですわね。

カルロッタ: 三日後の同じ時間に、「ゴールドスパイク」というお酒を注文して、緑色のトルマリンを身につけた者に話しかけてください。

夢中な男: キルシュヴァッサーにウイスキー……えっと、それからチェリートマト?これの意味は……復讐?

夢中な男: ブラッドオレンジ、ジン……ん?そのお酒、あまり見ないな。良かったら、そのお酒の意味を教えてくれない?

漂泊者:

夢中な男: その返事は……つまり、教えたくないということ?いや、いいんだ。俺、ただそういう暗号とかに興味があって研究していただけで……

夢中な男: ま、待って!今はまだ心の準備が……きょ、今日のところはやめておく!

夢中な男: ああ、どうかお守りください、インペラトル様!俺はただ、暗号が好きなだけなんです。酒に隠された「暗号」を研究していただけで、危険を冒すつもりは……

漂泊者:

夢中な男: えっと、その……酒で数字を表せないかとか、アルコール度数や製造年を暗号にできないか、色々と模索してて……あ、でもそれだと酒の種類の意味がなくなるか……

カルロッタ: 暗号とは、似たような法則を持つものです。大切なのは双方が統一されたルールを用い、同じ情報を手にしているということ。

カルロッタ: その気になれば、同じお酒やモノに無数の意味を持たせられます……わたくしや他のファミリーの者も、その場限りの暗号を作ったりしますわ。

その時、お酒を受け取った方向から何者かの視線を感じた。しかし、振り向いたときにはすでに、その視線は消えていた。

カルロッタ: あなたはどうやら、ここで長らく「暗号」について研究をされているようですね。良ければ、一つ教えていただけませんか?

カルロッタ: あちらのバーテンダーが、いつからお店にいたかご存じで?

漂泊者:

夢中な男: えっと確か、俺と同じくらいに店に来てたはず。大体、朝の八時ってところかな?

カルロッタ: ありがとうございます、助かりました。

バーテンダー: おや、どうしたのですか?先ほどのお酒に何か問題でも?

漂泊者:

カルロッタ: さすがはレッドベルベットが用意した連絡人。バーテンダーならば、誰よりも目立たず、すべてを把握できる……とてもいい隠れ蓑ですわ。

カルロッタ: すべてのお酒はあなたの手で作り出され、「暗号」はあなたを通して渡される――そのひとつひとつを理解しているのかはわかりませんが、自分に有益な情報は漏らさず拾えますものね。

カルロッタ: バーテンダーさん……わたくしたちが注文したレッドベルベットは、あなたにお渡しするべきだと思うのですが、いかがしょう?

バーテンダー: はぁ……結局、僕のところに戻ってきてしまいましたか。さて、困りましたね。

バーテンダー: 規則に従うのであれば、これで接触は成功です。本来なら話を聞くべきなのですが、レッドベルベットはモンテリと関わりを絶っている……

バーテンダー: 取り引きの破綻で、関係は冷え切っています……本当に顔を合わせたいのですか?火種が燃えあがるかもしれませんよ、モンテリのお嬢様?

漂泊者:

カルロッタ: レッドベルベットがモンテリとの取り引きを終わらせたのは、ベネットという金庫の管理員が原因だと聞いています。

バーテンダー: おやおや……なんの冗談ですか?

カルロッタ: では、なぜ突然取り引きを終わらせたのですか?ベネットは少し前に遺体で発見されました……死人に口はありません。事情を知っているのはあなた方だけ……何があったかを知るには、あなた方の情報が必要です。

バーテンダー: ベネットが……死んだのですか?

漂泊者:

バーテンダー: まったく、状況は複雑になるばかりですね。

バーテンダー: モンテリを信じていいのかは分かりませんが、ベネットに免じて力を貸しましょう……あなたが本当に彼の言う通り、公正で義理堅い方なのであれば……

バーテンダー: 夕暮れの後、そよ風のヘイヴンにお越しください。レッドベルベットには連絡を入れておきます。

そよ風のヘイヴンに向かう

冷たい侍祭: デバイスは初代主座しゅざ歳主さいしゅより賜ったものであり、リナシータにもたらされた聖具なのです。

冷たい侍祭: あなた方が手にしているものは、私的に作られた贋作でしかありません。その存在を許されていたのは、主座しゅざのご慈悲なのです。贋作を回収し、一掃せんとする我らの行為を邪魔だてするとは……

レッドベルベット: ……教団には何度もデバイスの携帯許可を申請してきた。理由もなく拒み続けてきたのはそっちじゃないか!

レッドベルベット: デバイスの供給はあんたたちが握ってる。ファミリーから手に入れることもできない……今あるのは、アタシらの最後の手持ちだ。それを渡す道理がどこにある?

冷たい侍祭: 聖具や歳主さいしゅに対するあなた方の切なる渇望は理解できます……ですが、デバイスを持つ資格があるかを判断するのは教団です。

冷たい侍祭: 富や財を捨て、天の国への礎を築く我々へ献上するのなら、許しを得ることもあるでしょう。

冷たい侍祭: ですが、どこまでも逆らうというのなら……告解院へ送り、審判を受ける他ありません。

漂泊者:

カルロッタ: 教団と民間人……レッドベルベットですね。

カルロッタ: 教団は確かに横暴ですが、ここまで傍若無人に振舞うなんて……街の外だからでしょうか?

カルロッタ: レッドベルベットと話をするには、ひとまず目先の問題を解決しないといけませんわね。

レッドベルベットの「問題」を片付ける

冷たい侍祭: 誰かと思えば、モンテリ家のご令嬢と「戴冠たいかんせし者」ではないですか。そのような立場の方々であれば、教団に盾突くことなどできないと思いますがね。

冷たい侍祭: もう一度、ご忠告いたしましょう。私的にデバイスの取り引きをするのは、戒律に背く行為です。

漂泊者:

レッドベルベット: これはアタシらがシェルコインで買ったもんだ。持って行くってんなら、コインをよこしな。

冷たい侍祭: あなた方のシェルコインを受け取った取引相手が、改心したのです。密造の罪を認め、もう二度と取り引きをしないとね。あなた方を告発したのも彼らです。

漂泊者:

冷たい侍祭: 哀れなカルロッタ嬢。あなたはすべてを捧げている……でも、ファミリーはあなたを見放している。私が今話したことも知らなかったのでしょう?

カルロッタ: 侍祭様、わたくしとファミリーの絆は、そのような軽い言葉で溝が生まれるほど、安くありませんわ。

カルロッタ: それに、今こうして話をしていることこそ、あなたがわたくしの身分を軽視できない証明になるのでは?

カルロッタ: 売買の自由は、歳主さいしゅ、そして主座しゅざが認めてくださった我々の権利です。過去の取引相手がどうであれ、レッドベルベットには自由に取り引きをする権利があるのをお忘れなく。

カルロッタ: あなたはこちらが戒律に背いているとおっしゃいますが、ご自身こそ、戒律を守っていないようですね。わたくしがあなたなら、まずは自分で告解院に赴き悔い改めるでしょう。戒律を知りながら罪を犯すとは……何よりもひどい冒涜では?

冷たい侍祭: 口を慎みなさい!モンテリが教団とフィサリアにひれ伏し、我らの管理下に置かれた暁には、あなたは泣きながら歳主さいしゅの許しを請うことになるのです!

冷たい侍祭: いずれ、すべては教団の手中に収められる。あなたもすぐに思い知ることになるでしょう。行きますよ!

先頭に立っていた侍祭は、他の侍祭たちを引き連れその場を去った。レッドベルベットも他の者を下がらせ、装備の損失を確認するよう指示を出した。

レッドベルベット: エルネスト……あんたたちが会ったあのバーテンダーから話は聞いてるよ。アタシになんの用だい。

レッドベルベット: 今は庇ってくれたみたいだけど、あんたたちも聞いただろ。アタシらはファミリーにハメられたんだ……もう二度と、関わる気にはなれないね。

レッドベルベット: ま、エルネストの言う通り……ベネットに免じて話は聞いてやる。だけど、言うこと言ったらとっとと帰んな。

漂泊者:

レッドベルベット: どうでもいいね。あんたたちから取り引きを打ち切られた事実は変わらない。そっちでどういう話になってるかは知らないけど、アタシらは急にファミリーから取り引きの中断を通告された。

レッドベルベット: デバイスだけじゃない。「ジュエリーセット」や「パフューム」も……何一つ売ってくれやしない。

レッドベルベット: それどころか今日まで、半月くらいはモンテリの誰からも接触がなかった。

レッドベルベット: アタシらが教団やフィサリアの奴とドンパチやってるときに、モンテリは何をしてたっていうんだ?

漂泊者:

カルロッタ: ファミリーの誓いに背く裏切り者が出ました。わたくしたちも、金庫のことで手一杯だったのです。

漂泊者:

カルロッタ: 相手が相手ですから、すべてを明かした方がいいでしょう。ですが、あの侍祭が言っていたことは確かに初耳です。教団の管理下に置かれるだなんて……取り引きの中断も、モンテリの選択とは思えません。

カルロッタ: ファミリーの理念は、第一に何よりもファミリーを重んじること。第二に主体的に行動し、開拓を続けるということです。

レッドベルベット: あんたの「パドリーノ」は確かにそうだろうさ。でも、老いには勝てない。そしてあのコッポラは……いずれにせよ、あんたの言葉には効力がないんだ。

レッドベルベット: とにかく、今後また取り引きができるようになるか、モンテリをもう一度信じることができるか……アタシが求めてんのは、ファミリーを代表して約束してくれる相手だ。あんたにそれができるのかい?

レッドベルベット: 教団の独占を破って、アタシら一般人と取り引きを始めてくれたモンテリが、今度は独占する側にまわるなんて……アタシはそんな姿、見たくないね。

カルロッタ: あなたたちとの取り引きにどんな問題が生じたのか、戻っておじ様と「パドリーノ」に聞いてみます。

レッドベルベット: まあいいさ、これはあんたらファミリーの問題だ。あんたに無理を言うつもりはない……さっきのくだらない話は忘れてくれて構わないよ。

レッドベルベット: ああ、それと……エルネストから聞いたよ、ベネットが死んだんだって?この前会った時は元気だったのに……何があった?

漂泊者:

漂泊者:

漂泊者:

レッドベルベット: はっ、寝言は寝て言え!ったく、なにが横領だ……ベネットは確かにアタシらに物資を運んでいた。だが、それは全部正式に記録されたもんだ。

レッドベルベット: アタシらは不当に利益を得たことはない。ベネットはあいつなりの信念を持って取り引きしてたよ。安く売ってくれることはなかったけど、こっちに損をさせることも絶対にしなかった。

レッドベルベット: ベネットはいつだって、感情よりビジネスで動く男だったよ。そうそう、たまに輸送が遅れて裏山で夜を明かしてたから、アタシらがあいつに休める場所を作ってやったんだ。

レッドベルベット: 最後に会った時は、ずいぶん長いことそこに籠ってたね。それで、裏山の拠点に何かを置いて……これを使うことにならなければいいとかなんとか、そんな風に言ってたよ。

漂泊者:

カルロッタ: ベネットは、自分の身に起きることを予測していたのかもしれませんね。

カルロッタ: 彼が使っていた場所を見てみたいのですが、場所を教えていただけますか?

レッドベルベット: 別に構わないよ。海沿いに道の入口がある。そこを進むといい。だけど、行って何をするつもりだい?

漂泊者:

裏山の海沿いにある洞窟に入る

カルロッタ: こちらです。

洞窟内の残像を倒す

カルロッタ: 気をつけて。

奥に進む

洞窟内の残像を倒す

ベネットの拠点に向かう

カルロッタ: 確かに誰かがいた形跡がありますね。少し散らかっているのは……ベネットの偽装工作かもしれません。

カルロッタ: スキャンモジュールで手分けして調べ、一通り調査を終えたら、手がかりについて話し合いましょう。

「スキャン」で手がかりを探す

手がかりについてカルロッタと会話する

見つけた手がかりと、手に入れたものをカルロッタに見せた。

カルロッタ: ……妙ですわね。

漂泊者: どれも珍しい物じゃないけど、生活必需品でもない……この場所には似つかわしくない気がする。たぶん、ベネットがわざと残していったのだと思う。

カルロッタ: 確かにそうですね。それに……その三つにはなぜか既視感があります。

カルロッタ: 詩集に載っていた三つの言葉を覚えていますか?あの夜、ベネットが突然送ってきた内容です。

漂泊者:

カルロッタ: 「嵐の中、君の双眸そうぼうが航路を照らす」――この絵に描かれている女性は雨に打たれていますが、その瞳は輝いていますね。

漂泊者:

カルロッタ: お酒での「暗号」と同じですね。注目すべきはモノ自体ではなく、双方が統一されたルールを用い、同じ情報を手にしているということ……共通する点を考えてみましょう。

カルロッタ: 次は、古びた本ですね。この本は冬について書かれた図鑑。二つ目の詩が冬に関連するものです。四十の冬が美しい君を囲むとき――……

漂泊者:

本の40ページを開いた。そこには冬についての情報と、大きく「1、9、0」という数字が書かれていた。

カルロッタ: 最後は、回転箱ですね。行星が……

漂泊者:

回転箱を右に二周半回すと、カチャっという音とともに一枚の紙切れが出てきた。そこには「4、6、8」と数字が書かれている。

カルロッタ: MLCL190468?これは……金庫に保管されている品に割り振られた管理番号です。

カルロッタ: ベネットは金庫の管理員でしたから、おそらく間違いないかと。でも、なぜこのような回りくどい方法でわたくしに番号を伝えたのでしょうか?

カルロッタ: しかもこれは……最初の四つの文字を見るに、金庫内でも最高レベルの権限が必要なものですね……

カルロッタ: ごめんなさい。

ダンカン: カルロッタさん、その、なんだ……この前、ベネットのデバイスを探してほしいと言っていたが、見つかったぞ。

漂泊者:

ダンカン: まあ、細かいことは気にするな。とにかく見つけたんだ。

ダンカン: だが……残像ざんぞうの攻撃を受けて、ひどく壊れてる。これじゃあもう使えない。中に残されてるデータを見るにも、修復が必要かもしれんな。

カルロッタ: わかりました。そこでお待ちください。すぐにデバイスを取りに行かせ、金庫で修復させますわ。

ダンカン: そ、そうか、その……じ、自分の目で確かめなくていいのか?

漂泊者:

ダンカン: いや、なんだ……修復が上手くいかないんじゃないかって心配でな。

カルロッタ: ご安心ください、うちの研究員は優秀ですから。結果が出たらまたご連絡します。

漂泊者:

カルロッタ: まずはモンテリ区に戻り、デバイスを修理できる者と合流します。金庫で保管されている品についても、そこに行けばわかるはずです。

カルロッタ: 漂泊者さん……ベネットは、最高レベルの権限に分類されている品に触れることなど、本来できないはずなのです。

漂泊者: つまり、それが盗まれたものなら、予想通りベネットは横領なんてしていなかったことになる。

カルロッタ: ですが、そうなると、別の疑念が浮かんでしまいます。認めたくありませんが、論理的に考えると……どうしても「ある可能性」を否定できません。

カルロッタ: 最高レベルの権限を持つのは、「パドリーノ」以外には、わたくしとおじ様だけ……

カルロッタ: リベルタ広場に近い場所、金庫の管理権、地位の高い「大物」、消えた物資を取り戻そうとしない態度、レッドベルベットとの取り引きを一方的に終わらせられる立場……

カルロッタ: ずっと手がかりの近くに浮かびながら、調査対象に上げられてこなかった人物……すべてが指し示しているのは――おじ様ただ一人……

カルロッタ: ですが、本当におじ様だったとしたら……次期当主でありながらファミリーの信条に背くなんて、あまりにもおかしな話です……

カルロッタ: 確かめましょう、ベネットが残した番号が何を示しているのかを。わたくしの推測が間違っているのか否か、それではっきりとするはずです。

漂泊者:

漂泊者: 俺は最後まであなたの隣にいる。さあ、行こう。

モンテリ区に戻る

カルロッタ: 連絡が来ましたよ。デバイスを受け取った研究員が修復をほぼ完了したそうです。

カルロッタ: 行きましょう。合流地点まであと少しです。

カルロッタの部下と合流する

カルロッタの部下: カルロッタ様のお申し付けで「DC」という名の者から、少し前にデバイスを受け取りました。

漂泊者:

カルロッタの部下: 修復はほぼ終わっているのですが……破損がひどく、データにズレ上書きが生じてしまい……結局、一部しか復元できませんでした。

カルロッタの部下: 完全に修復する価値はなさそうですが……どうしても必要なのであれば、本部のピエールさんに連絡することをおすすめします。ピエールさんは、この方面の専門家ですので。

カルロッタ: そうですか、では連絡をお願いします。それと、復元できたデータはそのままこちらにください。

カルロッタの部下: 承知いたしました、お待ちください。

カルロッタの部下は破損したデバイスを取り出し、復元したデータを出力して、礼儀正しくその場を後にした。

映し出されたデータを一つずつ確認すると、ベネットの普段の行動が分かった。基本的にトラットリア・マルゲリータと家、それから金庫の往復だが、二つだけ気になる場所がある。街中にあるリベルタ広場と、ある船着き場だ。

漂泊者:

カルロッタ: はい、あの夜わたくしが調査をしていた場所でもあります。これまでの調べ通り、ベネットはあの広場に行っていたようですね。

カルロッタ: 船着き場は、確かおじ様の個人所有だったはず……あそこは保管だけで、物資の取り引きを行う場所ではありません。

漂泊者:

カルロッタ: ええ、データだけでは両者の関係性は分かりませんし、確証は得られないでしょう。

カルロッタ: できれば、デバイスをピエールさんに見せに行きたいですね。ピエールさんはおそらく「パドリーノ」のもとにいると思います。二人は旧知の仲で、普段からよく一緒にいますから。もちろん腕も一流ですよ。

カルロッタ: デバイスのデータをもう少し復元すれば……位置情報以外にも、役に立つ記録があるかもしれません。

カルロッタ: ひとまず、あの番号の製品が分かれば、有用な手がかりになるはずです。

カルロッタ: ついて来ていただけますか。本部に戻るよう提案したのは、これが理由です……ファミリーの貴重品、取引用の商品、クライアントのコレクション……保管が必要なものはすべて金庫に預けられていますので。

カルロッタ: もちろんそれなりの権限は必要となりますが、本部からであればその詳細な記録が閲覧できます。

カルロッタ: 付いてきてくれるかしら?

カルロッタについていく

番号に該当する記録を調べる

思わず驚いて目を見張った。街並みにさり気なく溶け込んでいる飾りのようなコンポーネントに、こんな仕掛けがあるとは。カルロッタがパスワード、指紋、虹彩の多重認証を完了すると、記録を呼び出す画面が目の前に現れた。

カルロッタ: コアデータコンポーネントは外されているようですね。ここに残されているのは空っぽのデバイスだけ……

カルロッタ: これこそ、ベネットが死の間際に伝えたかったことなのかも知れません。金庫に関わる者の中に裏切り者がいて、その者がデータコンポーネントを外部に流出させた……そして、それを行える権限を持つのは、わたくしとおじ様と「パドリーノ」だけ。

漂泊者:

カルロッタ: リナシータのデバイスは教団が管理しているため、他の国のように自由に流通させることはできません。そんな中、かつてのパドリーノは海を渡り、ネオユニオンでデバイスを開発・改良する技術を身につけて戻って来たのです。

カルロッタ: カービングライト型デバイスは、通常のデバイスをもとにファミリーが開発した改良型。見た目は普通の工芸品ですが、わたくしたちが開発したモジュールが搭載されています。レッドベルベットの言う通り、わたくしたちは芸術品の取り引きの傍ら、共鳴者に比較的安い値段でデバイスを提供していました。

カルロッタ: モンテリは教団によるデバイスの独占に穴を開けたのです。わたくしたちは、郊外でも多くの者が己の身を守れる環境を作りたかった。みんなの選択肢がさらに広がるように。

カルロッタ: 教団はわたくしたちの取り引きを知っていても、高額な税金に免じて、ファミリーと危うい均衡を保ってきました。彼らの権威と領分を侵さなければ、わたくしたちのことも黙認していたのです。

カルロッタ: この状況下で、ファミリーの者がデバイスの秘密を漏らしたり、ましてやデータコンポーネントを外部に流出させるなんて……おじ様は一体何を……

カルロッタ: このままでは大変なことになってしまいます。なんとかしてコンポーネントを取り戻さないと……

コッポラ: カルロッタ、どこにいる?

カルロッタ: ……

カルロッタ: おじ様、教えてください。カルネヴァーレの前に、あの司祭が見せてきたペンダント……彼はどうやってあれを手に入れたのですか?おじ様は……どのような状況で囚われたのですか?

コッポラ: そんなことはどうでも良いだろう?私は無事なのだ、もう危険はない。

カルロッタ: 彼らがおじ様に何かしたのですか?脅されて、本意ではないことを強いられたとか……

コッポラ: よく聞け。お前がどんな結論にたどり着き、何を知ったかは分からん。だが、今手を引けば我々はまだ元の関係に戻れる。家族として過ごせるのだ。

コッポラ: 今……セブン・ヒルズの方で、物資の運輸に問題が起きている。次期当主からの命令だ、すぐに問題を解決してこい。ほら、お前が手を引けるよう理由を作ってやったぞ。大人しく言うことを聞けば、先ほどの話は聞かなかったことにしてやる。

カルロッタ: お断りします。

コッポラ: なに?

カルロッタ: お断りすると言ったのです。何もなかったことにはできません。ファミリーの者を死なせたことについても、コンポーネントが外部に流出したことについても、わたくしは黙って見ているつもりはありません。

コッポラ: コンポーネントのことは心配するな。確かに、モンテリファミリーは大きくなった。だが、親父を見ろ、ファミリーの兄弟たちを見ろ……野心には犠牲が付き物だ。我々の手にある栄光は同胞の血と涙で汚れている。もう、その道を歩む必要はない。

カルロッタ: おじ様の口からそのような言葉を聞くとは、思ってもみませんでした。今何が起きているのかも、コンポーネントの在り処も……教えるつもりはないのですね?

コッポラ: まさか全てを公にするつもりか?「パドリーノ」がどう思うか、他の者がどう思うかを考えろ。お前は次期当主の命令に従えばいい……ただ受け入れるだけでいいんだ。

カルロッタ: 不毛な議論はここまでにしましょう。

カルロッタ: わたくしにおじ様を説得することはできません。ですが、逆もまたしかり……必ずあなたを止めて見せます。

カルロッタ: ごめんなさい……正式なファミリーの一員でもないのに、こんな場面を見せてしまうなんて……

漂泊者:

カルロッタ: そう、ですか?わたくしは、もっと……いえ、あなたには飾らない自分を見せると約束しましたものね。

カルロッタ: ただ、やっぱり、すぐには受け入れられなくて……ここまでやってきたことに後悔はありません。真相を突き止めたことも、裏切り者を見つけたことも、危機を阻止しようとしていることも……ただ、裏で糸を引いていたのがコッポラであることが、とても悲しくて……

カルロッタ: わたくしたちは、誰よりもファミリーの理念に背いてはいけないのに……誰よりもファミリーに責任を持たなければならないのに……

カルロッタ: ……感情に溺れていても、何も解決できませんね。目下の急務はコンポーネントを取り戻すことです。コンポーネントが外部にあるだけでファミリーには脅威となりますから。

カルロッタ: あの侍祭の反応から考えて、コンポーネントはまだ教団の手に渡っていない……それなら、ベネットのデバイスに記録されていた船着き場にあるのかも……

カルロッタ: 計画を変更しましょう。先ほどの通信で警戒をしたおじ様が、コンポーネントを他の場所に移してしまうかもしれません。わたくしは今すぐ船着き場に向かいます。

漂泊者:

カルロッタ: はい、ですが時間がありません。今おじ様が動けば、コンポーネントを取り戻すチャンスを失う可能性があります。漂泊者さん、わたくしたちの唯一の強みは、二人だということです。

カルロッタ: このデバイスを持って、銀行の外で待っているピエールさんのところへ行っていただけますか?さらに確かな証拠が必要ですし、船着き場で何も見つからなかった時のために、他の手がかりを探っておきたいのです。

漂泊者:

カルロッタ: それだけでは解決しないと、わたくしも理解しています。おじ様の本当の目的と、それがファミリーに及ぼす影響は……安心してください、わたくしが必ず最善の策を見つけます。

計画通り、あなたたちは二手に分かれ、カルロッタは船着き場へと向かった。

コッポラ所有の船着き場に向かう

カルロッタ: この船着き場に運ばれてくる物資は、取り引きのための商品ではなく、あくまでおじ様の個人的な蓄え……コンポーネントをここに隠せば、簡単に見つかることはない。事態も把握しやすく、安全性も確保される……

カルロッタ: ただ、辺鄙な場所とはいえ、ここまで警備が手薄なのは妙ね。あっさり入り込めるなんて……

カルロッタ: ん?近くにエナジー反応が……調べた方がよさそうね。範囲も限られているし、すぐにエナジーの発生源を特定できるはず。

付近でデータコンポーネントを探す

エナジー反応を辿って進むと、物資が置かれている場所に行きついた。注意深く調べてみると……

収納箱の中には、宝石が埋め込まれた工芸品が転がっていた。とても美しく目を奪われるが、これは今探しているものではない。

エナジー反応を辿って進むと、物資が置かれている場所に行きついた。そこを調べてみると……

左側の箱からは芳醇なお酒の香りが漂い、オレンジ色の液体がゆらゆらと揺れている。右側の箱には、特注品のドレスが丁寧にたたまれて入れられている。品質もデザインも一流だ。

けれど、データコンポーネントは見つからない。先ほど感じた不思議なエナジー反応とも関係なさそうだ。

カルロッタ: (どれも違う……まさか、推測が間違っていた?船着き場には何もない……?でも、それならなぜデバイスに記録が残っていたの?)

カルロッタ: (もしくは、一歩遅かった……?すでにおじ様が、どこか別の場所に……?)

カルロッタ: (それに、先ほどのエナジー反応は一体……途切れ途切れではあっても、あれは絶対に錯覚じゃなかった……)

カルロッタ: (こんなところに、これほど大きなステンドグラスの鏡が置かれているなんて……)

カルロッタ: (これは、普通のガラスではないわね。何かのエナジー結晶……エナジー……?)

カルロッタ: (もしかして、コンポーネントの保管場所……?)

カルロッタ: (それとも、わたくしを捕えるための罠……?)

一方、あなたはカルロッタに言われた通り、銀行の近くへ向かい、デバイスと音骸を研究しているピエールという専門家を探した。

銀行付近でピエールを探す

老紳士: また会えたな、若者よ。

漂泊者:

フランチェスコ: 君は私の正体に驚かないのだな。

漂泊者: ピエールさんは「パドリーノ」のそばにいるとカルロッタが言っていた。なら、ピエールさんの傍にいるあなたの正体は簡単に想像がつく。

漂泊者: だから、あなたと初めて会った時に既視感を感じた。

漂泊者:

フランチェスコ: ふむ、若者の言葉で言うところの……運命の出会い、だろうか。「斯くして、私たちは運命によって引き合わされた」……ロマンがあると思わんか?

フランチェスコ: と言っても、君は私に会いに来たのではなく、「それ」のために来たのだろうがね。

フランチェスコ: さあ、ピエールに見せるといい。今はそれが何より急務なようだ。

漂泊者:

漂泊者:

フランチェスコ: この前見たあの絵を覚えているか?

フランチェスコ: 均衡の中にある小さな欠片は、持っている可能性を否定され、受け身でいることに慣れてしまった……あの子には、そうなって欲しくない。

フランチェスコ: ただ、私は自分の枠組みを押し付けるつもりはない。あの子には信頼できる仲間とともに、己が真に求めるものを見つけてほしい。

フランチェスコ: 私は、ファミリーに手を出し、仲間に害をなす者を決して許しはしない。それが己の息子であったとしても。

フランチェスコ: しかし……今回の問題において、私が用意した解決策は最終手段だ。その前に、あの子の決断を見る必要がある。

フランチェスコ: 人はいつか老いる。世代交代は当然の道理だが……モンテリにとっては伝統の継承よりも、創造と進化の方がずっと大切だ。

フランチェスコ: 時が来たと感じたら、これをあの子に渡してもらえるか……きっと役に立つはずだ。

ピエール: 少し厄介じゃったが……終わったぞい!

ピエール: デバイス自体はもう使えんが、中のデータは完璧に復元できた。ズレや上書きされておった部分も含めてな。

漂泊者:

ピエール: ふむ、確かにこのデバイスには細工された痕跡が残っておる。データを消すためというより、上書きすることで何かを隠そうとしたようじゃな。

ピエール: まあいい。お前さんもデバイスを持っておるんじゃろ?データは全部そっちに送ってやろう。自分の目で確かめれば分かるはずじゃ。

漂泊者:

コッポラ: ベネットの死体の処理は終わったのか?

コッポラの手下: は、はい……郊外へ運び出しました。残像ざんぞうがいる場所なので、明朝にはベネットが襲われたという情報を流す予定です。

コッポラの手下: だ……大丈夫でしょうか?教団の奴らのためにファミリーの仲間にまで手を出すなんて……こ、こうまでして教団と手を組む必要はあるんですか?

コッポラ: もう後には引けん。このデータコンポーネントを教団に渡せば、フィサリアの代わりに我々が認められるのだ。街にいる他の共鳴者どものことは放っておけばいい。

コッポラ: ベネットに関しては……教団に言われずとも、いずれ始末していたさ。

コッポラ: 奴は知り過ぎた……レッドベルベットの件をしつこく追及してきたあの時から、ベネットの結末は決まっていたし……私の邪魔をする者は皆、同じ運命を辿るだろう。

コッポラの手下: は、はい……

コッポラ: 私たちはあの雨を乗り越えてきた。だからこそ、もう大切な者を失いたくない。そうだろう?

コッポラ: 犠牲を出さない最善の方法は、争わないことだ。力のある者に頼り――それにひれ伏すことこそが最適解なのだ。

コッポラ: ファミリーを抜けたお前に協力を頼むのは筋違いだろうが……このデバイスをカルロッタに渡して欲しい。

ダンカン: 何が入ってるんだ?これを渡したとして……カルロッタはどうなる?

コッポラ: デバイスに備わっている位置情報機能と記録されたデータ以外、中には何もなかった。

コッポラ: 三日後、私はファミリーを代表して教団と交渉を進め、話をまとめるつもりだ。すべてが終わるまで、カルロッタには大人しくしてもらわねば困る。もちろん、彼女にも選択する機会は与えると約束する。

コッポラ: ベネットについてもだ。お前が言われた通りにすれば、奴の横領については不問とし、許しを与えてやる。お前は自分が思っている以上に、ベネットという友を大切にしているようだからな。

コッポラの手下: どうかしてる、コッポラさんは何がしたいんだ?……ファミリーの仲間を殺すなんて、誓いに背く行為じゃないか。こんなの駄目だ……どうにか全てを記録しておかないと……

コッポラの手下: 俺のデバイスに残すか?いや、危険すぎる……そうだ、ベネットのを使おう。死んだ奴のデバイスなら、すぐには気づかれないんじゃないか?

コッポラの手下: よし、データを移せた。あとは別のデータで上書きして……きちんと証拠を残しておかないとな……万が一、いつか……お、俺が消されても……

漂泊者:

漂泊者:

ピエール: 罠じゃと?カルロッタは大丈夫なのか?まさか、お前の想定以上にひどい事態になっておらんじゃろうな。本当にカルロッタ一人にすべてを任せるつもりか?

フランチェスコ: 問題ない。私はあの若者のことも、カルロッタのことも信じている。確かにこれは罠だ。だが、あの子が前に進む転機になるやもしれん。

一方、とある未知の空間の奥深くにて、カルロッタの心の中では、過去の記憶がふと浮かび上がった。

怯える子供: あ、あれはなに……

威厳のある男の声: ファミリーはお前を守り……

鏡から出る方法を探す

カルロッタ: 急に色々と思い出すなんて……あの鏡に触れたから?エナジー結晶で作られた鏡の奥にソノラがあるなんて、実に良くできた「罠」ね。

カルロッタ: ソノラ……船着き場、デバイス、ダンカン、どこからがおじ様の企みだったのかしら?

カルロッタ: それに、わたくしをこの中に引き込んだあの手……とりあえず辺りを調べて、状況を把握するべきね。

残像を倒す

カルロッタ: 主のいない音骸がのさばり、脅威となっている……このソノラ、あまり周波数が安定していないようね。

カルロッタ: 自由に動き回るには、まず奴らを片付けましょうか。

カルロッタ: これで、邪魔をしてくるものはいないわね。

カルロッタ: 少しづつ答えに近づいている気がする……出口と手がかりは館の中かしら。とりあえず入ってみるしかないわね。

館に入る

鏡から出るための手がかりを探す

カルロッタ: 内装はファミリーの館に似ているけど、完全に同じというわけではない……

カルロッタ: 配置も似ている……でも、この飾りとあのライトは、五年前の襲撃で壊れてしまったはず……

カルロッタ: これは過去の記憶?それとも誰かの空想

「ブルーレイン」: 「パドリーノ」が分家の孤児の娘を引き取るって話だろう?とっくに知ってる。

「ブルーレイン」: 俺だけじゃなく、ファミリー中が知ってるさ。今日の集会だって、あの娘のために開かれるんだろうな。

「レトリバー」: まったく、引きこもって武器をいじってるだけのくせに、こういう情報には目ざといな……でも変だと思わないか?「パドリーノ」にはすでにコッポラって息子がいるのに、なんであんなのを引き取るんだ?

館の片隅で話している二人の男に、カルロッタの視線は引き寄せられた。

カルロッタ: (分家、孤児、「パドリーノ」が引き取る娘……この集会の主役は、わたくし?)

カルロッタ: (鏡に触れただけで、記憶や経験、脳裏に浮かんだ考えまで読み取って、瞬時にソノラを形成するなんて……)

状況が呑み込めないカルロッタは、何とか今起きていることを整理しようとしたが……先ほどまで話をしていた男の一人が彼女に気付き、話しかけてきた。

「レトリバー」: ん……?お前、見覚えがあるな……っておいおい、もう戻ってきたのか?

カルロッタ: 時間軸から考えれば、あなたはまだわたくしを知らないはずでは?

「レトリバー」: 時間軸?どういう意味だ?よく分からん。

カルロッタ: 何でもありません、気にしないでください。わたくしも、なぜ自分が今ここにいるのか分からないのです。ここがどこで、何をすべきなのか……

「ブルーレイン」: こいつが言ってるのは、ついさっきあんたを見かけたって話だ。大体一分くらい前に、あんたはここを通って歩いて行っただろう?

「レトリバー」: そうそう、戻ってくるのがあまりにも早いんで、驚いたんだ。でもお前……さっきと少し雰囲気が違うな?

「レトリバー」: 服装も腕につけてる飾りも色が違う。今つけてんのは赤だけど、さっきの娘は青いのをつけてた。俺たちの勘違いみたいだな……にしてもそっくりだけど。

カルロッタ: (青い飾り……わたくしを鏡の中に引きずり込んだ手にも、青い腕飾りがついていたような……)

カルロッタ: おそらくその方がわたくしを連れてきた張本人です。どちらに向かったか教えていただけますか?置き去りにされてしまって、追いかけなくてはいけないんです。

「ブルーレイン」: 時間を潰すために、適当に歩いてるんじゃないか?準備に問題が起きて、集会の開始が遅れてるんだ。

カルロッタ: (確かに、こんなことがあったわ。あの時はライトに不備があって、集会が時間通りに始められなかったような……)

カルロッタ: (それなら、きちんとライトを点灯できれば……ここにも変化が生じるのでは?)

カルロッタ: ありがとうございます。おかげで、どこに行くべきかが分かりました。

「レトリバー」: ど、どういたしまして?俺たちはなんもしてないけどな。

カルロッタ: それと、ここにいるあなたたちに伝える意味があるかは分かりませんが……「パドリーノ」が彼女を引き取る理由は、彼女がモンテリの精神を持ち合わせているからだと思います。

電気をつける

落ちているメモを調べる

風船を撃ち破る

風船に隠されたメモを調べる

パスワードを入力して電気をつける(6289)

位置について集会の始まりを待つ

カルロッタ: よし、電気はついた。集会場の様子はどうかしら。

「フランチェスコ」: さあ、来なさい。

カルロッタ: わたくし……ですか?

「フランチェスコ」: そうだ。怖がることはない、カルロッタ。ここまで上がり、皆にお前の姿を見せてやりなさい。

漂泊者:

「フランチェスコ」: 今日の主役はお前だ。今日からお前はファミリーの一員となる。

「フランチェスコ」: 私の孫娘として、この私の、そしてファミリーの姓を与えよう。お前はモンテリの名を冠するものとなり、モンテリの持つすべての権利を手にする。そしてその責務を果たすことになるのだ。

「ラ・ジョローナ」: 間違いないわ、あの子には私たちと同じ血が流れているのよ!

「バックウィンドウ」: 「パドリーノ」と同じ、真のモンテリね!

漂泊者:

「クロックワーク」: 可哀想なほど痩せこけてるな。それに、度胸もなさそうだ……

「ラ・ジョローナ」: 分家の上に女だなんて……あの子にファミリーの栄光を授かる資格なんてあるの?

「バックウィンドウ」: そうよね。あの子のどこがファミリーに相応しいのか、まるで分らないわ。ましてや「モンテリ」の姓を引き継ぐなんて……

カルロッタ: あなたは!

「カルロッタ」: 認知、称賛、栄光……あなたが望むものすべて……

「カルロッタ」: ここに残れば、手に入りますわよ?

カルロッタ: あれは……出口?

「カルロッタ」に追いつく

カルロッタ: ま、眩しい……ここは館の庭?外に出られたの……?

カルロッタ: 一体いつの記憶から作られたものなのか……それが問題ね。

カルロッタ: 違う。この装飾は……とても似ているけど、ここも現実ではなく……わたくしの記憶をもとに作られた空間。

カルロッタ: どうすればここから出られるのか、教えてもらえる?

「カルロッタ」: ここから出る?さっきの場所からは出られたでしょう?

カルロッタ: ……ちゃんと答えなさい。わたくしをここに連れてきたのはあなたね?

「カルロッタ」: そう、ならば答え方を変えましょう……なぜ、教えなければならないのです?

「カルロッタ」: 確かにあなたをこのソノラに連れてきたのはわたくしです。ですが、わたくしを今の姿にしたのは、あなた……そして、あなたの記憶、願い、期待……

「カルロッタ」: わたくしはカルロッタ・モンテリ。わたくしたちは同じ過去と現在……そして未来を辿る……

カルロッタ: 同じ?心外ね。「モンテリ」の名を侮辱することは許さない。

「カルロッタ」: そう言えば、かつてのあなたが「モンテリ」の名に恥じぬよう懸命に学び、腕を鍛えたのも確か……この場所でしたね?

「カルロッタ」: 分家から引き取られた小さな女の子は、栄誉あるファミリーにはとけ込めず……捨てられることを恐れ、庇護に感謝しながら、文句のつけようのないお嬢様になれるよう必死に努力した……

「カルロッタ」: 社交パーティーではファミリーの看板、オークションでは誰もが称賛する投資家となった。そしてその裏では……下された命令をこなしていく鋭い刃となった。それが、あなたが望んで得た姿でしょう?

「カルロッタ」: みんなに受け入れられ、信頼され、必要とされたい……そう願うなら、わたくしが見せた異なる可能性も気に入っていただけると思ったのですが……みんなに拍手で迎えられ、良い気持ちになりませんでしたか?

「カルロッタ」: また、わたくしを撃つのですか?

「カルロッタ」: 無駄ですよ。ここはあなたから生まれたソノラ……つまり、わたくしのソノラ……

「カルロッタ」: 映し出された周波数は何度飛散しようと、再び集まることができる……けれど、その本体はどうでしょうね?むしろご自分に撃った方が効果があるかもしれません。

「カルロッタ」: 無理に否定する必要はありません。あなたがこれまでファミリーに必要とされたい、受け入れてほしいと願ってこなければ、わたくしは今ここにはいないのですから。

「カルロッタ」: 称賛も承認も足りないというのなら……あなたの価値を示す機会を差し上げます。どうか、その血のにじむような努力の成果をお見せください……

残像を倒す

「カルロッタ」: なかなかやりますね。でも、これは始まりにすぎません。

「カルロッタ」: ここがどんな過去なのか、あなたも気になっているでしょう?……せっかくですから、ヒントを差し上げましょう。

流れる風が止み、重たい空気と錆びついた湿気が肌にまとわりつく。

黒々とした空を見上げたカルロッタの脳裏に、思い出したくもないあの雨の夜がよぎる。

カルロッタ: 血の代償が……嵐が、もうすぐそこに……

「カルロッタ」: 思い出したようですね。そう、あなたは決してあの日を忘れない。あの雨は、今もあなたの心に降り続いているのだから。

「???」: た……助けてくれ……

「???」: くそ、はめられた……私たちのモノを奪おうだなんて、いい度胸ね。モンテリは……ファミリーは決して……お前たちを許さない……

「カルロッタ」: 聞こえるでしょう?彼らの声……唐突な悲劇になす術もない彼らは、導いてくれる誰かをどれほど望んだことか。

ファミリーの危機を解決する

ファミリーメンバーと策を練る

「コッポラ」: ファミリーの縄張りが三か所、立て続けに襲撃を受けた。南二番街、西区の船着き場、それから本部の館だ。

「コッポラ」: さらに、フィサリアがもう一度本部を襲撃するという情報が入っている。きっと、教団は見て見ぬふりを続けるだろう。

「コッポラ」: フィサリアの奴らめ、親父に手を出すとは……許せん!

「クロックワーク」: これ以上は待てない。コッポラ、「パドリーノ」が目を覚ます前に策を考えよう……東側から少し人員を回すんだ。リスクはあるが、気付かれなければ……きっと何とかなる。

カルロッタ: (ダメ、これではいけない……あの時、フィサリアファミリーはわたくしたちの地区の動きに目を光らせていたのだから)

「コッポラ」: いや、西区は諦める……そんなに欲しければ、西区は奴らにくれてやればいい。人手を本部に集めるんだ。

「クロックワーク」: なぜだ?フィサリアの奴らは確かに強い。だが、我々とて大人しく引き下がるような弱者ではない!正々堂々と手にした権利を、なぜみすみす奴らに渡さねばならん!

「クロックワーク」: 「パドリーノ」が目を覚ました時、どう説明するつもりだ?「あなたの努力を、皆の頑張りを無駄にしました」とでも言うのか?

カルロッタ: (とはいえ、本部も危険にさらされるリスクがある。これは心理戦……敵の動きを予想し、こちらの考えを悟られないようにしなければ……)

「コッポラ」: ……カルロッタ、お前はどう思う?意見を聞かせてくれ。

カルロッタ: (おじ様がわたくしの考えを聞くなんて……これも過去とは違うわ。ならば、わたくしが正しい道へと導かなくては)

カルロッタ: 「戦場」を変えましょう。

カルロッタ: 東区も、すでに襲撃を受けている南二番街や船着き場でも、表立った行動は起こさず、こちらは何一つ情報を握っていないと思わせるのです。

カルロッタ: それから秘密裏に本部の全員を連れて、フィサリアの音骸育成地へ向かいます……そこは最も重要な土地……

カルロッタ: 彼らがわたくしたちの大切なものを狙うなら、こちらも同等の価値を持つものを奪い、交渉材料にすべきです。

「コッポラ」: 本当にそれでいけるのか?

カルロッタ: 少なくとも、大きな被害を被ることはないでしょう。館はただのモノに過ぎません……ファミリーの避難が第一です。

カルロッタ: 足止めはわたくしにお任せください。

敵を倒し、仲間の退路を確保する

「カルロッタ」: 素晴らしい決断ですわ。こうしていれば……あの時の悲劇は避けられたのでしょうね。

「カルロッタ」: この結果は、今のあなただから導けたというものではない……あの日もあなたの脳裏には、同じような考えが浮かんでいたのですから。

「カルロッタ」: これで、答え合わせができたでしょう?

「カルロッタ」: あの時……コッポラも他の兄弟たちも、あなたの意見を聞こうともしなかった……誰もあなたを気に掛けず、その意見が受け入れられることはなかった。

「カルロッタ」: そして、ファミリーは最悪の下策を選択した。人手を集めて本部を守ろうとし、本部も東区も多大な損失をこうむることになったのです。

「ダンカン」: そんな……シンシア、目を開けてくれ……なぜこんなことに。西区は……いや、全部私のせいだ。私が考えなしに行動したから……

「ダンカン」: 私にはもうお前しかいなかったのに……開拓、栄光……それがなんだ!!

「ダンカン」: 終わりのない開拓に、尽きぬ野心……そんなもののために、どれだけ大切なもの失えばいいんだ……

「カルロッタ」: 結局あの時、事態を収拾したのは当主である「パドリーノ」でしたね。ですが、事業は計画通りに進んでも、失われた者は戻ってこない。ファミリーにとっては、何よりも悲惨な血の教訓となった……

「カルロッタ」: そしてその教訓を胸に、あなたは刃として、一層ファミリーのために尽力をするようになった。

「カルロッタ」: けれど、コッポラはどうでしょうね……彼はこの日を境に、何者かの庇護を得たいと考え始めたのではないでしょうか?彼の力では、大切なものを守り抜くことはできませんから。

「カルロッタ」: よく考えてみてください。コッポラの言い分とて間違ってはいないでしょう?犠牲は避けられない……ならば誰かがそれを背負い、代価を払わなければならないのです。

「カルロッタ」: それでこそ、ファミリーの利益は守られる……あなただって均衡を望んでいるのでしょう?

「カルロッタ」: ましてや、過去に決断をする権利を与えられたことのないあなたに、この均衡を破る資格があるとでも?

カルロッタ: それでもわたくしは……おじ様を止めてみせる。

「カルロッタ」: どうして?わたくしが見せた未来の方が、ずっと素晴らしいではありませんか。

カルロッタ: 過去を変えようとも、訪れた未来が変わることはない……あなたが見せたそれは、ただのまやかし。

カルロッタ: 過ぎてしまった過去は戻らない……進むべき道は一本しか選べない。

カルロッタ: あの日の雨は、長い間わたくしたちの心に降り注いでいる……だけど、過去に囚われたままでは何も始まらない。

カルロッタ: 今のわたくしには何の資格もない、そんなことは分かっているわ。けれど、わたくしの決断は変わらない。真にファミリーの利益へと繋がる選択、それがわたくしの選ぶべき道。

カルロッタ: だからこそ、わたくしはここから出て、おじ様を止めてみせる。その行動がもたらす結果には、もちろん責任を負うつもりよ。

「カルロッタ」: なるほど、これでもダメですか……それほどあなたの意志は固いのですね?

「カルロッタ」: 二度の交渉決裂……ならば、他の方法であなたをこの場に引き留めるしかありませんね。

迷宮の「終点」を探す

左か右を決めて迷宮を出る

「コッポラ」: 左だ、左に行け……いや、右かもしれんな?

「コッポラ」: よく考えろ!言ったはずだ、より歩きやすい道を選択するべきだと!

「カルロッタ」: 違います、こちらではありませんよ……本当に正しい道を進んでいると、己に確信を持てるのですか?

「カルロッタ」: ここに留まりなさい。このステンドグラスの回廊を進み続ければいい……わたくしが傍にいます……

「ラ・ジョローナ」: ねえ、あんた本当に「モンテリ」を名乗る資格なんてあるの?

「バックウィンドウ」: もう諦めなさいな。このまま続けたところで、無様な姿を晒すだけ。見ていられないわ。

「バックウィンドウ」: この先に……まだチャンスはあるはずよ。私たちをがっかりさせないでちょうだいね。

考えたことのない道を進む

「ジュニパー」: そうだ、それでいい……そのまま進め。もう少しだ。

「ジュニパー」: 人はどうしたって進み続けなきゃいけない。自分を疑ってる暇なんてないんだ。

「クロックワーク」: まだ分からないのか?これが間違った道を選び、間違った側についた結果だ!

「クロックワーク」: お前が考えている以上に、代価は重い。なぜいつも誤った選択をするんだ?

「フランチェスコ」: 違う、こちらではない。あっちだ……あっちに行きなさい。

「フランチェスコ」: いい子だ。次は……反対の道を選びなさい。まだ遅くはない。

選択は繰り返される。あなたは、左と右の他に、未踏の道があることに気づく——

引き返して元の場へと戻ることにする。まるで自分の原点を取り戻すかのように。

迷宮の「終点」に向かう

カルロッタ: なぜあなたまで……

漂泊者: あなたが心配だった。

漂泊者: それと、これを渡しに。

漂泊者: 銃はここにある。後はあなたが決断をするだけ。

漂泊者: もう決めたんだろう?

ステージの中央に向かう

「カルロッタ」: たかが刀に、持ち主が作り出した均衡を壊す資格があるとでも?

「コッポラ」: なぜ私に従わない!

「フランチェスコ」: 私はもう老いた。これからは、より平坦な道を選ぶべきだ。

「ダンカン」: 誰か……誰か代わりにこの痛みを……

「カルロッタ」: なぜなの……?

「カルロッタ」: 私に跪き、この地に残ることを……なぜ拒む?

鏡の中の「カルロッタ」を倒す

「カルロッタ」: あの迷いも不安も、すべてお前の心に眠る本音だ。なぜそれを切り捨てられる……?

「カルロッタ」: 私とお前の……何が違う……?

カルロッタ: 漂泊者さん、一つ、ささやかな物語はいかがですか?

カルロッタ: 今回は、ある少女が選ばれるまでのお話です。

鏡中世界を離れる

復元されたデータから知った事実をカルロッタに伝えた。

カルロッタ: そんなことが……ダンカンはベネットの死の真相を知らなかったのですね。ただ、友人の最後の尊厳を守ろうとして……その気持ちをおじ様に利用されてしまった、と……

カルロッタ: 彼は命を落としたベネットの代わりに償い、彼の名誉を挽回するために、手を加えられたあのデバイスをわたくしたちに渡してくれた……

カルロッタ: おじ様はデバイスの記録をいじらなかったようですね。でなければ、上書きで隠されたデータを見つけていたはずですから。あの人はただ、ベネットが足を運んでいた船着き場に罠を仕掛けただけ……

カルロッタ: ……おじ様やダンカンの気持ちが分からないわけではありません。彼らは穏やかで、リスクの少ない未来を欲した。そんな明日を夢見ない人など、この世にいないはずですから。

カルロッタ: けれど、わたくしたちの願う未来は教団への依存ではない……穏やかな未来は、彼らの庇護の下で得られるようなものではありません。

カルロッタ: もとより、教団はファミリーとは正反対の道を歩んでいる。ひとつ諦めると決めた瞬間から、さらに多くを諦めざるを得なくなる……主導権を失えば、最後には言葉を発する資格すらなくしてしまう……

カルロッタ: 高く厚い壁を前に、「パドリーノ」とファミリーの先人たちは、その手で道を切り開いてきました。わたくしも彼らのように、ファミリーのみんなに……いいえ、ラグーナのすべての人々に、共に歩んでいける道を示したい。

カルロッタ: 富と力がなければ、自由は手に入らない。でも、自由があれば、富と力を得ることができる。

カルロッタ: モンテリは教団がもたらす枷を打ち破り、セブン・ヒルズへ、瑝瓏こうりゅうへ、まだ見ぬ国々へ……さらなる広い世界へと歩き出すでしょう。ですが、どこまで行こうとも、わたくしたちは決して「家族」を忘れません。

カルロッタ: 一人では成しえないことを成し、一人では抗えない雨に立ち向かう時、隣にファミリーの存在がある……少なくともわたくしは、今後もそうあって欲しい……

漂泊者:

カルロッタ: 先ほども言った通り、主導権をこの手に握るのです。

カルロッタ: 正面から教団とやり合うのは賢明ではありません。ですが、おじ様の後ろに縮こまり、どこにあるかも分からないコンポーネントを探すよりも、他の方法を試したいです。最も効率的なのは……おじ様にコンポーネントを持って来させること。

カルロッタ: レッドベルベットは、わたくしにファミリーの決断を待っていると言いました。

カルロッタ: 漂泊者さん……二日後、わたくしと一緒に最高に盛大で、華麗な決意表明をいたしませんか?

漂泊者:

約束した行動時間まで待つ(2日後の19:00)

計画通りに取引会場付近に向かう

カルロッタ: コホンッ……聞こえますか?

カルロッタ: 現在地を確認させてください。勇敢で聡明な「共犯者さん」、取引場所にはもう到着していますか?

漂泊者:

カルロッタ: 了解です、変装を忘れないよう気を付けてください。外の通りには、レッドベルベットとわたくしの手の者を手配しています。不測の事態が起きればすぐプランBに移行しますね。

カルロッタ: それから、取引場所の出入口は一つしかありません。そこにも人員を配備しています。あとは、あなたが忍び込むだけです。

門番と会話し、取引会場に紛れ込む

ブルボン: 上の応接室は今使用中だ。部外者は近づくな。

漂泊者:

ブルボン: そういや、そんな連絡があった気もするな。あれ?でも、30分後って話じゃなかったっけ……

漂泊者:

ブルボン: は?なにがだ?

漂泊者:

ブルボン: それもそうだな。でも、今日は特別な日なんだ。念のために確認させてくれ……コードネームと身分の証を。

漂泊者:

???: なんだ、チューリップじゃないか。突っ立ってないでさっさとこい。ボスが早くしろって怒ってたぞ。

その場に現れた人物は、体で相手の視線を遮ると、そっとチューリップが描かれたコインを渡してきた。すぐに意図を察し、身分の証としてコインをブルボンに見せた。

ブルボン: チューリップコインの「チューリップ」……思い出した、金庫の奴か。マルゲリータのところで一緒に酒も飲んだよな。

漂泊者:

ブルボン: やっぱり、金庫の奴らは気が利くな。大切な客が来るからって早めに動くなんてさ。

???: おいおい、世間話は終わってからにしてくれよ。もたもたすんな、とっとと運ぶぞ。

取引会場に入る

取引会場を観察する

カルロッタ: ちゃんと中に入れましたか?

カルロッタ: 会場内には監視カメラが設置されています。舞台の両側に制御パネルのようなものが見えますね?

カルロッタ: まずは制御パネルを操作して、監視カメラを遮断してください。それから、わたくしの能力で作り出した「宝石」を、計算しておいた場所に置くのもお忘れなく。

舞台両側の監視カメラを遮断する

カルロッタ: どうです?問題なく進んでいますか?

漂泊者: 準備はできてる。あとは、カルロッタが約束の場所に来るだけ。

カルロッタの「宝石」を置く

漂泊者: メインホール舞台前、クリア。

漂泊者: メインホール舞台五時の方向、クリア。

漂泊者: 死角になる場所、クリア。

漂泊者: 裏窓付近、クリア。

漂泊者: 現場の準備は整った。予定の時間まであと少し……

漂泊者: そっちはどう?

カルロッタ: 問題ありません。鏡の中から出ました。信号遮断装置も起動済みです。こう言うのもなんですが、おじ様のおかげで良い作戦を思いつけました。誰にも気付かれずに忍び込めたんですから、感謝しないと。

カルロッタ: 教団の方も予定の場所に誘き出せたみたいです。「ブルーレイン」と「レトリバー」も所定の位置についています。

カルロッタ: 鐘の音を合図に、作戦開始です。

コッポラ: もうすぐ約束の時間だ いつ教団が到着してもおかしくはない

コッポラ: 問題が起きないように ブツの確認しておけ

カルロッタ: 少し話をしませんか? おじ様

コッポラ: ……な なぜお前がここに!?

カルロッタ: 待ち人は来ませんよ。

コッポラ: ふっ、カルロッタ……どうやら真実を知ったようだな。なるほど、取引時間と場所の変更を知らせてきたのはお前の手の者というわけか。

コッポラ: 教団にも同じことをしたんだな?我々を妨害し、お前は望みのモノを手に入れる……いや、それでもお前一人の力でこんなことが出来るはずは……

カルロッタ: 教団がコッポラに約束した平和な暮らしなど、訪れるわけがありません。彼らはただ、ファミリーの中から犠牲となる者を選んだだけ……ベネットのように対価を払わせる者を。

カルロッタ: ベネットを殺したのは残像ざんぞうではありません。おじ様が彼を殺害し、その遺体を郊外に捨てた……これこそが真実。ベネットは最後までファミリーの誓いを守り通しました。

カルロッタ: ファミリーの発展は誰か一人が行うものではない……わたくしたちは互いに支えあって進むのです。誰一人として見捨てずに。

カルロッタ: もちろん、犠牲が避けられないことは分かっています。ですが、わたくしの決断はファミリーひとりひとりの利益を第一に考え、可能な限り犠牲を避けるためのもの……これだけは、お約束します。

カルロッタ: あなたは、これからもその道を歩まれるのですか?それともベネットのために……そしてご自分のために、今回の「意思表明」にご協力いただけますか?

ダンカン: 嘘は必ず真実に呑み込まれる。自業自得だ、コッポラ。

カルロッタ: 取り引きに必要なモノもなく、取引相手ももういない……これが最後のチャンスです、おじ様。今すぐ手を引くのなら、最低限の体裁を保つことはできる。

コッポラ: 体裁?ここまで来て、私がそんなものを気にすると思っているのか?

コッポラ: 今の私にあるのは後悔だけだ。私は結局、冷酷になりきることができなかった……他の者と同じように、お前など早々に切り捨てておけば良かったものを……

漂泊者:

コッポラ: だったらなんだ?お前らに何が分かる!

コッポラ: 我々の力では、すべてを守ることなどできない……ならば、庇護を求めることの何が悪い?同じ道を歩む者を選ぶことの、なにが間違っていると言うのだ?

コッポラ: ……ああ、そうだとも。私はもう引き返せない。お前たちを始末しコンポーネントさえ取り戻せば、まだ打つ手はある。

急いでコンポーネントを安全な場所へ持ち帰る

カルロッタ: レッドベルベットから、仲間がダンカンと合流できたと報告がありました。ダンカンについては安全な場所にかくまい、事態が落ち着くまで保護してもらいます。

カルロッタ: 教団へは「ブルーレイン」と「レトリバー」がコッポラの手下に代わって、今回の取り引きはなかったことにすると宣言しました。

カルロッタ: データコンポーネントを手に入れられず、今後の約束もないとなれば……教団もコッポラとの取り引きは完全に破綻したと理解するでしょう。

カルロッタ: また雨ですね。おじい様にも言ったことがあるのですが……わたくし、雨が苦手なんです。

カルロッタ: ラグーナの雨は、不幸をもたらす……

カルロッタ: そして、雨は血をきれいに洗い流してしまう……だから、襲撃も復讐も雨の日ばかりで……憂鬱でした。

カルロッタ: でも、今日の雨は違います。この雨が昨日までのすべてを洗い流してくれる、そんな風に感じるんです。わたくしは、ようやく本当の自分になることができた……今と未来をこの手に掴み取って……

フランチェスコ: よくやった、カルロッタ。それから漂泊者、君もな。

フランチェスコ: 君がいなければ、カルロッタだけでこれほどの成果を上げることは出来なかっただろう。

漂泊者:

フランチェスコ: お前たちならうまくやれるとは思っていたが、想像以上の結果だった。

フランチェスコ: どうやら私は、二人の可能性を見くびっていたようだな。

カルロッタ: 「パドリーノ」とあなたは……わたくしの知らない間に繋がっていたようですね。

カルロッタ: 今さらですけど、あなたが「パドリーノ」の銃をわたくしに渡すなんて……いつの間にとそんなに親しくなったのですか?

漂泊者:

カルロッタ: まったく、あなたという人は……いいでしょう。先ほどの見事なコンビネーションに免じて、今回は見逃して差し上げます。

フランチェスコ: コッポラとその部下は、然るべき「対価」を払うことになる。血には血を、命には命を……例外はない。

フランチェスコ: だが、この件は特に入り組んでいる。すべてを終わらせるにはまだまだ時間がかかるだろう。そして、それには真のモンテリたるお前の協力が必要だ。

カルロッタ: 分かりました、後始末はわたくしにお任せを。

カルロッタ: ですがその前に……

漂泊者:

カルロッタ: ええ……わたくしと離れるのは寂しいですか?

漂泊者:

カルロッタ: 「別れを悲しむことはない。別れは、再会への始まりなのだから」。

カルロッタ: これはわたくしの大好きな言葉……そして信条でもあります。

カルロッタ: コッポラが今の地位から退き、ファミリーにはその責を担う存在が必要となる。わたくしは、この一件でもたらされたすべての結果に責任を負わなければなりません。それに、この件でおじい様を補佐できるのは、わたくししかいませんから。

カルロッタ: 漂泊者さん、あなたには心から感謝しています。おじい様の言う通り、あなたがいなければ、これほどすべてが上手くいくことはなかったでしょう。

カルロッタ: これで一件落着です……あなたはもう、キャッツアイとしてわたくしの傍にいる必要はありません。ですが……どうかこれを受け取っていただきたいです。

カルロッタ: 以前、話しましたよね?ファミリーの者はコードネームにちなんだ証を身につけると。

カルロッタ: あなたのキャッツアイのように美しい瞳。それと釣り合うものを見つけるのは、なかなか大変でした。これは、共鳴能力で作り出したものではなく、本物の、わたくしからの気持ちです。

カルロッタ: あなたは、ここに長居できない……それに、ファミリーの一員になるつもりがないのもわかっています。

カルロッタ: それでも、キャッツアイというコードネームはあなたのもの……わたくしが初めて、そして唯一ファミリーに推薦した人なんですから。