神聖なるそよ風は常に吹き込む
ラグーナ城の雄大な景色が目の前に広がる。一つのハプニングを経て、どこか不思議な雰囲気を漂わせる「音骸の城」は、異郷からの旅人を暖かく迎え入れた。
明けの灯台近くの小型信号塔にファストトラベル
ラグーナ城に入る
リベルタ広場に向かう
リベルタ広場を出る
アブ: 次はどこにいく?
漂泊者: まずはお金をもらいに行こう。
漂泊者: 招待状に「アヴェラルド銀行」で「参加資金」がもらえると書いてあった。
音骸船で「アヴェラルド銀行」に向かう
漂泊者: 名の知れたファミリーが用意した資金……かなり期待できるかも。
アブ: おお!そう言われると我も楽しみになってきた!じゃあさ、お金をもらったら、お腹いっぱい食べれる店を探しに行こう。
アブ: もう、腹がペコペコ……ふぁ……
「アヴェラルド銀行」に向かう
銀行窓口に向かう
???: アヴェラルド銀行へようこそ、ミスター漂泊者。
漂泊者:
ザンニー: 私はザンニー、当銀行の者です。この度はモンテリファミリーより、お客様をご案内するよう仰せつかっております。
ザンニー: もう一人お連れ様がいると伺っておりますが……
漂泊者:
ザンニー: ……かしこまりました。
ザンニー: 「参加資金」の手配はすでに完了しております。どうぞこちらへ。
ザンニー: こちらにデバイスを。
メルクリオ: *ヴォン——ヴォン——*
ザンニー: この銀行のご利用は初めてかと思いますが、お客様はモンテリファミリーの招待を受けていますので、メンバーシップのランクは「ゴールド」とさせていただきます。
ザンニー: 口座登録はメルクリオによる自動操作で行われます。完了までしばらくお待ちください。
漂泊者:
ザンニー: はい。銀行に設置された音骸はすべてモンテリファミリーの資産。メルクリオはATMに特化したモデルです。
ザンニー: 銀行以外にもお客様を案内するよう仰せつかっています。カルネヴァーレが開催されるまでの間、最近流行りの「雲閃のウロコ旅行プラン」を楽しまれてはいかがでしょうか?
ザンニー: ——まあ、あまりおすすめできるプランではないのですが……短い時間で効率良くすべての観光スポットを一瞥したい、という方向けですからね。
ザンニー: ……些か急な依頼であったため、スケジュールの作成やお客様のニーズすべてにお応えする時間はありませんでした。満足いただけない点があれば、何でもお申し付けください。
漂泊者:
ザンニー: これはモンテリファミリーの作法。私はただそれに従うだけです。
ザンニー: そうでしたら、旅行プランの作成は一旦やめておきます。必要があれば、またお申し付けください。
メルクリオ: *ヴォン——ヴォン——*
ザンニー: お客様の資金の振り込みが完了しました。ご確認ください。それと、これからの予定を伺ってもよろしいでしょうか?
漂泊者:
ザンニー: でしたら、この近くの「トラットリア・マルゲリータ」という店がおすすめです。「ピザ・トロピカーレ」というメニューはとても絶品ですよ。ご案内いたしましょうか?
ザンニー: 申し訳ございません、仕事の連絡が……少々お待ちください。
ザンニー: オークションに出す品が到着した。運送用の音骸も手配してある。計画通り進めるんだ。
ザンニー: 特に23番と56番は外国からの珍しい品物。ロンバルディさんが高価な保険をかけている。ミスは許されない。
ザンニー: 他の情報は備忘録に書いてある。場所は……ああ、後は任せたぞ。
ザンニー: ……はぁ。
ザンニー: それではお客様、食事に行きましょうか。
漂泊者:
ザンニー: ……お気遣いありがとうございます。最近異動があったせいで人手不足なんです。それで私が他の業務を引き継いで……
ザンニー: お客様の案内を引き受けたのも、数日間の有給休暇と高額な報酬を上司が約束してくれたからであって……
ザンニー: おっと、失礼、余計なことを……でも、仕事を受けた以上、全力を尽くします。ご安心ください。
漂泊者:
漂泊者: 力を抜いてもらって構わない。俺は自分のことをちゃんと守れるし、依頼人に文句をつけたりはしない。それに、あまり気を遣われてもかえって疲れる。
ザンニー: ……わかりました。お客様がそう望むのであれば。
ザンニー: ……ありがと。ずっとあんな調子じゃ、やってられないからね。
ザンニー: 改めて……漂泊者、食事に行こうか。
トラットリア・マルゲリータに向かう
マルゲリータ: 「トラットリア・マルゲリータ」へようこそチュ!
マルゲリータ: いらっしゃいませ、ミスザンニー!今日は随分早い退勤ですね。
ザンニー: いや……まだ仕事中だよ。
マルゲリータ: キュキュ?でも、なんだかご機嫌ですね?今日は「社畜飛んでけセット」にしますか?それとも「ハッピー休日セット」にしますか?
ザンニー: ……じゃあ、後者で。
マルゲリータ: キュキュ?ご一緒の方は……もしかしてラグーナへ観光に来た外国のお客様ですか?いらっしゃいませチュ!
漂泊者:
マルゲリータ: なるほど。確かに見るだけで特別だとわかります。
ザンニー: 好きな料理はある?費用は全部モンテリファミリーが負担するから気にしないで。
漂泊者:
マルゲリータ: このトラットリアの特製料理——「ステーキ・マルゲリータ」と「ヌヴォラ・パスタ」がおすすめですチュ!
ザンニー: その2つは私もおすすめするよ。
マルゲリータ: キュキュ!ザンニーさんもなかなかのセンスの持ち主なのです。
マルゲリータ: わかりました!
ザンニー: 止めはしないけど……本当に食べ切れるの……?
漂泊者:
ザンニー: ……?
マルゲリータ: さあ、お二人は座って!すぐ出来上がりますよ!
空席に着く
マルゲリータ: キュキュ!ご注文の品です!ごゆっくりどうぞ!
漂泊者:
アブ: クンクン……すっごくうまそうな香りだ!
ザンニー: こちらが……アブ、だよね?
アブ: もぐもぐ、どうも、あむあむ、もぐもぐ、これうまいぞ……
ザンニー: どうも。ザンニーだ。
ザンニー: でも、本当に共鳴者の体に住む音骸がいるなんて……すごいな。
漂泊者:
ザンニー: ああ……とはいえ、他の国から音骸が来るなんてことは滅多にないんだけど。
ザンニー: ……いや。なんだか迷子を探しているみたいな聞き方だな……
アブ: リナシータでも、やっぱり我は一番特別なのだ!おお、これもうまいな!
ザンニー: 私たちもいただくとしようか。
ザンニー: あなたがどうかは知らないけど、ラグーナ人は食にこだわりを持っていてね。
ザンニー: 新鮮な海の幸は食材のうま味を保つために過度な味付けや調理を避ける。味があっさりしている淡水魚は必ず海水魚の前に食べるようにする。
ザンニー: このアペタイザーから食べるのがおすすめだよ。さっぱりした味わいが他の料理を際立たせるし、胃への負担が少ない。特に残業した後なんかには最適。
ザンニー: そうだ。アペリティフもある……ラグーナのこんな諺を聞いたことがあるかな?——神はワインを飲まない者に水を授けない。
ザンニー: ——どうぞ召し上がれ。産地はエグラ。ブナ半島の小ぶりの樫樽で熟成した「ネクターワイン」で、「豊穣の心、神の雫」と呼ばれているものだ。
漂泊者:
ザンニー: 遠方からのお客様に……
ザンニー: ……そして私の遠い休暇に、祝杯を。
アブ: うーん……いっぱい食べたら調子よくなってきたな……ん?あそこで何やってるんだ?なんか賑やかだな。
ザンニー: 恐らく「カルネヴァーレ」のリハーサルだろう……様子を見るに、数日前からやっている、モンテリファミリーによる音骸の演目かな。
ザンニー: 気になるのかい?でも、本番はこれ以上に盛り上がるよ。
ザンニー: 危ない!
???: 服従……
???: 統合……
???: 進化……
???: 「全て」は「一つ」に……
???: 御者よ 我は長らく汝の光臨を待ち望んでいる…… 我が名は「インペラトル」 「我」の助けとなり 迷いし者を…… 俗世へと戻すのだ
教団メンバー: 待て!暴走したダンサーがもう一体いるぞ…… いた そっちだ!
教団メンバー: 追え!!
地面に落ちたリコリスの花びらが、うっすらと不気味な雰囲気を匂わせていた。
似たようなリコリスを、前にどこかで見た気がする……
マルゲリータ: 生きた心地がしなかったですチュ。ヴィトルムダンサーが制御不能になったら、ベイキーにも同じ問題が起こるんじゃないかって……
マルゲリータ: チュ!お客様!初めて訪れたラグーナで、こんな不快な食事を体験なさるなんて!
マルゲリータ: この食事を受け取って。このことで、今日一日の素敵な気分が害されないことを願っていますチュ!
暴走した音骸を追う
ザンニー: 大丈夫か!?おかしい、音骸がわけもなく暴走するなんて……
漂泊者: 大丈夫……でも、音骸たちの様子が変だ。まずは落ち着かせよう。
暴走した音骸を止める
アブ: 大丈夫か!?
ザンニー: 何の前触れもない暴走……負傷者が出なかったのは不幸中の幸いといったところか。
漂泊者:
さっき脳裏に浮かんだことを2人に伝えた。
アブ: うーん……落ち着いてよく考えてみたら、なんか「共感」っぽいな。
ザンニー: 共感……?
アブ: えーと……テレパシーみたいなもんか?我もうまく説明できないんだけど……
ザンニー: テレパシー……カルネヴァーレで歳主が月桂冠を賜った人と会話する時、その言葉も直接人の心に届く……これと似たようなものかな?
アブ: インペラトルは歳主……じゃあ迷いし者って誰のことだ?それに、助けが必要とかどうとか……歳主にもできないことってあるのか?うーん、わからん……なんか眠くなってきた……
漂泊者:
漂泊者: (情報を伝える方法はたくさんあるのに、よりにもよってあの形を選んだのはなぜ?助けを求めるのなら、教団の信徒に神託を授けた方が早いのでは?)
漂泊者: (考えられるとすれば……他に選択肢がないから?つまり、歳主は助けを求めている……?)
漂泊者: (それに、テティスで見たあのメッセージ……まさかここの歳主も「角」と同じように、窮地に陥っている?)
漂泊者: (でも、ここの歳主は今州と違って殆ど姿を見せていない……何か変だ。さっきの音骸について、もっと話を聞いてみよう。)
漂泊者:
ザンニー: ああ。モンテリファミリーはずっと「個人用デバイス」と「個人用音骸」の普及に力を注いできた。
ザンニー: あの音骸か……モンテリファミリーはずっと「個人用デバイス」と「個人用音骸」の普及に力を注いできた。
ザンニー: ラグーナ人のほとんどは公共音骸に依存していて、個人用音骸の概念すら持っていない。そこをモンテリファミリーがブルー・オーシャンと見込み、「個人用デバイス」の開発に取り掛かったんだ。
ザンニー: 「カルネヴァーレ」の再開を支えてきたのも、「個人用デバイス」を普及させる好機と考えているからだろう。音骸事業の市場が持つ力を示せば、投資者の関心も引き寄せることができる……
ザンニー: ごめん……ちょっと待って。
ザンニー: アルベルトさん、はい、ちょうど今……
ザンニーは先ほど起こったことを説明した。
ザンニー: ……かしこまりました。
ザンニー: ごめん、お待たせ。今のはモンテリファミリーのアルベルト、今回の依頼人だ。
ザンニー: 彼にも音骸が突然暴走した原因はわからないそうだが、さっきのことに対して丁重に謝罪したいと言っていたよ。
ザンニー: それと、モンテリファミリーは全力を挙げて事件の調査に取り組むので心配はいらない、と。
漂泊者:
ザンニー: ……そういうことだろう。それに音骸の暴走は「個人用デバイス」を普及させる計画の邪魔となる。その点でも焦っているはず。
ザンニー: あと、もう一つ気になることがある。あの音骸はあなたと目が合ってから動き出した。まるで……あなたを探していたかのように。
漂泊者:
ザンニー: 安心して。余計な質問やクライアントのプライバシーを侵すような真似はしない。仕事と関係のない情報には耳をふさぐと約束しよう。
ザンニー: 私が受けた指示はあなたの案内だけ……でもまあ、事件の調査の手伝いも業務の範囲内なのかな。
漂泊者:
ザンニー: 礼をするなら、依頼主のファミリーに頼むよ。彼らは恐ろしいほど太っ腹な連中だからね。
ザンニー: 私の力を信じてくれてありがとう。
ザンニー: ……で、これからどう動く?
漂泊者:
ザンニー: でも、今はあいつが逃げた大まかな方向しかわからない。そうだな……まずは先駆条約に行こう。
ザンニー: そこに知り合いがいるんだ。彼の共鳴能力があれば、何か手がかりを発見できるかもしれない。
漂泊者:
ザンニー: じゃあ行こう。先駆条約はあっちだ。
ザンニー: わかった。
先駆条約で調査を行う
???: 世界はあなたのために開かれる!先駆条約へようこそ!
???: あ、ザンニーじゃないか!久しぶり。転職の件はどうなった?
ザンニー: 今日はお喋りをしに来たわけじゃない……こちらは先駆条約のフルミーネ。
フルミーネ: もしかして、新しい友達?初めまして、俺はフルミーネ。先駆条約ラグーナ支部が運営している「ワザリム映像スタジオ」のコンセプターをしているんだ。あなたのお名前は?
漂泊者:
フルミーネ: ……なんか聞き覚えが……あっ!もしかして、あなたがあの伝説の漂泊者!?
フルミーネ: まさか、ここであの憧れの異国の救世主、世界を貫く黒き雷光に出会えるなんて!ああ、この瞬間を記録しないと!
漂泊者:
ザンニー: ……そんなに有名だったの?
フルミーネ: あはは……ラグーナは外との繋がりが弱くて、情報の流れが遅いからね。でも、もしあなたがラグーナでも偉業を遂げたら、俺が必ず世界中にあなたの名を広めてあげるよ!
ザンニー: そんなにすごい人だったのか……まあ、いいや。今は本題に集中しよう。
ザンニー: ちょっと手伝ってもらいたいことがあってね。「ヴィトルムダンサー」という音骸の行方を探しているんだ。さっきトラットリア・マルゲリータ辺りで騒ぎを起こしたあれだ。
ザンニー: ちょっと手伝ってもらいたいことがあってね。「ヴィトルムダンサー」という音骸の行方を探しているんだ。さっきトラットリア・マルゲリータ辺りで騒ぎを起こしたあれだ。
ザンニー: ——恐らくこの方角に逃げた。どう、当時の状況を再現できる?
フルミーネ: ああ、あれか!知ってるよ。城外へ出たところを見たんだ。追いかけてる教団の人をたくさん引き連れていたよ。
フルミーネ: どんな場面だったかというと……我が相棒シモス、ご登場願おう!
シモス: *フンっ。*
フルミーネ: どれどれ……ヴィトルムダンサーの記憶……おおおお!湧いてきた!
ザンニー: これは「セルロイド録写」という共鳴能力。こうやって事件を特殊なフィルムにして、一定期間内に発生したすべての情報を記録できるんだ。
ザンニー: そして、そのフィルムを再生するには、彼の相棒の音骸、シモスの能力「投影再生」を使う。
フルミーネ: あった!これを見て!
ザンニー: 本当に城外へ出てるのか……困ったな。捜索範囲が広すぎるし、残像の対処も考えないといけない……
漂泊者:
アブ: (……お前、我をなんだと思ってるんだ?そんなのできっこない!あと眠いんだ……進捗があったらまた呼んでくれ……)
フルミーネ: ごめん。俺は自分の見たことしか記録できないから、これぐらいしか……
ザンニー: いや、助かったよ。少なくとも、フシュシュのようにあてもなく探し回らずに済んだ。他の方法を考えてみよう。
漂泊者:
漂泊者:
フルミーネ: ……そうですね……あっ!あったかも!これを見て!
ザンニー: なんてことを……
フルミーネ: その衣装、モンテリファミリー……?音骸の暴走と関わっているのか……
漂泊者:
ザンニー: ああ……カルネヴァーレでもないのにわざわざ仮面を被っていた。つまり、自分の身分を隠そうとしていたということだろう。
ザンニー: 確かに……モンテリファミリーがこういった仮面を被ることはそうそうない。しかも、カルネヴァーレでもないのにわざわざ仮面を被るなんて……
ザンニー: モンテリファミリーは「個人用デバイス」を普及させようとしている。こんな不祥事は誰よりも恐れているだろう。写真に映った人物が本当に音骸の暴走に関わっているのなら、こいつは……
漂泊者:
フルミーネ: 仮面の相談なら、ナイアーラを訪ねるといいよ。ラグーナで出回ってる仮面は殆ど彼女の作品だからね。この仮面もなかなか精巧な作りだし、特注品の可能性が高いと思う。
ザンニー: 一理ある。ただ貴族はプライバシーを大事にしているから、ナイアーラに聞くと無駄に疑われるんじゃないか?
漂泊者:
ザンニー: 何か思いついたの?それじゃ、「マスクド・レヴェリー」に行こう。
漂泊者:
フルミーネ: どういたしまして!
不安な侍祭: ああ、全知全能の歳主よ……
漂泊者:
不安な侍祭: ……これは歳主の怒りと警告……
不安な侍祭: 忘れるべきではなかった……10年前も、節度のない享楽が故に神罰を招いたというのに……
不安な侍祭: やはりフェンリコ様に従うべきだったのだ……
漂泊者:
不安な侍祭: ああ……遠方から来たお客様。10年前のカルネヴァーレは歳主の怒りを、神罰を招いた……しかし、その狂喜の下に蔓延る影と罪はフェンリコ様によって抑えられたのです!
ザンニー: 私も覚えている。あの年のカルネヴァーレでは、音骸の暴走をはじめとした恐ろしい事件が多く発生した。それから、主座がカルネヴァーレの開催を禁止したんだ。
ザンニー: とは言え、これはラグーナ人に忌み嫌われた過去……あなたが知らないのも当然か。
不安な侍祭: 音骸は神の使者!穢れに染まり暴走した挙句、人を襲うなんて……まさに神に不敬を働いた確たる証拠!
不安な侍祭: 我々は伝統への回帰を望んでいるのに、教団が今年のカルネヴァーレの開催を許してしまいました……お客様よ、我々と一緒に歳主の名を讃えてください。そうすることでのみ我々は救われるのです……
漂泊者:
不安な侍祭: 神より力を授かったものといえど、人を襲うことは許されぬ罪。あの穢れしものは起源信号塔の光輝によって浄化されるでしょう。逃げたものも、教団が捕獲し被害を最小限に抑えるつもりです。
ザンニー: 要するに、あれをデータドックに入れて初期化するということ。故障した音骸を修理する最も手っ取り早い方法だ。
不安な侍祭: お客様が音骸に襲撃された件に対し、深くお詫びを申し上げます……それでは、まだ教務が残っておりますので、お先に失礼いたします。
侍祭はぶつぶつと独り言を言いながらその場を後にした。
ザンニー: 役に立つような情報はないか……ただ思い出したことがある。同じ「暴走」というくくりにされているが、今回は10年前の暴走とは全くの別物だ。あのダンサーは意識がある状態で、明確な目的を持って行動していた。ただ騒ぎながら暴れだした音骸ではない。
ザンニー: ラグーナの音骸には「繋がり」があり、それを通じて暴走の症状は蔓延する。でも、今それは起こっていない。
ザンニー: これが「歳主の神罰」じゃないとしたら、もしかすると……
漂泊者:
ザンニー: ああ。事情を知らない教団に捕獲され初期化されたら、本当に手詰まりになる。
モンテリ区で調査を行う(任意)
ティモテオ: なあ、アントニオ。ここラグーナにおいては強い者が勝つ、違うかい?
アントニオ: ティモテオ、お前らフィサリアは契約を守る気はないのか?
ティモテオ: はっ……あのモンテリファミリーが、そんなくだらないことを気にするとは……
ティモテオ: まあいい……そんなことよりも、お前らの音骸が演じた茶番劇をはやく終わらせてくれよ。はははっ……
笑うフィサリアファミリーのメンバーが怒りを浮かべるアントニオの前から立ち去った。
アントニオ: あなたたちは……
ザンニー: どうも、アントニオさん。私は「アヴェラルド銀行」の従業員のザンニーです。
ザンニー: ご存知だとは思いますが、こちらは漂泊者。食事中に暴走したヴィトルムダンサーに襲われたので、私と一緒にその音骸について調べています。
アントニオ: あっ、あなたがあの……!申し訳ございません!ご無事で何よりです。情けない話、音骸の暴走について、我々もまだ何の情報も掴んでいなくて……
漂泊者:
アントニオ: はい、どうぞ。カルロッタさんから全力で調査に協力するよう指示をいただいておりますので。
漂泊者:
アントニオ: その話なら……先にラグーナの状況をお伝えしましょう。
アントニオ: ラグーナでは音骸を統括するデバイスを、すべて教団が管理しています。最初に音骸を教団のデータドックに集め、選別してから街に投入しているのです。
アントニオ: 実はごく一部の共鳴者にのみ「個人用デバイス」の携帯が許されているのです。ラグーナの殆どの人にとって「個人用音骸」は無縁の存在になっています。
アントニオ: それに加え、「起源信号塔」と充実した「公共音骸」があるため、わざわざ「個人用デバイス」を使う理由なんてないんです。
アントニオ: しかし、ここ数年である変化が訪れました。ラグーナと外を繋ぐ航路の開拓により、外の世界に興味を抱く人が増えてきたのです。確かに公共音骸を利用できない城外では、「個人用デバイス」は間違いなく心強い味方になってくれるでしょう。
アントニオ: そこで、日に日に増大するニーズに応え、我々モンテリファミリーは「個人用デバイス」の開発に取り掛かり始めました。まさに「必要は発明の母」という感じですね。
アントニオ: なかなか正当で素敵な事業ですよね?でも、これを始めた当初は、「教団への不信」だの、「歳主に対する不敬」だの散々言われましたよ。
アントニオ: ふん、俺に言わせれば、殆どがフィサリアファミリーの入れ知恵だと思いますけどね!
アントニオ: 我々が「カルネヴァーレ」の再開に力を入れるのも、「個人用デバイス」を普及させる好機だと考えているからです。これを機に音骸技術を皆さんに知ってもらえれば、需要や投資家の関心を引き起こすことができますからね。
漂泊者:
アントニオ: はぁー……ここからが本題です。フィサリアがモンテリと協力関係を持つ鉱石採掘業者を脅し、我々との契約を破棄するよう強制したんです。奴らはラグーナで最も大きい鉱脈を独占し、我々がデバイスを作るための供給網を断ちました。
アントニオ: ここ最近、連中がよくマーキュリー礼拝堂に通っていると聞きます。おそらく教団もそれに加担しているのでしょう……そうでないと、白昼堂々鉱脈を奪うことなんてできませんよ。
アントニオ: ただでさえ、そのことで焦っていたというのに、カルネヴァーレが迫る今、音骸が急に暴れ出したなんて……こうなってはファミリーの「エグゼキューター」も動き出すかもしれない……
アントニオ: もしかすると、カルネヴァーレの開催自体ができなくなってしまう可能性だってあります……はぁー、商売も大事ですが、カルネヴァーレを楽しみたいという気持ちは、我々も皆さんと同じです!
アントニオ: だから、俺達モンテリは必ず音骸暴走の真相を突き止めてやります……これ以上フィサリアファミリーの好きにはさせませんよ!
漂泊者:
アントニオ: なんと……でも、大事なお客様を我々のために奔走させるわけにはいきませんので……
漂泊者:
アントニオ: ありがとうございます!今は人手が足りずファミリーから協力者は出せませんが……お客様と契約を結びましょう。これは前金です。報酬はまた後日用意いたします!
ザンニー: 受け取った方がいいよ。人に仕事を依頼する時、ラグーナ人は必ず報酬を用意する。それを断れば、善意の有無を問わず「厳しい拒否」と見なされてしまうからね。
アントニオ: はい、どうぞお受け取りください。他に質問がなければ、俺はこれで失礼します。まだまだ仕事が残っていますので……はぁー……
アントニオはため息をつきながら歩き去った。その後ろ姿にはさっきより幾分重たい空気がのしかかっているように感じる。
ザンニー: 今までの情報から判断すると……モンテリファミリーには音骸を暴走させる動機がない。むしろ彼らはカルネヴァーレの開催を待ち望んでいる。
ザンニー: それに対して、フィサリアファミリーはずっと何かしらの妨害をおこなっているらしい。音骸の暴走も彼らが関わっている可能性が高い……でも、これほどラグーナ人が心待ちにしているカルネヴァーレを狙う必要はあるのか?
漂泊者:
ザンニー: なんだか、想像よりも大変なことに巻き込まれている気がする……
ザンニー: へえ……それがあなたの直感?
漂泊者:
ザンニー: ああ、そうだな。
「マスクド・レヴェリー」に向かう
若い女性: 「パフューム」と「パウダーパレット」と「ジュエリーセット」は入荷しましたか?
???: はい。用意できております。お持ち帰りになられますか?それとも今晩お宅にお届けしますか?
若い女性: それでは、配達……いえ、すぐに使うので、渡してちょうだい。
???: ……わかりました。少々お待ちを。今すぐ商品を持ってきます。
???: コスチュームと仮面の専門店「マスクド・レヴェリー」へようこそ。仮面も華麗な服も、観客の目を奪うような舞台道具も、何でも承ります——お客様はどんな商品をお探しですか?
漂泊者:
???: 失礼ですね。私はここにいるのに。まさか私、そんなに存在感ないの?それとも、お客様が見て見ぬ振りをしてるの?もしかしたら……今あなたの後ろに……
ザンニー: ナイアーラ、私には見えてるよ。あなたの手品なんてとっくの昔に知ってる。
ナイアーラ: もう、せっかく可愛いお客さんが来てくれたんだから、もう少し楽しませてよ。
ナイアーラ: それに、顔を「隠した」方がより仮面の美しさが際立つ、でしょ?
ザンニー: 客を怖がらせる方が悪趣味だと思うけどね。
ザンニー: 気にしないで。彼女はオンブラ・イルースィヴという共鳴能力をもっているんだ。こちらは漂泊者、モンテリファミリーの招待客で、カルネヴァーレで使う仮面に興味を持っているみたい。
漂泊者:
ナイアーラにフルミーネの記憶で見た仮面の詳細を教えた。
ナイアーラ: ……おや?なかなか具体的なご要望ですね。驚くほどに。
ナイアーラ: 当店はほんの少し前に、お客様のご要望と瓜二つの仮面の注文を受けております。
ナイアーラ: もし……カルネヴァーレがラグーナの人々が見る夢ならば、適切な仮面はその夢の入場券となる。
ナイアーラ: 素性の一切が隠されている時、人はその本性を現す——すなわち、よどんだ現実から解放されるということ。これが、私たちが舞踏会と戯曲を愛する理由なのです。
ナイアーラ: すでに似たような話を聞いているかもしれません——ラグーナでは仮面を被ると、その人の魂は自由を得られます。なので、当店の役割はお客様の「理想の自分」を顕現させるお手伝い、といったところでしょうか。
ナイアーラ: ——お客様が望んでいるのは、「この仮面」にお間違いありませんか?
漂泊者:
若い女性: ……素敵な仮面ですね。
若い女性: でも、先週ジルベルト卿もこれとよく似た仮面を受け取っていた気がしますわ。初めて仮面を注文するのであれば、ご自分の特質を反映させたデザインにした方が良いですよ。
ナイアーラ: ……よくご存じですね。
若い女性: それでは、私はこれで失礼します。
ザンニー: 面白い仮面を身に着けた人を見かけたから、気になって同じのを探していたんだけど……まさかフィサリアファミリーのジルベルトだったとは……
漂泊者:
ナイアーラ: フィサリアファミリーはリナシータで最も由緒あるファミリー。その先祖はリナシータで戦争を起こし、衰退してラグーナを出たという言い伝えがあります。
ザンニー: ファミリーの名誉より、自分の利益や好みを優先して行動するようなメンバーが多く、悪名高い輩も、歴史に名を残す偉人も輩出している賛否両論のファミリーだ。
ナイアーラ: 彼らは長い間縄張りから出ることがなかったのですが、ここ数年で多くのメンバーが屋敷を城内に戻し、なぜか鉱石事業にも手を染め始めました。強い後ろ盾を得たかのように、急に傲慢で横暴になって……
ナイアーラ: はぁー……ジルベルトさんの仮面、何十回も修正が入って……とても大変でした。
ザンニー: ……確かに彼らの変化は気になる。
ナイアーラ: お客様がモンテリファミリーに招待されている以上、同じ仮面の注文はおすすめしかねます。
漂泊者:
ナイアーラ: カルネヴァーレに個人用音骸を投入するかどうかをめぐって、モンテリはフィサリアと対立しています。
ナイアーラ: 確か……先ほどの騒ぎもモンテリの音骸の暴走が原因でしたよね?これで個人用音骸を推進するモンテリは、より不利になるでしょう。
漂泊者:
ザンニー: どうやらフィサリアファミリーが絡んでいるのは確かなようだね。
漂泊者:
ザンニー: わかった。フィサリアファミリーの屋敷はマーキュリー礼拝堂の近くにある。ついでに教団の人から手掛かりを探ろう。
ザンニー: えっと、仮面については……もう少し考えさせてほしい。ありがとう、ナイアーラ。
ナイアーラ: ふふ……お礼には及びません。ミスザンニーは大切なお客様ですもの。
ナイアーラ: こんな小さな装飾品に「隠匿」と「開花」の意味が込められている……とても魅力的ですよね。そう思いませんか?お客様の心にある「仮面」はどのような形なのでしょうか?
ナイアーラ: ……万華鏡のように眩しいこの夢は、いつでもお客様のために開かれます。またお越しください。
音骸船で「マーキュリー礼拝堂」に向かう
ザンニー: どうも、マーキュリー礼拝堂に行きたいのだけど。
船夫: わかりました。では船へどうぞ。
ザンニー: 歳主は暴風と高波を鎮め、海を行く者たちの命を救った……人々はそう信じている。
ザンニー: だから、火の灯った蝋燭に囲まれた歳主の彫像に皆敬意を払うんだ。
ザンニー: 信じるかどうかは自由だけど、不敬な言動はなるべく控えた方がいい。
アブ: これが歳主の彫像?なんか……思ってたのと違うな……
ザンニー: ここがフィサリアの屋敷だ。まずは……待て、あそこにいるのは……
ザンニー: 写真と似ている。まさか彼がジルベルト?
ザンニー: ついていこう。
ジルベルトの後を追い礼拝堂に入る
???: ジルベルト、例の件はどうなったかね?
ジルベルト: 順調ですよ、アレッシオ様。これも「花」のおかげです……
アレッシオ司祭: 注意したまえよ。過ぎた真似をすれば、要らぬ注目を集めてしまう。
ジルベルト: はい、もちろんです。
アレッシオ司祭: ……私の守りは、あくまでも一時的なもの。今でも抑えきれない力と声が漏れ出ている。
ジルベルト: そのための「団結」と「融合」ですよ。
ジルベルト: こうして信仰が「一つ」になっていくことを、神は望んでおられます。
ジルベルトを探す
アレッシオ司祭: 親愛なる客人よ。何かご用でしょうか?
漂泊者:
アレッシオ司祭: ジルベルト……?ああ、フィサリアファミリーの……
アレッシオ司祭: 彼は敬虔な信徒で、よく礼拝に来られる方なのですが、あいにく今日はお見えになっておりません。
アレッシオ司祭: あなたのことは聞いておりますよ。歳主に謁見したいのでしょう?歳主が行く道に興味をお持ちなのですか?
アレッシオ司祭: しかし、まだカルネヴァーレの本当の意味を、ご存知ではないようですね。これも良い機会、あなたに教えてさしあげましょう。
漂泊者:
アレッシオ司祭: カルネヴァーレと歳主の関係については既にご存知でしょう。では、カルネヴァーレの開催が何年も見送られた理由についてはどうでしょうか?
漂泊者:
アレッシオ司祭: 前回のカルネヴァーレは、天まで登る霧が街を覆い尽くし、幽鬼にも似た音骸が溢れ出しました。巨竜は咆哮をあげ空を舞い、海を渡る巨獣は荒れ狂う波を起こしたのです。
アレッシオ司祭: これぞまさに「神罰」……享楽に耽け、身勝手に振舞う人々への「神罰」なのです。
アレッシオ司祭: これは我々の「神の代弁者」、フェンリコ主座でございます。
アレッシオ司祭: 彼があのカルネヴァーレの際に立ち上がり、神の怒りを鎮めました。
アレッシオ司祭: ラグーナの偉大なる歴史は海との闘争と共にあり、その歴史には人々の協力と努力が記されています。
アレッシオ司祭: 隣人、ないしコミュニティの協力がなければ、土地の開墾も、島々の協力も机上の空論となる……共同の利益に基づいた集団がなければ、流れる水を御することなど叶いません。
アレッシオ司祭: やはり、人々は己が欲望に溺れないよう、「エゴ」に箍を嵌めるべきなのです。大いなる求心力と秩序は、式典と儀式でしか約束できないのですから。
アレッシオ司祭: 我々は道を踏み外した異端を駆逐しなければならない……「集団」の利益を損なった「個」に制裁を与えなければならないのです。
アレッシオ司祭: 長い間、我々はそれに力を注いできました。
漂泊者:
アレッシオ司祭: はは……もちろん、そんなつもりはございません。
アレッシオ司祭: 私が申し上げたいのは、教団のあらゆる行動は、慎重に検討されたものであるということ。
アレッシオ司祭: 我々は歳主の意思に基づいて、天上の浄土、至福の楽園を作るべく、民の団結を促しております。これは今も昔も変わりません。
アレッシオ司祭: 教団による裁きをどうか信じてください。我々は必ずや全ての問題を解決してみせましょう。
アレッシオ司祭: ……何!?モンテリがどうして……
アレッシオ司祭: 急用ができましたので、これにて失礼いたします。
アレッシオ司祭: 耳は虚実を、目は真実を映す。礼拝堂は自由にご覧いただいて構いません。我々は真実の追求を拒んだりいたしませんので。
アレッシオ司祭: ですが、設備を壊すような行動はお控えください。戒めを破った場合、異端者の烙印が押されるでしょう。
ザンニー: よっぽどなことでもあったんだろうね。客人をほったらかしにして、どこかへ行くなんて……
ザンニー: あの司祭……あまり誠実な人には見えなかった。それに、ジルベルトは消えるようにいなくなってしまった……
ザンニー: ここには隠し通路でもあるのか……?
漂泊者: ここを自由に見てもいいと言われている。徹底的に調べてみよう。
手掛かりを追う
マーキュリー礼拝堂を出る
手掛かりを追う
ザンニー: ここにこんな広い裏庭があるなんて……
ザンニー: ジルベルトを探そう。ここは二手に分かれようか。
スキャンでジルベルトを追跡する
手掛かりを追う
……あっちか?
庭の突き当たり……「懺悔室」だろうか?調べてみよう。
「懺悔室」に入る
フローヴァ: どうやら、道を見つけたみたいね。
フローヴァ: 焦らないで。最後に待つ答えを、私たちも見届けようじゃない。
フローヴァ: ……盛大な宴の幕が開こうとしている。
???: どうぞお上がりください。
???: 今日はどうされたのですか?
漂泊者:
???: その話に偽りはないのですか?
漂泊者:
???: 何について懺悔なさいますか?
漂泊者:
???: ……
???: ……己が罪を知ったのであれば、同じ罪を避けるよう努めてください。
???: さすれば、上に行く道も示されましょう。