溶けゆく夜空の下で
ストライダーゲート事件の後まもなく、コレクティブから収容されていたダーニャが目を覚ましたと知らされる。残星組織の次の動きを探り、新たな研究の手がかりを得るため、あなたは病室でダーニャと話し合うことになる。そして――誕生日を一緒に過ごすことを条件に、ダーニャはある「取引」を持ちかけてきた……
シグリカからのメッセージを見る
ダーニャの状況を確認する
ダーニャは夢から目覚める
ニヴォラ: 彼女の言った通りだ、幼き命よ……もしかしたら、まだ助けられるかもしれない。
ニヴォラ: お前の苦痛は彼女と異なっている。強くはしてやれないが、そう苦しむこともないだろう……
ニヴォラ: 死んだ鳥をいつまでも見つめるな、ダーニャ。
ダーニャ: どうして殺したんですか?
ニヴォラ: 価値なき個体は存続を許されない、分かっているだろう?これは慈悲だ。
ニヴォラ: 数時間前……お前は、この世界で初めてアレフ1の贈り物を受けた個体となった。教えてみろ、どのような感覚だ?
ダーニャ: 何もないように……感じるんです。
ニヴォラ: 虚無と暗闇か……ふむ、どちらも私たちにとっては旧知の仲。
ニヴォラ: なぜ震えているのだ、ダーニャ?何事も虚無より生まれている。親しみの感情を抱いても、おかしくないだろう……
ダーニャ: どうして……殺したんですか?
ニヴォラ: ふっ……意味を持たない自我意識、人の進化がもたらした悲しき誤り。
ニヴォラ: 顔を上げるのだ、ダーニャ。教えろ、その目には何が映っている?
ダーニャ: ……虚無と暗闇。
ニヴォラ: そうだ、その姿を覚えておけ。
ニヴォラ: 受け入れ、融合せねばならない。ダーニャ、それは世界がお前に贈る最初で最後のプレゼントだ。
テロップ
そして、いずれ我々は永遠の暗闇の中で再会するだろう。
ダーニャは夢から目覚める
ダーニャ: いや……
N.A.N.A.: バイタルサイン継続回復中。ヴォイドマター粒子の活性に異常なし――目標の周波数の調律は、まだ回復していません。第二プランを実行します。
N.A.N.A.: 聞こえてますか、ダーニャさん?
メッセージを見る
保健室に向かう
アブ: えっ……ダーニャ、体の調子は大丈夫なのか。
漂泊者: (ダーニャ……彼女が目を覚ますまで、残星組織は何も動きを見せていない。苦労して得た成果を諦めたのか、それとも別の企みがあるのか……)
漂泊者: とりあえず、状況を確認しよう。
依頼を受ける
アーリマン: 漂泊者さんが来ました。ええ……分かっております、学園長。ご安心ください。
アーリマン: すまない、漂泊者さん、突然呼び出したりして。私がメッセージを送ったアーリマンだ。今の状況は予想よりもまずいため、手短に話させてもらう。
漂泊者: ダーニャの様子はどうなんだ?
アーリマン: 目は覚ました。だが……我々が心配していた通り、残星組織による改造を受けている。
アーリマン: 彼女の周波数は目覚めた後、急速に衰え始めたんだ。ラベル学部の判断によると……残された時間は、もって1週間。
漂泊者:
アーリマン: 分からない。それが生理的な原因なのか、それとも……鳴式による影響なのかすら。
アーリマン: ネオユニオンはストライダーゲート事件とディマー・プレーンズに残った周波数の件で我々を訴えている。そこで、今すぐダーニャを送るように要求してきたんだ。
アーリマン: もちろん、我々は同意しなかった。彼女はスタートーチ学園の学生だ。ネオユニオンに送り帰しても、ただの「サンプル」として扱われるだろう……そうすれば、真相に触れるチャンスや訴えを退けるチャンスを永遠に失ってしまう。
漂泊者: 状況は理解した……訴えに反対したんだな。つまり、現状を打開する鍵はダーニャにあるってことか?
アーリマン: ああ。ダーニャと虚無の鳴式の関係性は、大いなる研究価値を持つ。ストライダーゲートが閉じた今でも、ヴォイドマター科学に新たな研究指標をもたらすだろう。
アーリマン: もう一方で、I.R.I.S.は我々の接触記録を分析した。その結果、ダーニャはディマー・プレーンズにいる鳴式の周波数の源を知っているようだ。自分がこうなった理由も知っている可能性があるらしい。
アーリマン: つまり、彼女が協力さえしてくれれば、ネオユニオンに最後通牒を出される前になんとかできる。我々は彼女を治療し、彼女は我々のレポート完成に協力する……本来ならば、ウィンウィンのはずだが……
漂泊者: どうやらスムーズに進行してないようだな。
アーリマン: ああ……彼女は私たちとの接触を拒んでいる。
アーリマン: そこで、あなたに協力してもらいたい、漂泊者さん……精神の安定は、周波数を安定させる必要条件だ。あなたは元々、彼女と付き合いがあった。それに……鳴式に対抗してきた経験と判断力は、交渉の成功に繋がる鍵となるだろう。
漂泊者: (ダーニャから突破口を見つけるのは、確かに悪くない案だ。だが、残星組織の計画も行方も分からない今、迂闊に決められない……)
漂泊者: 話をするだけなら構わない。だが、判断は現場の様子を見てからにしたい。
漂泊者: それと……今回の面会は記録しないでほしい。I.R.I.S.のデータベースにも。
アーリマン: ……分かった、では任せた。彼女の事情を知る人は限られている。それだけは保障しよう。
アーリマン: 漂泊者さん、ほかに何か確認したいことはあるか?
漂泊者:
アーリマン: 一応、方針は決まっている。あそこはヴォイドマターによる汚染が特にひどい。除去も調査も時間がかかるだろう。最近のスペクトルを分析したところ……あの周波数は彼女の体の調子と直接的な関係を持っているようだ。
病室に入る
漂泊者: (あの時、彼女が何かしらの理由で俺と緋雪を助けたにせよ……残星組織の計画の実行者であることに変わりはない)
漂泊者: (現状、組織長の計画について分からない部分が多すぎる……ここは慎重に動かないとな)
ダーニャと交渉する
漂泊者: ダーニャ。
ダーニャ: シグリカちゃんを見ましたよ。すごいですねぇ、漂泊者さんは。まさか本当に……あんなものを撃退しちゃうなんて。
ダーニャ: いつまで見つめてるつもりですか?お見舞いなのに、ケーキも果物も持ってきてくれなかったんですねぇ。
漂泊者: (どうやら鳴式の影響はもう受けていないようだ。ただ、この話しぶりは……)
漂泊者:
ダーニャ: もちろんですよ。私、もうすぐ死ぬんですよね?
ダーニャ: だって……ずっと昔、あの人は私にプレゼントをくれたんです。その時になったら、安らかな眠りにつけるように。
漂泊者:
ダーニャ: さぁ。でも……当然と言えば当然でしょう?猫や犬につけた首輪のように、彼らにも保険が必要だったんですよ。
ダーニャ: あぁ……猫や犬の例えは、少し違いますか。人を噛むような動物というより、今の私はただのラットでしょうし。
ダーニャ: 漂泊者さんも、ラットの説得に来たんですかぁ?
漂泊者: ダーニャ、今日ここに来たのは、俺自身の判断だ。
漂泊者: 確かに、一度は敵同士だった……だが――
ダーニャ: 相変わらず、真面目な人ですねぇ。
漂泊者: あなたを信じてみたいと思ってる。
ダーニャ: なるほど……もっと嬉しそうな顔をしたほうがいいですかぁ?
ダーニャ: だけど残念ですねぇ、漂泊者さん。あなたを信じる気はありませんよ。
ダーニャ: 私のあんな姿を見たうえで、そんな言葉が出てくるだなんて……私から情報を探るためでしょう?
漂泊者:
ダーニャ: 素直ですね。まぁ、嫌いじゃないですけど。
ダーニャ: はぁ……勘違いしないでもらえますか?あそこで死なれてしまったら、何もかもが終わりでしたから。
ダーニャ: でも、本当に知りたい情報があるなら、取引をしましょうか。
漂泊者: 取引?
ダーニャ: ええ、それぞれの求めるものを交換するんです。スペーストレック・コレクティブが欲しがっているものはあげられません。だけど、あなたが知りたいことだったら、教えられるかもしれないですよ。
漂泊者:
ダーニャ: 漂泊者さん……今週末、私の誕生日に付き合ってもらいたいんです。もう少しくらい、学園を見て回りたいので。
漂泊者: 今週末が誕生日なのか?
ダーニャ: 本当に誕生日かどうかは重要じゃないですよ。大事なのは、あなたの返事です。
ダーニャ: だって私には、残りわずかな時間しか残されていませんし?あらためて、整理しておきたいことが残ってますから。
漂泊者: (整理……その日、何かを企んでるのか?だが、今の状態では……)
ダーニャ: どうしましたかぁ?あなたが一緒でも安心できないなら、いっそ制限装置や爆弾を付けても構いませんよ。もう……今さらどうなってもいいですし。
漂泊者: ……俺が交渉してくるよ。
ダーニャ: 本気ですか?学園の人たちと……
漂泊者: コレクティブはあなたの正体を公表してない。少なくとも、その日は学生として過ごせるはずだ。
ダーニャ: (余計なことにまで気を回して……)
ダーニャ: ……分かりました。それじゃあ、約束ですからね。
ダーニャ: 安心してください。彼らの研究には付き合いますから。ただ、あまり期待されても困りますけど。
ダーニャ: ……だって、残星組織の組織長なら、私みたいな小物くらい簡単に始末できますし。
ダーニャ: まぁ、これ以上考えても仕方ないですよ。また週末に会いましょう、漂泊者さん。
ダーニャ: 漂泊者さん……まだ何か心配事でもあるんですかぁ?
漂泊者:
ダーニャ: あの人のことですか……本当の顔は私も見たことがないんですよねぇ。ひょっとしたら、とっくに死んでる可能性もありますよ?
ダーニャ: 気になりますかぁ?なら、取引が完了したら教えてあげますよ。
病室を出る
交渉の結果をアーリマンに伝える
アーリマン: 漂泊者さん、どうだ?協力してもらえそうか?
アーリマンにダーニャの条件を伝えた。
アーリマン: 学園で……誕生日を過ごしたい、と?
アーリマン: ……そうか、予想外の条件だ。
アーリマン: だが、それで彼女が協力してくれるなら、コレクティブ側としては真剣に応じたい。
漂泊者: 整理したいことがあるって言ってたな。本当の狙いが分からない以上、慎重に対応したほうがいい。
アーリマン: 分かった、すぐにでもリスク評価に入ろう。行動の詳しい段取りや安全保障案なども出しておきたい。
アーリマン: お疲れだったな、漂泊者さん。今週末の午後は空いてるか?あなたは指名された以上……
漂泊者:
アーリマン: 協力、感謝する。安心してほしい、漂泊者さん。段取りや保障案は、必ず万全にしておく。
アーリマン: 助力に感謝する、漂泊者さん!確かに今回はプライベートな頼みだが、すべてがスムーズに運ぶよう進めておこう。特殊な護衛任務とでも思ってもらえればいい。
アーリマン: 準備が整い次第、詳しい計画を送ろう。週末、また連絡する!
二日後まで待つ
メッセージを見る
駅でダーニャを迎える
ダーニャと合流する
アーリマン: 漂泊者さん、来てくれたか。段取りの詳細や人員リストは、そちらのデバイスに送っておいた。具体的な対策案なども見られるはずだ。
漂泊者: 細かいな。共鳴抑制装置や彼女と接触する人員リストの情報が入ってるが、合意済みなのか?
アーリマン: ああ、ダーニャ本人の望みだ。彼女のデバイスを使って、退院という名目で面会を計画した。ダーニャは今日、学生として彼らと接触する。
アーリマン: しかし、抑制装置は……今回の協力に対する保障だと彼女が言っていた。そのほうが公平だとか……実際、彼女の体の調子を考えると、もうどこにも必要はないんだが。
アーリマン: とりあえず、これを持っておいてほしい。何か合併症を起こした場合、これを飲ませれば少しは楽になるはずだ。
漂泊者: ダーニャの周波数減衰を防ぐ方法は見つかったのか?
アーリマン: いや……その薬は我々が新しく調合した安定剤のようなものだ。具体的な治療案は……なるべく早く検討結果を出そう。
漂泊者: (やはり、前にダーニャと会った時の態度からして……こうなることを予想してたようだな)
漂泊者:
アーリマン: ラベル学部の診断によると、問題は共鳴能力ではなく、共鳴者自身の調節機能が効かなくなったせいだとか……
アーリマン: いくつか仮説は立てているが、どれも検証中だ。今は結果を待つほかない。
漂泊者: (思ったよりまずい状況だな。鳴式の周波数に関する問題なら、ブラックショアがもっといい治療案を出せるかもしれないが……)
アーリマン: 研究のことで漂泊者さんの手を煩わすことはない。それより、今日はよろしく頼む。何かあれば、いつでも連絡してほしい。
ダーニャ: もういいんですかぁ?
アーリマン: ああ、いい1日を過ごせるように。
ダーニャ: それじゃ、今日はよろしくお願いしますよ、漂泊者さん。
ダーニャ: 私と誕生日を過ごしてくれるんですよね?深刻そうな顔をして、どうしたんですかぁ?
漂泊者:
ダーニャ: それはそうですけど、ずっと不機嫌そうな顔をしてるわけにはいかないでしょう……?学生の皆さんに感づかれてしまいますし。
ダーニャ: だって、今日の私はスタートーチ学園の学生ですから。
ダーニャ: そうですね……はい、私と同じように表情を動かしてみてください。口元を緩めて、眉と目をもっと自然に……
ダーニャ: そうそう、少しは笑ったほうが親切そうに見えますよ?
漂泊者: 笑うのはいいが、自分の立場は分かってるな。あまり――
ダーニャ: ……分かってますよ。
ダーニャの散歩に付き合う
ダーニャ: ふぅ、やっと少し気を抜けます――
ダーニャ: やっぱり、学生はいいですねぇ。そう思いませんか、漂泊者さん?
ダーニャ: そういえば、週末なのに人が少ないような……
ダーニャ: 私が来ることを知って、皆さん隠れてるんじゃないですかぁ?
漂泊者: ……
ダーニャ: その沈黙は肯定ですか?ちょっとは慰めてくれるのかと思いましたけど。
漂泊者: コレクティブは学園内の安全の責任を取る必要があるからな。
ダーニャ: はぁ……面白くありませんねぇ。
エレベーターを呼ぶ
下の階に向かう
ダーニャ: ここを下りれば……ガーデンエリアですよね?
漂泊者: ああ、ここでシグリカと面会する段取りになってる。
ダーニャ: ……ふっ、シグリカちゃんですか。
ダーニャ: 前に二人で買い物に出かけたの、いつでしたっけ……
ダーニャ: ここを下りれば……ガーデンエリアですよね?
漂泊者: ああ、ここでシグリカと面会する段取りになってる。
ダーニャ: ……ふっ、シグリカちゃんですか。
ダーニャ: 前に二人で買い物に出かけたの、いつでしたっけ……
エレベーターを起動
エレベーターがまもなく到着
ダーニャ: ここでエレベーターが壊れて、閉じ込められたりします?
漂泊者: その時は俺がエレベーターを切り裂く。
ダーニャ: ダメですよ、器物破損になりますし……
エレベーターを待つ
ダーニャ: もう着いたんですかぁ?速いですね。
漂泊者: 行くぞ、ダーニャ。
ダーニャ: えぇ……何だか、試験を受けに行くような感覚ですねぇ。
ダーニャ: もしもの時は、お願いしますよ……
ダーニャ: ……
ダーニャ: ……私と一緒に乗るのが、そんなに嫌なんですかぁ?
ダーニャ: 漂泊者さん、そこまで警戒しなくてもいいと思うんですが?
ダーニャ: まぁ、分からなくもありませんが……行きましょう。
ダーニャとガーデンエリアへ向かう
シグリカと出会う
ダーニャ: 漂泊者さん、その……少しゲーセンに寄りませんか?
漂泊者: シグリカを避けてるのか?
ダーニャ: ちぇっ、気づいてたんですか……
漂泊者: 自分で申請した段取りだろう。やめるなら俺が納得できるような理由を話してもらうぞ。
ダーニャ: 理由……す、少し具合が悪くなってきたので、とりあえず――
シグリカ: 先輩、ダーニャちゃん!
ダーニャ: !
ダーニャ: こんにちは、シーちゃん。待ちましたか?
シグリカ: ううん、わたしも着いたばかりだよ……あれ、なんで先輩も一緒なの?
漂泊者:
シグリカ: そっか。ダーニャちゃん、病室で何日も寝てるって聞いたんだけど……
ダーニャ: ちょっと――
シグリカ: えっ?二人って、そんなに仲良かったんだ……あっ、でもいいことだよね。少なくとも、ダーニャちゃんは出かけられるようになったし。
シグリカ: 保健室に行くと、いつもリューク先生に言われるの。「病人は安静にしていないと」って……体の具合はどう?
ダーニャ: とっくに治ってますよ……ふわぁ。ただ、寝る場所が違うせいか、よく眠れなかったですね。病室は自分の部屋ほど気持ち良くないですから。
シグリカ: よく眠れない、か……ここ最近、また悪夢でも見るの?前回の事件の影響を受けてる人が多いって聞いたけど……
シグリカ: ダーニャちゃんもヴォイドマターに侵蝕された後遺症とか残ってない?
ダーニャ: まさか……数日間、治ってないふりをしてただけですよ。すぐ授業に戻りたくないですし。
ダーニャ: 付き添いは漂泊者さんだけで充分ですよ。シーちゃん、大丈夫ですから。公園で白い鳥を撮りたいんでしょう?早く行かないと、いなくなっちゃいますよ……
シグリカ: 分かった……先輩も付いてきてね。
シグリカ: あのね、ニーヤちゃん。最近、撮影同好会がスタジオを申請しようとしてるみたいなの。
ダーニャ: まだ経費が余ってるんですか?まさか、この間の学園のイベントで取った賞で……
シグリカ: そうだよ。みんな、ニーヤちゃんにすごく感謝してるの。
写真を撮る
シグリカ: いつもよりあくびが多いね。やっぱり、後遺症が残ってるんじゃないの?
ダーニャ: そんなわけないでしょう。ただ、ちょっと部屋に籠もってたせいで、陽の光に慣れないだけですよ……
シグリカ: ダメだよ、ずっと部屋に閉じこもってたら。日向ぼっこしないと大きくなれないよ。
ダーニャ: えぇ、眩しいんですが……
シグリカ: 見て、撮影同好会の人もいるよ。ダーニャちゃん、挨拶しておく?
ダーニャ: 遠慮しておきましょうか……光学機器を弄る変人の集まりですから。彼らが賞金を取ったところで、私には関係ないですし。
シグリカ: そんなことないよ。ダーニャちゃんの協力がなかったら、今頃撮影同好会はなくなってたと思う。
漂泊者:
ダーニャ: 学園で宣伝した話ですよ……テーマは、「学園の幸せな瞬間」でしたっけ。どうしましたか?
漂泊者:
ダーニャ: 私はモデルですよ。豪華バイキングランチを奢る代わりに、写真を撮らせてほしいと言われたので……学園にも、たまにはいいことがあると思って受けたんですよ。
ダーニャ: それでせっかく朝ご飯を抜いて行ったんですが、ただの学食だったなんて……
シグリカ: でも、写真はすごく良かったよ。学食が作った『アザラシでも分かる入学パンフレット』の宣伝写真に使われてたね。
ダーニャ: あれは新入生をたぶらかすものでしょう。あの学食を食べながら、ずっと幸せそうな表情を維持するのは大変、というのが学園のモデルになった私の感想ですねぇ……それに、シーちゃんは知ってるでしょう。私が写真嫌いなことくらい。
シグリカ: そういえば……確かに。唯一の写真は、ニヴォラちゃんがどうしてもって言って撮ったものだよね。
シグリカ: あっ……ニヴォラちゃんといえば、今頃どうしてるのかな。
ダーニャ: ……シーちゃん。
シグリカ: うん?
ダーニャ: もう1枚撮りましょうか。
シグリカ: 本当?ダーニャちゃんから誘われたの初めてかも!
ダーニャ: 漂泊者さんも一緒にどうですか。ついでに……そのカメラも借りたいですし。
漂泊者:
ダーニャ: さぁ、撮りますよ――3――2――1――
シグリカ: チーズ!
ダーニャ: 写真、漂泊者さんのデバイスに保存しておきますね。今度印刷しましょう。
シグリカ: えっ?写真に例の白い鳥が……あっちに飛んでいったよ!
散歩をする
シグリカ: 未確認の希少種……噂に聞く、真っ白な鳥。
シグリカ: 目撃してから、はや1年……近距離からは一度も観察できてないの!
ダーニャ: はぁ……落ち着いてください。誰かの共鳴能力という可能性もあるでしょう……
シグリカ: そんなことないよ、ニーヤちゃん。また冗談を言って……
シグリカ: この方向に飛んでいったと思うんだけど……どこに行っちゃったのかな。
ダーニャ: 手分けして探しましょうか。シーちゃんはあっちを、私と漂泊者さんはこっちを探します。
シグリカ: そうだね。何か見つけたら、デバイスで連絡しよう!
シラトリを探す
ダーニャ: あの、白い鳥が緋雪さんの能力だってことをシグリカちゃんに教えたら、どんな顔すると思いますかぁ?
漂泊者:
ダーニャ: ……やっぱり、彼女でしたか。あの冷たい周波数は、結構印象に残りますし。
ダーニャ: ダメですよ!だって、緋雪さん……うぅ、結構怖くありませんか?気配を感じさせず、突然刀を持って現れますし……
ダーニャ: まさか……今日は、ずっとそうやって監視するつもりですか?
漂泊者: 緋雪は自分の責務を全うしてるだけだ。それに、実は優しい人なんだ。
ダーニャ: それくらい、もちろん知ってますよ……あなたと似てる部分を感じますから。
ダーニャ: でも、残念ですねぇ。私、そういう人が嫌いなんですよ。
漂泊者:
ダーニャ: えっ……もしかして漂泊者さん、実は私の気持ちが気になるんですかぁ?
ダーニャ: けど、ごめんなさい。そうやってストレートに聞かれても、教えませんよ。
漂泊者:
ダーニャ: はい、もうからかいませんから……シグリカちゃんはどうしてるんですかね。そろそろ合流しましょうか。
シグリカを探す
ダーニャ: 確か、こっちのほうへ向かってましたね…………どこに行ったんでしょうか。
電話ブースの外
シグリカ: 先輩たちのほうも見つからなかったの?……今日もダメなんだね。
ダーニャ: シーちゃんが生物学者だったら、とっくにソラリスに名を残してるでしょうね……
シグリカ: えへへ。卒業する前に、新種の鳥を確認したいだけだよ。
シグリカ: それよりダーニャちゃん、ずっと部屋に閉じこもってないで、少しは出かけないと。
ダーニャ: 勘弁してください。私はシーちゃんほど、走りや戦闘が得意なわけじゃないですから……
漂泊者: (戦闘が得意じゃないって、嘘だろう……)
ダーニャ: そういえばシーちゃん、前に家族と電話したいって言ってませんでしたぁ?電話ブース、今なら空いてるみたいですよ。
シグリカ: 本当だ、普段なら列ができてるのに……
ダーニャ: 早く電話しないと、家族が心配してるかもしれませんよ。私も漂泊者さんのデバイスを借りて、そろそろ「家族」の相手をしようと思ってたところですし。
シグリカ: 分かった……じゃあ、また後でね!
ダーニャと会話する
ダーニャと電話のことについて話す
ダーニャ: 安心してください。あなたが何を心配してるかくらい知ってますよ。あの時の出来事なら、全部覚えてます……あの人たちに連絡するわけないでしょう。
漂泊者: ……じゃあ誰にかけるつもりだ?
ダーニャ: こうしてるだけでいいんです。通信画面を適当に開いてシグリカちゃんを誤魔化しながら、しばらくここで待ちましょう。
漂泊者:
ダーニャ: そうですよぉ。全部、シグリカちゃんを安心させるための嘘です。でも、適当に口にした嘘のせいで、こんなに面倒なことをしなければいけなくなるとは思ってませんでしたけど。
漂泊者: こんなことを続けても、余計複雑になるだけだぞ。
ダーニャ: だって、本当のことを打ち明けるわけにはいかないでしょう。あんなに小さい子が笑顔を浮かべてる裏で、本当は色々抱え込んでるんですよ……友達として、安心させてあげたいじゃないですか。
ダーニャ: それに……こんなに純粋で可愛くて、信頼してくれる友達がいたほうが、正体がバレにくいでしょう?
漂泊者:
ダーニャ: ……少しくらいオブラートに包んでくれてもいいと思いますが。
ダーニャ: あれ、シグリカちゃんのおしゃべりが終わったみたいですね。そろそろ戻りましょうか。
シグリカと合流する
ケーキの注文を提案する
シグリカ: ちょうど良かった。そろそろ新作デザートを見に行こっ。
ダーニャ: やっとデザートの時間ですか……
シグリカ: ダーニャちゃん、どうして急に食堂のケーキが食べたくなったの?
ダーニャ: 行けば分かりますよ。
食料品およびエネルギー供給センターに向かう
食料品およびエネルギー供給センターでデザートを買う
ダーニャ: 今日の新作は、フロストワート団子にファーンスポアケルプクッキー、パインニードルライケン巻き、それからセールの魚缶詰の蒸しケーキ……
シグリカ: うーん、何とも言えなそうな料理だね……
ダーニャ: あの、これを全部組み合わせたら、ケーキになると思いますか?
シグリカ: ニーヤちゃん、なんでそんな恐ろしい考えが浮かぶの……?
漂泊者: (……味はともかく、確か計画案には食料の過度な摂取について書かれてたはずだ。ケーキのことは、やはりアーリマンと相談しておいたほうがいいか……)
漂泊者:
ダーニャ: わざと演じているだけですよ……シグリカちゃんが食べてくれさえすればいいので。
漂泊者: プロのデザート研究組織を知ってるぞ。本当にケーキが欲しいなら、あっちで注文できないか聞いてみようか。
漂泊者: どんな種類のケーキが欲しいんだ?
ダーニャ: あれ、本気で言ってますか~?じゃあ、レインボーパチパチキャンディー入りのケーキをお願いします。それと、トーチパインの実とカラカラも入ってるといいですねぇ。
シグリカ: ダーニャちゃん、ケーキにパチパチキャンディーを入れちゃダメだよ。まずは、ベースのフレーバーを選ばなきゃ……
ダーニャ: そうなんですね。それじゃあ……
ダーニャ: オレンジのケーキにしましょう。誕生日はシグリカちゃんと過ごす約束をしましたし、彼女はオレンジが好きなので。
ダーニャ: あっ……それから、さっき言った食材も全部乗せてくださいねぇ。
シグリカ: 決まった?ダーニャちゃん、どんなフレーバーにしたの?
ダーニャ: まだ内緒です。
漂泊者:
ダーニャ: 夜まで待つんですか……
シグリカ: 夜はちょっと……わたし、モーニエ教授の手伝いをする約束があるから、ドライブのほうに用事があって……
ダーニャ: ……
ダーニャ: 残念でしたね、シーちゃん。一緒に誕生日ケーキを食べたかったところですけど、残った分しかあげられませんよ。
シグリカ: 誕生日ケーキ……待って、今日ってダーニャちゃんの誕生日なの?だから、先輩も一緒に……
漂泊者:
シグリカ: それじゃ、モーニエ教授に連絡して――
ダーニャ: いいんですよ、シーちゃん。モーニエ教授の仕事も大事でしょう?
シグリカ: でも、1日くらい休みをもらっても……
ダーニャ: いえ、逃げたらダメです。
ダーニャ: これくらいで逃げてたら、シーちゃんが憧れてる人にはなれませんよ。
シグリカ: けど……ダーニャちゃん、いつもは「逃げてもいいんですよ」って言ってたよね?
ダーニャ: 慰めてあげてただけですよ。実は、みんなにも同じようなことを言ってましたし。
シグリカ: ううん。今日のダーニャちゃん、やっぱりおかしいよ。
シグリカ: 突然わたしを誘ったり、一緒に写真を撮ったり、誕生日だって教えてくれたり……逃げたらいけないって励ましてくれたり――どれも、いつものダーニャちゃんとは違う……
ダーニャ: シーちゃん、聞いてくださ……
シグリカ: 今日、わたしに隠し事してるよね?
ダーニャ: ……こんな時に限って察しがいいですねぇ、シグリカちゃんは。
シグリカ: ダーニャちゃんが聞かないでほしいなら、わたしは今までと同じようにするよ。
シグリカ: けど、ひとつだけ聞かせてほしいの……また来年も、ダーニャちゃんは誕生日をお祝いするでしょ。
ダーニャ: ……はい。
シグリカ: それじゃあ、来年の今日……わたしと一緒に誕生日を過ごしてくれる?
ダーニャ: いいですよ。
シグリカ: 来年は一緒にケーキを作ってくれる?
ダーニャ: 質問はひとつじゃなかったんですかぁ……?
漂泊者: ダーニャは今夜、検査があるんだ。後日、完全に回復してから――
シグリカ: 先輩もリューク先生と同じことを言うんだね。
シグリカ: 大丈夫、もう約束したから……じゃあ、今日は資料の整理を手伝ってくるね。
ダーニャ: 頑張ってください……シグリカちゃん。
シグリカ: お誕生日おめでとう、ダーニャちゃん!
ダーニャ: 疲れましたねぇ……正直、あの子のことは苦手でした。
ダーニャ: 最後の最後に、こんな空気になるなんて……私の言葉に従って、シグリカちゃんとは会わなければ良かったんですよ……
漂泊者:
ダーニャ: ……ズルいですね。こういう時に限って、急に優しくなるなんて。
ダーニャ: それにしても、漂泊者さんはすごいですね。そんな言葉を簡単に……きっと、何回もお別れを経験してるんでしょう?
ダーニャ: 強くて、優しくて……もう少しで、ときめいてたかもしれませんよ。
漂泊者:
ダーニャ: はい、これで休憩はおしまいです。最近、ずっと病室にいたから退屈だったんですよねぇ。漂泊者さん、今度は少しゲームに付き合ってくれませんか?
マインドダイブゲームルームに向かう
マインドダイブゲームルーム・1
ダーニャ: 色々ありますね……漂泊者さんはどれがいいですか?ちなみに……私はラハイロイブロックがやりたいです。
漂泊者:
ダーニャ: えぇ、本当ですか?……私、自分のやりたいゲームを伝えたと思うんですが。
ダーニャ: まさか漂泊者さんって、デートの時「それぞれ気になる映画を観て、終わったら集合しよう」って言っちゃうタイプですかぁ?
漂泊者: あなたとラハイロイブロックをやると、良くない記憶を思い出すから。
ダーニャ: そうですか……漂泊者さんの記憶力はすごいですねぇ。なら、そのゲームをやりましょう。
ダーニャと学食補完計画で遊ぶ
マインドダイブゲームルーム・2
ダーニャ: シグリカちゃんとは相性が悪かったみたいですねぇ……残念です。
漂泊者:
ダーニャ: 新しいゲームには疎いですからねぇ、私。漂泊者さん、やっぱりラハイロイブロックをやりましょう。
ダーニャ: どっちが高いスコアを出せるか勝負しませんか?実は、小さい頃からこのゲームが得意なんですよねぇ。
漂泊者:
ダーニャ: 良かったです。ありがとうございます、漂泊者さん~
ダーニャ: まだ根に持ってるんですか……?漂泊者さん、そうやって私の気を引いてません?
ダーニャとラハイロイブロックで遊ぶ
マインドダイブゲームルーム・3
漂泊者: 今日はシグリカに別れを告げたかったんだろう?
ダーニャ: その通りです……ケーキをプレゼントして、いい雰囲気になったところで話を切り出そうとしたんですが。
漂泊者: 話って誕生日か?別れの言葉か?それとも、ずっと騙してたことか?
ダーニャ: ……その全部と言いたいところですね。もっと怒られても、おかしくないと思ってたくらいですよ。
漂泊者:
ダーニャ: だって……もっと怒らせてしまえば、私がいなくなっても、悲しまずに済むと思ったんです……
ダーニャ: 「今の友達」が死ぬより、「友達だった」人が死んだほうが、受け入れやすいでしょう?
漂泊者:
ダーニャ: はぁ……これだから、あなたたちのような人は嫌いなんですよねぇ。
ダーニャ: 逃げてもいいところを、すべて背負い込んで……私はそういう生き方が嫌いです。
漂泊者: それでも、あなたはシグリカを励ました。
ダーニャ: 漂泊者さん、ズルいじゃないですか。私が話をしてる隙に、こんな高いスコアを取るなんて……
漂泊者:
ダーニャ: たまには何でもないところでわざとミスしたほうが、取っつきやすい人だと思われますよ。
ダーニャ: まぁ、残り時間は少ないですし、そろそろ行きましょうか……普段は文献センターに行くのが好きだったので、もう一度行っておきたいんです。
マインドダイブゲームルームを出る
文献センターに向かう
ナスターシャと会話する
ナスターシャ: ダーニャさん?ここ最近ずっと入院してるってアーリマンさんから聞いたけど、もう体は大丈夫なの?
ダーニャ: もう大丈夫なので、心配いりませんよ。
ナスターシャ: 前より顔色が悪そうね。やっぱり、もっと休んでおかないと。
ナスターシャ: そちらの方は……待ってください、あなたは漂泊者さんですよね……ダーニャさんと一緒にいるなんて、この子がトラブルを起こしたんですか……?
漂泊者: 起こしてない。今日はダーニャの誕生日だから、保健室の頼みで少し散歩に付き合ってるだけだ。
ナスターシャ: 本当ですか?そう言われると、余計心配になってきましたけど……
漂泊者:
ナスターシャ: ええ。ダーニャさんが入学して最初の週に、ここで居眠りをしていた時からの付き合いなんです。
ナスターシャ: 私がヴォイドストームのデータを集めてることを話したら、あの頼りなさそうな泡の能力だけで学園の外に行ったようで……もう、何を考えていたのやら……
ダーニャ: そんな前の話……やめてくれませんかぁ?
ナスターシャ: 今日くらいしかチャンスがないからね。もうすぐ、私は卒業しちゃうから。ダーニャさん、これからは強がってないで、周りに頼ってみるのはどう?
ダーニャ: 卒業?
ナスターシャ: はい、これを受け取って。ずっと渡す機会がなくて、困ってたの。
ナスターシャ: 前に言ってた、ロイ一族の童話集よ。知り合いに頼んで、印刷してもらったの。
ナスターシャ: 今日が誕生日だってことは知らなかったんだけど……まぁ、誕生日プレゼントだと思ってもらえたら嬉しいいかな、ダーニャさん。
ダーニャ: ナスターシャ、その手……
ナスターシャ: 前の出来事の後遺症なの。でも心配しないで、数年したら治るってリューク先生が言ってたから。
ダーニャ: あの時のヴォイドマターの侵食……
ダーニャ: でも、な、治るなら……ここを出る必要はないですよね?スペーストレック・コレクティブの技術があれば……
ナスターシャ: そうね。でもコレクティブから言われちゃった。これ以上、ここにいていい体じゃないって。ラハイロイの環境は、神経への侵食を加速するんだってね……
ダーニャ: そ、それでも……
ナスターシャ: まさか、自分の出した論文が、ここを出る理由を後押しするとは思わなかったけど。
ダーニャ: けど、言ってましたよね……ナスターシャは将来……
ナスターシャ: 「この手でヴォイドマター粒子の秘密を明らかにしたい」って?確かに、そんなことも言ってたよ……でもねダーニャさん、夢なんて実際は……
ダーニャ: いいえ、違いますよね。私みたいな人間でも知ってます――ここにいる皆さんは……
ダーニャ: 全員、協議書を交わしてますよね、ラハイロイから出るということは、つまり――
ナスターシャ: 負けを認めることになるって?そんなつもりはないわ。ひょっとしたら数年後、ネオユニオンから戻ってくるかもしれないし。まぁ、その時ダーニャさんは卒業しちゃってるでしょうけど。
ダーニャ: 違います。ナスターシャは優秀じゃないですか……こんな結末、間違ってますよ。
漂泊者:
ダーニャ: 全部、私のせいで……
ナスターシャ: ダーニャさん、今日はどうしたの?自分のせいだなんて……
漂泊者: ごめん、ナスターシャ。ダーニャは完全には回復してないんだ。そろそろ行かないと。
ナスターシャ: 分かりました。帰り、気をつけてくださいね。今日は少し様子がおかしいですし。
ナスターシャ: それと、誕生日おめでとう!ダーニャさん!
ベンチで休憩する
漂泊者: ダーニャ、大丈夫か。
ダーニャ: ……
漂泊者: 周波数がものすごく不安定だ。とりあえず、薬を飲んで俺に付いてきてくれ。
ダーニャと会話する
漂泊者: 少しは楽になったか?
ダーニャ: ……
漂泊者: (合併症が発症した時の周波数から考えると、アーリマンが言ってたよりもひどいな)
漂泊者: (このままだと、1週間すら持ちそうにない……まさか、今日を選んだ理由は……)
漂泊者:
漂泊者: ナスターシャは優秀だ。コレクティブとしても、そう簡単に手放したくないだろう。
ダーニャ: ……
ダーニャ: …………
ダーニャ: ……あなたの言う通りですね。今までずっと、私は自分を騙してきました。
ダーニャ: ごめんなさい、嘘をついてたんです。本当は、誕生日でも何でもありません。
漂泊者:
ダーニャ: だって……皆さん言ってるじゃないですか?誕生日は、人が生まれてきた証だって。
ダーニャ: 誰もが誕生日を持ってるんですよ……シグリカちゃんも、ナスターシャも……人の手で作り出されたTARD-Eユニットですら、誕生日がありますよね。
ダーニャ: なのに、私にはないんです。残星組織には私の誕生記録も、身分を証明できるものもないです。
ダーニャ: あるのは、忘れたくても忘れられない映像だけ。何度も何度も、夢の中で繰り返し再生される……
ダーニャ: あそこにいる私は、いつも同じ湖に足を踏み入れるんです。一人の女の人が、風の中で腕を揺らしながら泣いてました。
ダーニャ: いつも遠くから私を見つめる彼女は、「ダーニャ、ダーニャ……ダスヴィダーニャ」って叫んでるんです。
ダーニャ: だから、こうして名前と誕生日を手に入れたら、一人の人間として死ねると思いませんかぁ?
漂泊者:
ダーニャ: だって、私には時間がないんです。
ダーニャ: 何もかも間に合いません……それでも、私はまともな死に方を選びたかったんです。せめて「人間」らしく、責任を負って、きちんと別れを告げてから死のうと思いました。
ダーニャ: でも、残念ですねぇ。せっかくいい日を選んだのに、どうやって別れを告げればいいか、全然分かりませんでした。
ダーニャ: 私が得意なことは、ただひとつ……嘘をつくことだけ。
漂泊者: こんな結末で満足してるのか?
ダーニャ: 満足してるわけないでしょう?だけど、最後に皆さんがいつも通りの笑顔で、私に騙されるところは見られました……これで少しは、楽に死ねそうです。
漂泊者:
ダーニャ: これは……ただの、反射ですから。何もかもが消えて、また虚無に戻ると思ったら、いつも涙が出てくるんです。
ダーニャ: 何年も前から……初めてアレと接触した日から、ずっと……
漂泊者: あなたが死んでも、明日の太陽は変わらずに昇るだろう。
ダーニャ: それくらい分かってますよ。この世界が……私の死なんかで、何も変わらないことくらい。
漂泊者:
漂泊者: シグリカとナスターシャの人生は変わる、二人は大事な友達を失うんだ。いずれ立ち直るかもしれないが……失った人は、もう二度と戻ってこない。
漂泊者:
ダーニャ: 生きて、いいんですか?
漂泊者: ……俺には分からない。
漂泊者: だが……俺はリナシータであなたとよく似た人たちに出会ったことがある。
漂泊者: 作られた命の道のりで、幸福は一瞬で過ぎ去る存在に過ぎなかった。苦痛と恐怖だけが、いつまでも残り続ける。
漂泊者: でも、最後の最後になって……誰かに与えられた束の間の幸せのために、最後まで戦い抜くことを選んだ。
漂泊者: 前に俺をからかった時、「漂泊者さんは救世主ですね」と言ってたな。だが、リナシータで俺は……
漂泊者: 彼らを救えなかった。
ダーニャ: でも、それは……彼らが自ら選択を下したからじゃないですか……
漂泊者: ああ。あの時、俺を止めようとしたように、あなたも自分が思う最善の選択をしてる……あなたも彼らと同じように、一人でも多くの人が生きていけるように頑張っていた。
漂泊者: そして、それは俺も同じ思いだ。
漂泊者: だから……人間と造物の境界が曖昧だとしたら、俺たちが人間なのか造物なのか決めるものは、いったい何なんだろう?
ダーニャ: 私には……分かりません。
漂泊者: 心なんだ、ダーニャ。
漂泊者: 自身を定義するのは、出自じゃなくて自分の心なんだ。
ダーニャ: 心……
漂泊者:
ダーニャ: ここにあります。組織長が残したプレゼント――私の周波数の中に埋め込まれたページが、ここに。
漂泊者: これは、まさか……レビヤタンなのか?
ダーニャ: ……「たまには家に帰ってくるように」?
ダーニャ: ふっ、やっぱり……
ダーニャ: 漂泊者さんは、奇跡をもたらすんですね。
漂泊者: ダーニャ?
ダーニャ: それでこそ……私の大嫌いなタイプの人です。
漂泊者:
ダーニャ: ふむ、そうですね――
アーリマン: 漂泊者さん、激しい周波数の揺れを観測したぞ!二人とも大丈夫か?
漂泊者: 大丈夫だ、もうすぐ帰る。
アーリマン: そうか……お疲れだったな。
ダーニャ: アーリマン教授が待ちくたびれてるみたいですね。そろそろ帰りましょうか。
漂泊者:
ダーニャ: あっ……まったく、漂泊者さんはせっかちですねぇ。まだ早いですよ、もう少し待ってください。今は内緒です。
ダーニャ: それに、約束を果たしてないでしょう?ケーキがもったいないですよ。
ダーニャ: 今日が終わっても、漂泊者さんは一緒に出かけてくれますか?
漂泊者:
ダーニャ: それは、ちょっと困りましたねぇ。だって……私にもやらなきゃいけないことがありますから。
ダーニャ: ……今日が、1秒でも長く続いてほしいですね。
ダーニャ: 本当ですか。なら、安心しましたよ……何しろ、私にもやらなきゃいけないことがありますから。
ダーニャ: でも、漂泊者さんは考えたことがないんですか?私が生き延びて、ここにいるほうが、大きなリスクになるかもしれませんよ~?
漂泊者: もし、ここが自分に合わないと思ったなら、いつか――
ダーニャ: ストップ――ただの冗談ですよ。あなたの困った顔は見たくないですし。
ダーニャ: 安心してください。今日は誕生日ですから、どこにも行きませんよ。
ダーニャ: せめて……これがあなたに贈る最後の嘘になるといいですね。
ダーニャを駅まで送る
アーリマンと合流する
アーリマン: N.A.N.A.がダーニャを検査している最中だ。今日は本当にお疲れだったな、漂泊者さん。
アーリマン: 朝よりだいぶ調子が良くなっているようだが……先ほど観測した周波数の揺れは、何かあったんだろうか?
漂泊者: それについては……
組織長が残したページのことをアーリマンに伝えた。
アーリマン: リナシータの鳴式の残留?まさか、鳴式たちは互いを利用することもあるのか?……残星組織は、そんな手段で彼女をコントロールして、能力を抑えていたのか?
アーリマン: 道理で症状の根源が分からないわけだ。本当に助かったよ、漂泊者さん。
漂泊者:
アーリマン: ……数日前と同じ扱いになる。ネオユニオンに送られることはないが、収容されながら研究に協力してもらわなければならない。
アーリマン: あなたの考えていることは分かっている。漂泊者さん……今日、あなたたちの行動や現場からの報告には、ずっと注目していた。
アーリマン: 彼女も被害者だってことは、皆が分かっている。しかし、コレクティブ側の仕事や責任に変わりはない。
アーリマン: 今のところ、良い案は出せそうにない。これが現実だ。
漂泊者:
アーリマン: ああ、まだ取りに行っていない。ザヒーラのほうにある。ダーニャが注文したカラカラは、ザヒーラしか扱ってなかったんだ……
アーリマン: あなたと一緒に誕生日を過ごしたいと望んだ以上、そのケーキはあなたが持っていったほうがいいだろう……私たちはここで待つ。
アーリマン: 学園で授業を受け持っていた頃、いつも居眠りをしていた問題児がいてな。
アーリマン: 当時の私は、意図的にその子を指名して、問題に答えてもらっていた。何しろ、その行動の意味をまるで分かっていないように感じたからだ。
アーリマン: 後になって、ナスターシャというティーチングアシスタントが彼女のために頼み込んできた。ダーニャは安心できる場所でしか眠りにつけないのだとか……授業の成績が悪くないことに免じて、許してあげてほしい、と。
アーリマン: ……あの子がヴォイドマター学部の多くの人に協力して、データの採集を手伝っていたことは分かっていた。しかし、どうしてそんなことをしてるのか理解できなかった。
アーリマン: 皆が皆、科学研究の夢を追い求めているというのに、あの子は寝てばかり。まさか、研究助手になるのが夢だとでも言うかのように。
アーリマン: ……そして、鳴式事件が起きてから、ようやく理解した。
アーリマン: 正直、先ほどあなたにメッセージを送った時……彼女を連れてラハイロイから出て、誰にも見つからない場所へ行くと言われる可能性を、一瞬考えてしまったんだ。
アーリマン: ……ははっ、漂泊者さんで本当に助かった。もしそうなっていたら、今度こそ私たちは終わりだ。
ザヒーラの所に向かってケーキを受け取る
ザヒーラ: オーダーメイドの誕生日ケーキですね?少々お待ちを……
漂泊者: (ダーニャが言ってた、やらなければならないことって……もしかして、ディマー・プレーンズにある鳴式の周波数か?)
漂泊者: (コレクティブにダーニャを見つけさせるのが組織長の計画の一部だとしたら、まさかページが分離されたのも計画のうちなのか……?)
漂泊者: (視点を変えてみよう。もし俺がダーニャだった場合……)
ダーニャ: 「安心してください。今日は誕生日ですから、どこにも行きませんよ」
デバイスを見てみると、現在時刻は0時15分のようだ。
ダーニャの誕生日は過ぎていた。
ザヒーラ: こちらになります……少し遅くなってしまったかもしれませんが、気持ちは充分伝わるはずだと思います。
I.R.I.S.: 漂泊者さん、ダーニャさんは今、スタートーチ学園を出て、ディマー・プレーンズに向かっています。
漂泊者:
I.R.I.S.: 共鳴能力を使ったようです。プラットホームで残留しているヴォイドマターの粒子を検出しました。アーリマン教授も、彼女の泡に閉じ込められていました……幸い、怪我はしていないようですが。
I.R.I.S.: しかし、彼女は共鳴抑制装置や位置情報特定装置を外していません。今すぐ緊急予備案を起動しますか?
漂泊者: ……いや、彼女の位置情報を共有してくれ。
I.R.I.S.: はい、データを共有しました……成功を祈っています、漂泊者さん。
漂泊者:
緋雪(ひゆき): 止めたとも。
緋雪(ひゆき): しかし、彼女の体調は非常に悪かった……無理に止めたところで、死んでしまうであろう。
漂泊者:
緋雪(ひゆき): 木は育ち、葉も茂るものだ……漂泊者よ。
緋雪(ひゆき): あの子は、大人として決断を下したに過ぎぬ。
スタートーチ学園に戻り、情報を整理する
まぶたが重くなり、眠りにつこうとしたところで、あの時に戻ったような感覚になった。
漂泊者: ダーニャ……記憶の中の光景について、何か手がかりはないか?
ダーニャ: ありませんねぇ。
ダーニャ: あれは、ただの映像ですよ。もしかしたら、小さい頃に見た映画の一部かもしれません。
漂泊者: ……だが、まだチャンスはあるはずだ。
ダーニャ: なぜかナスターシャの言葉を思い出しちゃいました。
漂泊者: どんな言葉だ?
ダーニャ: 「顔を上げてみて。何を見たの」、漂泊者さん?
漂泊者: ……ラハイロイの夜空。
ダーニャ: そうですね。でも私の答えは、虚無と暗闇でした。
漂泊者: 彼女はどんな返事をしたんだ?
ダーニャ: 「あれは光が闇に抗ってるのよ」って言ってましたね。
ダーニャ: それで私は、「見たところ、闇が優位に立ってるみたいですよ」と返しました。
漂泊者: だが……ラハイロイは本来、暗闇に包まれていた。光が生まれたのは後のことだ。
ダーニャ: ふふっ、彼女とまったく一緒の返事ですねぇ。
漂泊者: つまり、光の勝ちだな。
ダーニャ: その通りです、漂泊者さん。
ダーニャ: 最後まで諦めずに頑張れば、物語はきっといい結末を迎えられる……ですよね?