雨が空に墜ちる頃に

謎は解かれた。しかし、新たな謎はその先にある。黒雲は傾き、じきに暴雨が来る。令尹の導きに従い、「黒海岸」という組織の手がかりを探すべくあなたは、また旅に出る。

秧秧、熾霞と合流

秧秧(ヤンヤン): ……わかりました。

秧秧(ヤンヤン): 私も感じます……流れ息に潜む微かな不安を……。

秧秧(ヤンヤン): 今州に……何かが起きています。

熾霞(シカ): あ、漂泊者だ!おかえり!

漂泊者:

白芷(ビャクシ): 研究院が大量の無音区異常を探知した。城外に向かうつもりなら注意して。

漂泊者:

白芷(ビャクシ): デバイスの手入れは丁寧に。それと配布された防護装備も忘れずに。

白芷(ビャクシ): あと体には気を付けて。それじゃ、私実験があるから。

漂泊者:

熾霞(シカ): まぁ、白芷っぽいね。でも、気遣いが下手な感じもなんか可愛い!

熾霞(シカ): まあ、いつものことだって。それより漂泊者!何があったのか教えて!

「角宿」失踪以外の会話内容を説明した。

熾霞(シカ): 残星組織フラクトシデスの野郎……本っ当にムカつく!

漂泊者:

漂泊者: 忌炎と令尹、それと「角」はどういう関係にある?

熾霞(シカ): 関係?うーん、あたしは知らないなあ……忌炎将軍って確か、軍医だったんだよね?

秧秧(ヤンヤン): はい。……ですがお二人の「関係」をお話する前に、少し今州の歴史について紹介する必要がありますね。

秧秧(ヤンヤン): 劇場近くにいる講談師から聞いた話ですが……

熾霞(シカ): そんなことがあったのか……。

漂泊者:

熾霞(シカ): そりゃあ……何か秘密の選抜基準でもあるのかな?

秧秧(ヤンヤン): ……人と神の間にある絶対的な違いが生み出す、不可知の基準みたいなものがあるのではないでしょうか?

熾霞(シカ): うーん、たしかに。明日突然「角」があたしを令尹に選んだとしても、別に驚かないしな!

漂泊者:

秧秧(ヤンヤン): おっしゃりたいことはわかります、漂泊者さん。

秧秧(ヤンヤン): 本来青春を謳歌すべき時に何の前触れもなく令尹に選ばれてしまった彼女……一体どういう心境なのでしょうか……

秧秧(ヤンヤン): 確か……着任してすぐは、その能力を疑う声も多く聞かれました。

秧秧(ヤンヤン): まだ政治を知らない子供だから……実績があっても人を従わせる威厳には欠ける……そんな批判の声です。

秧秧(ヤンヤン): 結局彼女を信じた人たちは、ただ「角の選択を信じた」だけなのかもしれません。

熾霞(シカ): 実際、「角」も中々人を見る目があると思うよ?これまでの令尹たちはみんな、全知全能、文武両道!だからね。

熾霞(シカ): こんな短期間で今州を発展させた令尹は、きっとすごい人に違いない!

熾霞(シカ): あたしだったら書類の作成だのサインだのって聞いただけで、頭が爆発しちゃうよ……。

熾霞(シカ): えと、なんだっけ……そうだ!「大物の器」ってやつだよ、今の令尹は!

秧秧(ヤンヤン): もしかして……令尹様から、漂泊者さんに関わる手がかりが得られたのですか?

漂泊者:

熾霞(シカ): 北落野原!?あそこは昔の戦場だよ!?

秧秧(ヤンヤン): 漂泊者さん……今の北落野原は鳴式と戦う最前線……とっても危険な場所です。行くとしても、慎重にお願いします。

講談師: 次の講談までもう少し掛かります。暇でしたら、ご本でもいかがですか?

漂泊者:

講談師: ふむ、「湾刀の戦い」ですね。

講談師: 講談である以上、主観的な視点で、物語に起伏を与える必要がございます。

講談師: しかしこの「湾刀の戦い」だけは、脚色する余地が見当たりません。ただ、見たまま、聞いたままを語るだけですよ。

講談師: それでも、この話の迫力が損なわれることはありません。

講談師: 哥舒臨将軍は、本当に極悪非道の大罪人ですか?忌炎将軍は本当に、完全無欠の英雄ですか?

講談師: 急に降り出した「雨」。「角」の動機と決断……その真意や如何に……

講談師: 全ては観客である我々の一存ですね。ははは……

盆栽屋の店主を探す

林素(リンソ): おや?熾霞ちゃんと、秧秧ちゃんだね?今日は、講談を聞きに来たのかい?

熾霞(シカ): へへっ!それだけじゃない。今日は、ある友達と一緒に来たんだ、林ばあさん!

熾霞(シカ): じゃじゃーん!残像を素手で千切る!烈火を浴びようがビクともしない!どんな強い相手もデコピン1つでやっつける……人呼んで、漂、泊、者!

漂泊者:

林素(リンソ): そうかそうか!あなたがあの「漂泊者」。若いのに強いだなんて、羨ましいねえ……。

林素(リンソ): ははは……別に気にしてないよ。熾霞は昔からこんな子だからね。

林素(リンソ): あらまぁ~口もうまいのね!

熾霞(シカ): 今日はね、物知りの林ばあさんに、ちょっと聞きたいことがあって来たんだけど……。

漂泊者:

秧秧(ヤンヤン): この黒い花についてなのですが……。

林素(リンソ): うーん……今州に生えてる草花ならすぐわかるはずだけど……これはどう見ても違うわねぇ。

林素(リンソ): それに、今州に伝わる植物図鑑にも、こんな奇妙な花は載っていないよ……。

熾霞(シカ): そんなぁ……林ばあさんでもわからないのかぁ……もうお手上げだよ……。

林素(リンソ): よしてくださいな、熾霞ちゃん。もう一人、植物に詳しい共鳴者がいるでしょ?

秧秧(ヤンヤン): 遠方から今州に来たという、あの子のことでしょうか?よくお店でもお手伝いしてますよね。

林素(リンソ): そうそう!あの子はと~っても働き者で、植物にもと~っても詳しいから、い~っつも助けられているのよね。

林素(リンソ): 背も低くて優しくて……笑う時のお目目なんかもキラキラで……本当に綺羅花みたい!

林素(リンソ): 「綺羅花ちゃん、ご飯だよ」って呼ぶと返事までしてくれて……もう、ほんっと可愛い……!

漂泊者:

林素(リンソ): 今は多分……裏山で生態調査をしてるはずよ。

林素(リンソ): 元はといえば私が悪いのよ……デバイスとか、通信とかよくわからなくて……。年は取るものじゃないわね……。

林素(リンソ): 今は多分……裏山で生態調査をしてるはずよ。

林素(リンソ): もう……私の孫娘だったら良かったのに……

林素(リンソ): 今は多分……裏山で生態調査をしてるはずよ。

林素(リンソ): この前、裏山に花畑を作りたいって何気なく言ったら、こうやって実地調査をやってくれてね……。

林素(リンソ): 広場を出ると、滝が見えるでしょ?その方向に真っ直ぐいけば裏山に行けるわよ。

秧秧(ヤンヤン): わかりました。ありがとうございます、林ばあさん。

林素(リンソ): どういたしまして。またいつでもいらっしゃいな。

今州城広場後ろの滝に向う

秧秧(ヤンヤン): この道は裏山への近道なんです。滝の裏を抜けると……今州城の背部、屏庭山に着きますよ。

滝を通り抜ける

秧秧(ヤンヤン): この花は……道案内してくれているのでしょうか?ついて行ってみましょう!

花の導きに従う

秧秧(ヤンヤン): 花の橋ですね……綺麗……。

ヴェリーナ: あの……どうかしましたか?

漂泊者:

ヴェリーナ: あっ、す、すみません!まずは自己紹介ですよね!瑝瓏の慣習ですから……。

ヴェリーナ: わ、え?林ばあさん以外にそう呼ばれるの、初めてです……。

ヴェリーナ: あっ、す、すみません!まずは自己紹介ですよね!瑝瓏の慣習ですから……。

ヴェリーナ: あ、あの……ご高名はかねがね伺っております……!わたくし、ヴェリーナで……ございます……!今日はこうしてお会い出来て……“歓迎”、ですっ!……あれ?

漂泊者:

ヴェリーナ: すっ、すみません!実は私、ネオユニオン育ちで、こちらの言葉にあまり詳しくなくて……。

ヴェリーナ: すっ、すみません!実は私、ネオユニオン育ちで、こちらの礼儀にあまり詳しくなくて……。

ヴェリーナ: ……?そうなのですか?でもあの子は、あなたが好きと言っていましたよ……?

ヴェリーナ: 植物は噓をつきません。私は信じてます。だから、あなたたちも悪党なんかじゃありませんね。

熾霞(シカ): こんにちは、ヴェリーナちゃん!あたしは熾霞!こっちは秧秧!あと、漂泊者!今日は林ばあさんの紹介で来たんだ!

ヴェリーナ: あなたたちのことは林ばあさんから聞いています。この子たちも普段はばあさんの案内をお願いしてるんですよ。

ヴェリーナ: ところで皆さん何かお困りですか?お手伝いしますよ?

秧秧(ヤンヤン): 私たち、ある特別な花を探しているんです。

漂泊者:

ヴェリーナ: ふむふむ……たしかに特別な花ですね。こういう真っ黒な花は、大抵誰かによって手を加えられたものですが、自然の中で咲くものもごくわずかにあります。

ヴェリーナ: そうですね……形と性質から考えると……

ヴェリーナ: 鳶尾花アヤメ」……花びらの形はこの黒い花と近い楕円形ですが、花の外側の部分が違いますね……。

ヴェリーナ: ええっと、「紺菫スミレ」は……花びらの形が明らかに違うのでハズレですね。

ヴェリーナ: うーん、「崖仙子ドッコンソウ」は……花蕊がもう少し短いし、花びらの数も1枚少ない……。

ヴェリーナ: あと「レモングラス」と呼ばれる、ネオユニオンの植物があります。瑝瓏の皆さんにはあまり馴染みがないものですね。

ヴェリーナ: 花蕊の長さは一緒ですが、円錐形に花が咲くことを考えると……これも違いますか……。花冠もラッパ状ですし。

ヴェリーナ: ……忘れるところでした!「金陽鳳オオゴチョウ」です!花びらの枚数、花の形状、あと花蕊の長さも近い!

ヴェリーナ: ——あ、でも……金陽鳳オオゴチョウには特徴的な花柄があります。この黒い花のものとは違いますね……。

熾霞(シカ): 知らなかった……これは勉強になったね……。

ヴェリーナ: とにかく!この黒い花は本当に特別で、似たような植物はほとんどありません。

ヴェリーナ: だから、これは人工的に作られた新種なのではないでしょうか?

ヴェリーナ: それに、この十字の花冠……微かに反響エナジーの影響が見られます。

ヴェリーナ: 恐らく、これは珍しい「反響植物」で……共鳴能力に影響された植物なのかもしれません。

ヴェリーナ: でも写真だけでは、どんな土地で、どんな共鳴能力に影響されたのかまでは判断できないですね……。

熾霞(シカ): うーん……こっちも手詰まりかあ。花の性質はわからないし、花を身につけた人は見つからないし……。

熾霞(シカ): あ、だったらさ……あたしがこの花を持ってれば、その組織の人だって思われないかな?

秧秧(ヤンヤン): ——熾霞、今のもう1回!

熾霞(シカ): え?どしたの?あたしはただこの花を身につけたら、組織の人に間違われるんじゃないかって……。

秧秧(ヤンヤン): この黒い花は黒海岸ブラックショアメンバーの証……メンバーでしたらすぐに気づくはずです。

秧秧(ヤンヤン): でも一般人には、ちょっと変わった花にしか見えない……

秧秧(ヤンヤン): なので、黒海岸ブラックショアのメンバーが今州城に居たら、この黒い花を身につけてるだけで、向こうから接触してくるかもしれません。

熾霞(シカ): あぁたしかに……。でも、この黒い花って作れるものなの?

ヴェリーナ: あ、あの……形だけでしたら、一応作れますよ……。

ヴェリーナ: 例えば……こう……。

熾霞(シカ): まじか!?すごいすごい!写真のまんまじゃん!

ヴェリーナ: そ、それほどでも……あはは……。

熾霞(シカ): や、ホントすごいよ!ね、もう1回やってみて!もっと見たい!

秧秧と話す

秧秧(ヤンヤン): 漂泊者さん、気付きましたか?

秧秧(ヤンヤン): さっきから、見たことのない黒い花びらが落ちてきてます……。明らかにヴェリーナさんが作った物ではありません。

秧秧(ヤンヤン): それに流れ息も乱れている……誰かいます。

漂泊者:

秧秧(ヤンヤン): 別行動なんてダメです、危険すぎます。

漂泊者:

秧秧(ヤンヤン): ……わかりました。私は熾霞と一緒に黒花を付けて、黒海岸ブラックショアメンバーを探してみます。

秧秧(ヤンヤン): 漂泊者さん、くれぐれも用心してください。何かあったら、すぐに連絡をお願いします。いいですか?

熾霞(シカ): ね、漂泊者も見たよね?この花、ヴェリーナちゃんが素手で「ぽっ」って作っちゃったよ!

熾霞(シカ): それにそれに!ほら、写真のとそっくりじゃん!

ヴェリーナ: それほどでも……ただ、ちょっとだけこういうのが得意なだけで……

熾霞(シカ): ねね、もう一個出してみてよ!あたしもほしい!

ヴェリーナ: も、もう一回やってみますね……

熾霞(シカ): おお……なるほど。さっきヴェリーナちゃんがもう一個作ってくれたから丁度使えるね!

熾霞(シカ): 誘い出すなんて余裕余裕。あたしに任せろ!

秧秧(ヤンヤン): ヴェリーナさん、あなたも遅くならないうちに帰ってくださいね。

漂泊者:

ヴェリーナ: そう……ですね?あ、でもまずは道具を片付けないと……。

音源を探す

漂泊者: (……残星組織?何故こんな所に……?)

残星組織メンバー: くそぉ!あの女、俺たちの邪魔ばかりしやがって……ああ!お前も目障りなんだよ!

漂泊者: (倒すしかないようだ)

漂泊者: (変な音が断続的に聞こえる。というか、こちらに向かっている?)

尾行者を引き出すため、適切な位置に着く

漂泊者: (ここから上がれば尾行者の裏を突ける)

漂泊者: (まずは隠れて……)

ツバキ: どこかな~?

漂泊者: 俺を……探してる?

ツバキ: 見・つ・け・た。

??: 貴方、本っ当に面白いねぇ。

漂泊者:

??: やぁ~なにそれ~。捕まったら言いなりになるゲーム、なのかな?

??: きゃははっ!怒った?怒っちゃった?なぁ~んかねえ、貴方に構ってもらうと楽しくなっちゃうの。

??: こんな気持ちになったのは初めて。貴方のこと……もっと知りたくなっちゃった♪

漂泊者:

??: は~い。えっとねぇ、貴方は……黒海岸ブラックショアが指名した「ターゲット」なんだよ。

漂泊者:

??: そう。私は黒海岸ブラックショアの「花持ち」。

??: この黒い花は「花持ち」の証……世界を救う責任と、使命だったかな?

??: そんな感じのやつ。

漂泊者:

??: ふむふむ、目的ね……「賢人をたくさん集めて、救世を果たす」だっけ?

??: どう、興味ある?

漂泊者:

??: 私は興味ないよ。だってそんなの楽しくないもん。

??: 私はねぇ……強いやつを追っかけてぇ……戦ってぇ……それでボコボコにしたい!自由気ままに……欲望に忠実に……!

漂泊者:

??: って、ホントはやりたいけど……その前に「仕事」もこなさなきゃね?

??: 「庭」黑海岸には無数の「種」があるの。その中でも貴方は特別……。

??: 私は、そんな「種」を守って、育てるのが仕事。

??: んで、実った果実が熟れたら……この手でもぎ取ってぇ……食べ尽くすの……。

漂泊者:

??: テティス文明演繹サンドボックスの演算通りね。貴方の中に秘められているその力……いつか最高の果実が実ってしまうわ……。

??: あはっ……その冷たい口調も素敵。またいじめたくなっちゃう……

??: 冗談。うふふっ……

??: とにかく。私は特に危害を加えるつもりはない。

??: むしろ逆。しつこい虫けらを払ってあげたのは、私なんだよ?

??: だから残星組織フラクトシデスなんかと一緒にしないで。あんな連中の立場なんてどうでもいいけど、私のお気に入りにちょっかい出すんだったら容赦しない。

??: それに奴ら、少し「からかった」だけであんなに逃げ惑うなんて……つまんない。

漂泊者:

??: あれ?気付かなかった?

??: あの龍の小娘とのデートで何も起こらなかったのは、私が残星組織フラクトシデスの奴らと遊んでたからなんだよ。

??: ……ねえ、こんなに答えてあげたんだから……そろそろ、私の番じゃない?

漂泊者:

??: いや?別に知りたい事はないよ。

??: ただ、そんな目で見つめられたらぁ……うふっ、何でもない……

??: ……

漂泊者:

??: ……変に押さえつけられたから、貴方の質問に……答えてあげたんじゃない。

??: 私は、貴方に何かを求めてるわけじゃない……いい?

??: とにかく、私はこれからも貴方をお世話し続けるわ。何よりも特別な、大切な「種」だから……。

??: それに、貴方からは懐かしい匂いがする……

ツバキ: 「ツバキ」よ。

ツバキ: 次は、もっとしっかり逃げてよね?

漂泊者: 速い……。

秧秧(ヤンヤン): 漂泊者さん?遅かったですね。何か問題でもありましたか?

漂泊者:

秧秧(ヤンヤン): 敵と会ったのですか!?怪我は!?

漂泊者:

秧秧(ヤンヤン): 黒海岸ブラックショアの……?それで、何か情報は掴めたのですか?

漂泊者:

秧秧(ヤンヤン): そうですか……ですが、無事で何よりです。

秧秧(ヤンヤン): そうですか……ですが、無事で何よりです。

漂泊者:

秧秧(ヤンヤン): 熾霞が不審者を見つけました。今追跡中です。

漂泊者:

秧秧(ヤンヤン): はい。私たちは今、商業区域にいます。

商業区域に秧秧と合流する

秧秧(ヤンヤン): 漂泊者さん!おかえりなさい!

漂泊者:

秧秧(ヤンヤン): さっきまで熾霞と一緒に黒い花を付けて街中を歩いていたのですが……特に有益な情報は得られませんでした……。

漂泊者:

秧秧(ヤンヤン): え、えっと……挨拶みたいなのは多少……。

優しいおじさん: お?さっきの美人さんじゃない、あれ?

情熱的な女の子: あ、ホントだ!君、可愛いね!もっかい写真取っていい?さっきはちょっと角度が上手くいかなくてさ……。

漂泊者:

秧秧(ヤンヤン): も……もう、からかわないでください!

秧秧(ヤンヤン): あ、熾霞が不審者を見つけたみたいですよ。ほら、あの人。

秧秧(ヤンヤン): も……もう、からかわないでください!

秧秧(ヤンヤン): あ、熾霞が不審者を見つけたみたいですよ。ほら、あの人。

秧秧(ヤンヤン): あ、熾霞が不審者を見つけたみたいですよ。ほら、あの人。

熾霞(シカ): 漂泊者か。いいところに!こいつ、商業区域でコソコソ嗅ぎまわってて……なんか怪しいから見張ってたんだ。

熾霞(シカ): んで、さっきまで探し物をしてる小っちゃい女の子と一緒にいたんだけど……その子、急にいなくなっちゃったんだ。これってやっぱおかしいよね?

熾霞(シカ): 今巡尉熾霞だ!そこのお前!路上活動の許可証を見せてもらおうか!

アールト: きょ、許可証!?ゴホン!わたくし、しがない情報屋で、名をアールトと申します。今は気ままに旅をし、皆さんにお力添えを……

熾霞(シカ): はい、無許可ね……。となると、店舗も持ってないってことかな?

アールト: て……店舗!?情報商売に店舗って必要なの……なんですか?

熾霞(シカ): はぁ……じゃあ団体活動許可証を見せてくれ。

アールト: ま……待て!うちは信用第一、明朗会計!どんな情報でも取り扱ってる優良店!何なら、ここに「大陸名情報屋賞受賞証」だって……

熾霞(シカ): 明確な業務実態がない……つまり、違法営業だね。

アールト: ……

熾霞(シカ): おたく、責任者は?ちょっと呼んできてよ。身分証ぐらいは出してもらうよ!?

アールト: せ……責任者!?あ……あのお方はとっても立派なお方なんだぞ!

アールト: それは……この星と共に誕生した古き存在。言わば星そのものの意思、世間万象を映す鏡……

漂泊者:

熾霞(シカ): だから責任者を呼べ責任者を!

アールト: だぁ——もう、ここまで言ったのにまーだ信じないの!?おかしい!あり得ない!

熾霞(シカ): はいはい!信じる信じる!状況はよ~く分かった!

熾霞(シカ): じゃ、とりあえず署まで来てくれ。

アールト: 頼むよ!後生だよ!俺はただ人を探してただけで……

アールト: こう、こう……こんな感じの子供で……人混みに紛れてても一目でわかるような!

熾霞(シカ): どんな感じだよ……。

アールト: ほら!君がさっき言ってたあの子だよ!

漂泊者:

アールト: あ~そうそうそうそう!まさにそう!——ってあれ、なんで君が知ってるんだ?

ヴェリーナ: 気を付けて……危ないですよ?

アンコ: 見つけた!

アールト: アンコ大明神様がよ……!心配かけさせやがって……。

熾霞(シカ): おい!何するつもりだ!

アールト: 巡尉さん……俺が探してたのは、この子だよ……。

熾霞(シカ): あんた……アンコちゃん、だね?この人知ってる?

アンコ: うん!アンコ知ってる!

アンコ: 無免許営業で、金の亡者で、盗み聞き大好きで、子供をいじめるのも大好きなアールトおじさん!……あ、でも悪い人じゃないよ!

アールト: アンコちゃん!?俺言わなかったっけ!?

アールト: おじさんはやめて!俺まだぴちぴちなんだけど!

漂泊者:

秧秧(ヤンヤン): ヴェリーナさん……これはどういう事ですか?

ヴェリーナ: 裏山から帰る時に、崖のそばで偶然出会ったんです……それも毒キノコを食べてる真っ最中に……。

ヴェリーナ: 何とか薬の調合が間に合ってよかったですよ。でないと、恐ろしい事になってました……。

アンコ: アンコの心配してくれてありがとう!でもこういうのは慣れっこだからね!

秧秧(ヤンヤン): アンコちゃん、どうして一人でそんな危ない場所に行ったのですか?

熾霞(シカ): 大丈夫!全部言ってみよう!

アンコ: それは……このお兄ちゃんを「見張る」ためさ!

アールト: あはははは……変なアニメでも見たのかなあ、アンコちゃん……。皆様方、どうかお気になさらず……。

アンコ: ねえアールト……アンコに行けって言ったの、アールトだよね?なのになんかみんなの目……やばいよ?

アールト: だからアンコちゃん……そういうこと言っちゃダメなんだって……

アールト: はあ、しょうがない。こうなったら、もう素直に打ち明けるしかないか……

アールト: ——ここへ来たのは仕事のためだ。それもヒジョ~に重要なね。なんせ……

アールト: アンコ!

アンコ: アールト~!待って~!

アールト: じゃあな!こっちには世界を救う使命があるんだよ!

熾霞(シカ): コホコホ……待て!

熾霞(シカ): コホ……逃がすわけには……。

ヴェリーナ: わ、私は居住区域に行ってみます!

商業区域でアールトを探す

アールトが作った霧の分身。なぜか今にも飛び立ちそうなポーズを取っている。

これで挑発するつもりなのだろうか?

分身の前には小さい文字が残されている。「信用第一、霧々屋!今ならご新規様二割引き!」

熾霞(シカ): くっそー!あいつ、わざとやりやがったなー!

熾霞(シカ): あたしは巡寧所に行ってくる。地の利ならこっちのもんだ!

アールトが作った霧の分身。なんだか「いらっしゃいませ」と言っているような気がする。

これで攪乱するつもりなのだろうか?

分身の前には小さい文字が残されている。「せっかくのご縁だ。いい関係を築いていこうぜ!」

秧秧(ヤンヤン): ここも別れ道ですか……。

秧秧(ヤンヤン): 広場の方は私に任せてください。そっちは頼みます!

アールトが作った霧の分身。これは……ハート……?

これで邪魔するつもりなのだろうか?

分身の前には小さい文字が残されている。「焦りは禁物だよ。さあ、答えはこの後すぐ!」

分身の間隔が狭くなってきた……どうやら、この通りの一番奥にいるようだ。

アールトに追いつく

アールト: ……へっ、待ってたよ。

漂泊者:

アールト: 逃げるなんてとんでもない!最初から本命は君だよ。

アンコ: お兄ちゃん、遊ぼうよ!

アンコ: アンコとアールトおじさんは、悪いようにしないからね~。

漂泊者:

アールト: ほどほどにしとけ、アンコ。お客さんを脅かしすぎだ。

アンコ: アールトには言われたくない。アンコだって普段こんなことしないからね—。

アールト: ま、そう警戒するな、漂泊者さん。ちと聞きたいことがあってね……

アールト: あの二人に花を身につけて街を歩いてもらうってのは……君のアイディアかい?

アールト: あの花自体は、素人を騙し通せる素晴らしい出来だ。この俺も素直に拍手を贈ろう。

アールト: うんうん……植物系共鳴者ね。中々興味深い。

アンコ: 植物系~?だったらアンコも一人知ってるよ?

アールト: そうだな。別に驚く事じゃあないか。

アールト: では、聞かせてもらおう。……君はなぜ黒海岸ブラックショアを探す?

漂泊者:

アールト: 必要、ね……。じゃあ、俺らが君が探している情報を持ってる、としたら?

アールト: そうかそうか。どうやら、俺の情報が正しかったようだな。

アールト: ははっ!いいね。わかってるじゃないか……

アールト: 瑝瓏にこんな諺がある。「釣られる者は、釣られに来た者だけ」。つまり、君は合格だ。

アールト: 君が探してた人は……何と!目の前にいる俺たちでした!

アールト: どうだい?中々有益な情報だったろ?

漂泊者:

アールト: ガッカリしないでよ。黒海岸ってそんなヤなイメージでもあるのかな……?

アールト: ガッカリしないでよ。何事も予想してから動く人生なんて、案外つまらないものだぜ?

アールト: 何やら、黒海岸ブラックショアに聞きたい事が山ほどあるようだが……まぁまずは俺の話を聞いてくれ。

アールト: 前にも紹介した通り、俺は「情報屋」を生業にしている。

アールト: だから、俺も商売人の端くれ。俺の情報には……「対価」が必要だ。

アールト: つまりだな、漂泊者さん。俺たちはただ、君と「取引」がしたいんだよ。

アールト: 君には一緒にある稷廷しょくていの遺跡に潜り、ある「信号塔」のデータ回収に協力してもらいたい。

アールト: それが終わったら……俺たちの知る全ての情報を、君に教えよう。

漂泊者:

アールト: 信用できるからさ!世界中で誠実な商売をしてきた俺たちじゃなきゃ、黒海岸ブラックショアの「協力者」なんかになれる訳ないだろう?

アールト: 他にお求めの情報が手に入るルートなんて……君にはないと思うけどね。

アールト: はぁ、仕方ない、せっかくのご新規様だ。ここは出血大サービスといこう。

アールト: これは手付け金、そして贈り物だ。黒海岸ブラックショアにとっての、この花の意味を知った君へのね。

アールト: 俺たちのことが信用ならないのなら……あの植物に詳しいレディに見せてあげてくれ。

アールト: それでもダメなら……

アールト: アンコ、今だ!あの悩殺ポーズを!

漂泊者:

アンコ: ううぅ……おにいちゃん……。

アールト: こんな可憐なアンコちゃんを断るなど、誰にもできまい!そうだろ?じゃ決まりだ!

アールト: 怨鳥の沼近くの中枢信号塔で待ってるよ~!……あ、一応一人で来てね!

熾霞(シカ): 漂泊者!見つかった?

漂泊者:

熾霞(シカ): うわ、マジか?全っ然そんな風に見えなかったけど……。

漂泊者:

ヴェリーナ: やっぱり!この黒い花は反響植物の一種です。

ヴェリーナ: それに、含まれている反響エナジーはとても独特で……エナジーレベルも普通の反響植物と比べものにならないくらい高いです。

熾霞(シカ): ……ってことは本当にそうなのか……

熾霞(シカ): ちぇ。あれが黒海岸かよ。逃げ足の速いやつ。

秧秧(ヤンヤン): 彼らと何を話したのですか?

漂泊者:

一連のことを3人に伝えた……

秧秧(ヤンヤン): 稷廷しょくていの遺跡……長年放置された科学研究機関で、寂れてるということ以外、特筆すべきことはない場所ですね。

秧秧(ヤンヤン): しかし、現在怨鳥の沼で気象異常が頻発していて、その一帯が危険な状態にあります……。

熾霞(シカ): もー、秧秧!そう心配するなって!漂泊者の実力は、あたしたちが一番よく知ってるだろ?

秧秧(ヤンヤン): わかりました。私は研究院に連絡して、あなたのデータを中枢信号塔経由で怨鳥の沼近くの信号塔に転送し、開放させるよう手配してみますね。

秧秧(ヤンヤン): ここ最近、無音区の動きが活発になっています……。一人で向かうつもりでしたら、くれぐれも注意してくださいね。

熾霞(シカ): 必要ならいつでも呼んでくれよ。ソッコーで駆けつけるからさ!

アールト、アンコと話す

アールト: よっ、来たな漂泊者さん!

アールト: 座標は君のデバイスに転送しといたよ。

アールト: ここからは協同作戦……というわけで作戦前のブリーフィングを始めよう。

アールト: 稷廷しょくていとは、極めて神秘的な科学研究組織。そのメンバーは皆、「機巧術」を修めた秀才たちなんだが……

アールト: 世間に広く認知されたのは、やはり彼らによる「わけのわからん実験」の数々だな。

アールト: 怨鳥の沼で七彩の黒い光が輝くのは何故?湖から浮かび上がった輪っかは怪獣の仕業?

アールト: 漆黒の夜に空を舞った若い研究員が消息不明に……まさか、あれもこれも誰かに仕組まれた陰謀なのか……?

アンコ: あれれ?もう寝る時間?アンコ、まだ眠くないよ……?もうお話読んでくれるの?

漂泊者:

アールト: 悪い悪い!いつもの癖で……。でも!大事なのはその後!

アールト: ある日を境に……稷廷しょくていのメンバーは、全員!急に!いなくなった!

アールト: 稷廷しょくていの責任者である老教授は、後ほど回収された録音データで、こう言った……

アールト: 「わしの実験成果か?ほしいんだったらくれてやる。探せ!このわしの成果をそこに置いてきた!……そう、稷廷しょくていに!」

アールト: どうだい漂泊者さん!好奇心がくすぐられるだろう!こんなありったけな話を聞いてしまったら!

漂泊者:

アールト: いいね、さっすが漂泊者さん!そう来なくっちゃ!でも、大事な任務があるってのも本当だ。

アールト: ま、まってくれ!今回は本っ当に大事な任務があるんだ!

アールト: 令尹さんから、俺ら黒海岸ブラックショアの「役割」は聞いたよな?

アールト: 俺たちは「信号塔」を世界各地に設置した。悲鳴のデータ収集、分析、そして予測を行うためにな。

アールト: 瑝瓏にはこういった諺がある。「小さな誤差でも、重なればいずれ大きな失敗を招く」……。裏返せば、一つ一つの信号塔は俺たちの大事な「目」ってことだ。

アールト: ……だが稷廷のメンバーの失踪後、稷廷しょくてい区域に設置した信号塔に損傷が出た。

アールト: で、少し前に黒海岸ブラックショアの「テティス悲鳴測定システム」の一部に異常が発生した。その原因は稷廷しょくてい区域の信号塔の破損にあるかもしれない。

アールト: だからこうしてこの足で稷廷しょくていに出向き、実際に調査するってわけよ。

アールト: 今回の任務は、信号塔の回収だ。けどひょっとしたら、珍しい宝をゲットできたりするかもな?

アンコ: アールト……あんたの考えは、アンコでもわかるよ……。

アールト: まだガキンチョのアンコにわかるもんか。さあ、行くぞ!

稷廷の遺跡に向かう

アールト: あれ?俺の残像探査機壊れてるのか?これだけいるのに全く反応しない……。

アンコ: きっと、急に出てきたからビックリしちゃったんだ!

アールト: おかしいな……ま、とりあえず倒しますか!

アールト: ここだ。

アールト: はぁ……いちいち謎解きとは……遊び心満載な奴らだな。

アールト: 稷廷しょくていに入れる人間が少ないってのも納得だ。これだけのセキュリティが備わってちゃあね。

アンコ: このドア、この前アールトがドジったせいで、開かなくなったやつじゃないの?

アールト: コホン!あれは……そうだな……とにかく!まずはこのドアを開けないとな!

アールト: この仕掛け……なんか「日時計」に見えない?

アールト: ここは座を回して、両方の針も同じ方向に移動させてみよう。

稷廷の研究室に入る

アールト: これは……なるほど……

アールト: 稷廷しょくていの奴らは……溯洄雨の再現を試みていたのか……。

アールト: それもここまで進んでいるとはな……恐れ入った……。

漂泊者:

アールト: 「溯洄雨」とは、「天空海」から生み出された現象……いわゆる高密度の反響エナジーだ。

アールト: 反響エナジーは、あらゆる時空の事象を記録できる。だからそれでできた溯洄雨に濡れると、雨が記録した様々な「過去」を見ることができるんだ。

アールト: 恐らく、さっき外周部で見た雨みたいなのは、この研究の成果なんだろうな。

アールト: それと、一般的に溯洄雨は3つの段階を経て形成されると言われている。第一段階は誰もがよく目にするような普通の雨……

アールト: そして今見たのが、第二段階——「停留」。

アールト: 俺は溯洄雨を研究してる人を何人も知ってる。

アールト: ……執念深いヤツらだよ。みんなある事件、もしくはある人に固執している……。

アールト: それにしても、稷廷しょくていの研究はスケールがデカいな。

アールト: そこまでして探求する秘密とは一体何なのか……実に興味深いね。

アールト: ここの電力システムは死んでないはず……手分けして探そう。

アンコ: いえい!メェーちゃん、出発~!

研究室に電力を供給する方法を探す

謎の男性研究員の映像: あの監察はやたら羽振りがいい……あの金がなければ、実験室なんていつまで経っても完成できなかった……

謎の男性研究員の映像: よく実験に口出しされるのは癪だが……それでも大事なパトロンだ。

謎の男性研究員の映像: こんな場所であっても、実験が続けられるだけ良いと思わないと。

謎の女性研究員の映像: そうよね。でなきゃ、私たちのような「狂人」、誰も拾ってくれやしないわ。

謎の男性研究員の映像: ベースから蹴り飛ばされた私たちの本心、あいつらは理解できまい。

謎の男性研究員の映像: ハイセン教授が言った通り。僕たちの努力は、人類の未来を変えられる偉業。

謎の男性研究員の映像: 今度こそ……あの「奇跡」を、再現してみせる!

謎の男性研究員の映像: 実験自体は上手くいったはず……なのに望んだ結果が出ないのは何故だ?

謎の男性研究員の映像: 「人工溯洄雨」は第二段階に突入した。手持ちのあらゆる資料と証拠は、かの文明が確かにここ怨鳥の沼にあったと示している。

謎の男性研究員の映像: 「溯洄雨」の特性を利用し、「奇跡」を再現する……これは不可能なのか?

謎の男性研究員の映像: 時間がない。「人工制御無音区」の作成がほぼ完了している。ここは「第二プラン」に移るか……

アールト: 最後の部屋だ……。

アンコ: アールト!お兄ちゃん!アンコ、すごいもの見つけちゃった!

壁の装置を起動

老けた男性の声: ……近づいてきたな。これが……最期か。少々、悔しいがね……。

老けた男性の声: 「敵」は、世間からの誤解、衰えつつある情熱、それに本性ゆえの迷いと思い込んでいたが……

老けた男性の声: 結局……「歳」が、一番の敵だったわい。

老けた男性の声: わしは死への恐怖と、成果への渇望に蝕まれ、魔が差し、これまで心血注いできた研究を歪ませた……。

老けた男性の声: ようやく目を覚ましたものの、時すでに遅し……。わしらは……あの、偽りの扉を開けてしまった……。

老けた男性の声: ここに、最後の……成果を残そう……。

老けた男性の声: かの者たちは、わしらの「過去」であり……「未来」でもある……もっと……早く、知っていたら……まだ、挽回の機会があったはずなのに……。

老けた男性の声: 過去からきた、未来の者……。どうか……もう一度、わしらを……救ってくれ……。

老けた男性の声: 進み、続けてくれ……世界を変える真の扉を開き、その先へと進んでくれ……。

ぼやけた女の姿の映像: ……

アンコ: 綺麗な人……。

アールト: 漂泊者。この人を覚えてるか?

漂泊者:

アールト: やっぱりか……。

アールト: 電力が戻ったんなら、中央エレベーターも使えるはずだ。

アールト: 信号塔はこの下にある。降りてみよう。

エレベーターで地下1階へ

アンコ: わああ……おっきい金属怪獣だ!

アールト: 稷廷しょくていの奴ら……変なものばっか作りやがって!

アールト: 信号塔のシグナルは……こ、こいつの体の中?まさか、あれを飲み込んだってのか?

アールト: どうも穏やかに話せる相手じゃあない。この戦いは……避けられないな!

アンコ: アンコとアールトはいつも通り?

アールト: ああ、いつも通りだ。

アンコ: にししっ。じゃあ、このおっきいのは……アンコが貰っちゃう!

アンコ: 黒メェー白メェー!いくよ!

アールト: こいつの弱点は……どれどれ……

アールト: そうか!こいつの体は無理矢理くっつけた金属パーツでできてる!

アールト: 関節部を狙え!落っこちたパーツで攻撃して、この図体だけの出来損ないをぶっ潰してやろうぜ!

敵を倒す

アールト: 一丁上がり!

アンコ: ふふん!アンコはできる子だからね!

アンコ: でもこんなおっきいの……どうしてここに現れたのかな……。

アールト: 前の調査によると……怨鳥の沼にいる稷廷しょくていのメンバーは、この組織の一握りだけなんだろうな。

アールト: 恐らく、何かしらの「神」の研究の最中に、過激な手段を取ったせいで追放されたんだ。

アールト: それでも研究を続けた彼らは、あの「神」がかつて怨鳥の沼にいたという証拠を掴み、溯洄雨の性質を利用し「奇跡」の再現を試みた。

アールト: だが、それも失敗に終わる。そして、次に打った手段が「神」の模倣……つまり、「偽物」の創造だ。

アールト: 彼らはその「偽物」に周波数とデータを無制限に投与した。成果に飢えていたんだろう……挙句に同類の残骸まで差し出したんだ。

アールト: その結果、「食」への渇望だけが残った怪物が生まれてしまった。

アールト: 稷廷しょくていメンバー失踪の犯人は……恐らくこいつだ。

アールト: それと、研究員日記に出たあの残星組織フラクトシデス監察……恐らくそいつとも何か関係がある。

アールト: 結局、ここにいた人達は……かつて経験した「神業」を証明する事に囚われ、作り出した怪物に魅入られ、自ら破滅する道を選んだ……

アールト: 「怪物に食われた」じゃ些か足りないな。「執着と狂気に呑まれた」が表現として真っ当だろう。

アールト: まさに狂人だよ……。

アールト: ……さて、約束は果たさなきゃな。

アールト: 黒海岸ブラックショアについて、何を知りたい?

漂泊者:

アールト: 俺ら「黒海岸ブラックショア」は、「悲鳴」の観測・研究を行う組織で、各国に信号塔を設置した、というのは前話した通り。

アールト: 黒海岸ブラックショア自体が、巨大な黒石なんだ。その中に含まれる膨大なエネルギーが、今でも俺らの活動を支えている。

アールト: この花も……黒海岸ブラックショアのエナジーに影響された産物だよ。

アールト: 俺たちは特殊な場所に位置してる組織。悲鳴の観測と予測に関してはピカイチの精度を誇る。

アールト: ……と言っても、現状はただ悲鳴の発生を追ってるだけなんだけどな。その真相に至るには、まだまだ研究が必要だ。

アールト: 今は被害を最小限に抑えるために、悲鳴の「潮汐時間」の測定と、その発生パターンを見て次の発生予測を行ってるよ。

実験室の入り口でアールトと合流する

アンコ: 雷だ~!ドコンドコン!あ~めがふれば、か~さをさして……

アンコ: 違った違った。アールトが言ってたのは、こんな雨が降ってたら「速やかに隠れろ」だっけ?

漂泊者:

アールト: 違う。この雨は……

アールト: ……本物の、溯洄雨だ。

秧秧(ヤンヤン): 漂泊者さん!今州が……今州が!

秧秧(ヤンヤン): 残像潮に襲われました!